ゲッベルスと私――ナチ宣伝相秘書の独白
ブルンヒルデ・ポムゼル(著)
,トーレ・D.ハンゼン(著)
,石田勇治(著)
,森内薫(著)
,赤坂桃子(著)
/紀伊國屋書店
作品情報
ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引した宣伝大臣ヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が、69年の時をへて当時を回想する。ドキュメンタリー映画「ゲッベルスと私」が、2018年夏より全国劇場にて順次公開中(岩波ホール創立50周年記念作品)!ハンナ・アーレントのいう”悪の凡庸さ”と”無思想性”は、アイヒマンよりもむしろポムゼルにこそあてはまる――「なにも知らなかった。私に罪はない」ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引したヨーゼフ・ゲッベルスの103歳の元秘書が、69年の時をへて当時を回想する。ゲッベルスの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル。ヒトラーの権力掌握からまもなくナチ党員となったが、それは国営放送局での職を得るための手段にすぎなかった。ポムゼルは、「政治には無関心だった」と語り、ナチスの所業への関与を否定し、一貫して「私はなにも知らなかった」と主張する。解説を執筆したジャーナリストは、このような一般市民の無関心にこそ危うさがあると、ナショナリズムとポピュリズムが台頭する現代社会へ警鐘を鳴らす。子ども時代から始まるポムゼルの回想は、30時間におよぶインタビューをもとに書き起こされ、全体主義下のドイツを生きた人々の姿を浮かびあがらせる。書籍版では、映画では語られなかった事実も明かされている。20か国以上で刊行が決まっている注目のノンフィクション「ヒトラーの時代がまたどこかで、かつてとまったく同じように繰り返されることはないだろう。だが民主主義体制の下でも、主権者である国民が、ポムゼルのように世の中の動きに無頓着で、権力の動きに目を向けず、自分の仕事や出世、身の回りのことばかりに気をとられていれば、為政者は易々と恣意的な政治、自分本位の政治を行うだろう。それに批判的精神を失ったメディアが追随すれば、民主主義はチェックとバランスの機能を失い、果てしなく劣化していく。これは、他でもない現在の日本で起きていることである」――東京大学大学院教授 石田勇治
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商品情報
- シリーズ
- ゲッベルスと私――ナチ宣伝相秘書の独白
- 著者
- ブルンヒルデ・ポムゼル, トーレ・D.ハンゼン, 石田勇治, 森内薫, 赤坂桃子
- 出版社
- 紀伊國屋書店
- 書籍発売日
- 2018.06.26
- Reader Store発売日
- 2018.09.21
- ファイルサイズ
- 0.7MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (18件のレビュー)
-
先日の『祖父はアーモン・ゲート』に続き。
本書と同名のドキュメンタリー映画(2016)も製作されており、その情報はTwitterに流れてきた関係で知った。
繰り返される「あの頃は無頓着だった」「知ら…なかった」発言。彼女のことを傍観者と取る人もいるかもしれない。
でも誰が彼女を咎められる?自分では何の思想も持っていない。祖国が世界から孤立する中で関心があるのは自分や家族の生活だけ。後は周囲の流れに沿ってしまえば忽ちこうなる。咎めるのではなくそう認めなきゃいけない。
「私たち自身がみな、巨大な強制収容所の中にいたのよ」
第一次世界大戦で国中が疲弊していてもポムゼルさん一家みたいに余裕のある人達はいた。今から見れば随分ささくれ立った家風だが、子供達に「お金がない」と言って聞かせる教育にはまだ同調できた。
そして暗黒面を殆ど目にしないまま、深い意味も持たずに入党。それでも国営放送局時代がどこよりも眩しかった。ありえない程の優遇もしかり、本物の働く喜びを目一杯満喫している。
これじゃ自分の世界しか見えないはず。周りの死イコール前線に派遣された職場のジャーナリスト達というのがそれをよく表している。
副題に秘書とあるが厳密には速記タイピスト。そして実際は宣伝省の事務員みたいな業務で事件性の高い重要案件に携わる、或いはその関係の書類を見ることすら出来なかったという。おまけにゲッベルスとは数える程しか言葉を交わしていない。それでも彼の人間性は充分な程伝わってきた。(極め付けは演説の場面…)
インタビューが終わっても、何も言わずその場を後にすることしか出来なかった。ショックだとか心を掻き乱されたとか感覚が一切残らず、只々放心状態。こういう人間から乗っ取られていくのだろうな。
どこへ向かっているのか自問する日々が訪れると今は予感している。続きを読む投稿日:2022.01.27
とても考えさせられました。ヒトラーの右腕としてナチ体制を牽引したゲッベルスの元秘書ポムゼルさんの独白。すべてを正直に語っていないと評されていますが、それが人間というもの。「なにも知らなかった。私に罪は…ない」という主張も、賛同とはいわずとも共感しました。「人間はその時点では深く考えない。無関心で目先のことしか考えない。」そのとおりだと思いました。念頭にあるのは自分の利益ばかりで、それ以外のことにはご都合主義をとってしまう。人間は、少なくとも個人はそんなに強くありません。では、どうすれば・・・?ひとつの解として、こうした歴史に学んで同じ轍を踏まないようにする、ということがあると思いました。人間の、自分たちの在り方について考える機会を与えてくれる、貴重な一冊です続きを読む
投稿日:2022.12.19
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