あの日、松の廊下で
白蔵盈太(著)
/文芸社文庫
作品情報
旗本・梶川与惣兵衛は、「あの日」もいつもどおり仕事をしていた。赤穂浪士が討ち入りを果たした、世にいう「忠臣蔵」の発端となった松の廊下刃傷事件が起きた日である。目撃者、そして浅野内匠頭と吉良上野介の間に割って入った人物として、彼はどんな想いを抱えていたのか。江戸城という大組織に勤める一人の侍の悲哀を、軽妙な筆致で描いた物語。第3回歴史文芸賞最優秀賞受賞作品。
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商品情報
- シリーズ
- あの日、松の廊下で
- 著者
- 白蔵盈太
- 出版社
- 文芸社
- 掲載誌・レーベル
- 文芸社文庫
- 書籍発売日
- 2021.04.01
- Reader Store発売日
- 2021.04.28
- ファイルサイズ
- 2MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (21件のレビュー)
-
ブクログサイトで知った本。
タイトルはおふざけっぽいが、「忠臣蔵」の発端となった「松の廊下刃傷事件」がどのような過程を経て起きたのかを描いた作品で興味深く読めた。
しかも視点は吉良上野介でも浅野内匠頭…でもなく、二人に割って入った梶川与惣兵衛。彼は偶然事件に居合わせたのではなく、この事件の重要な関係者だった。彼の立ち位置から彼の目から見た二人の姿など、これまで描き尽くされた「忠臣蔵」とは少し違っていて面白かった。
結論から言えば「松の廊下刃傷事件」は二人のコミュニケーション不足と、周囲の能力不足が招いた悲劇だった。
指南役である高家の面々は全く頼りなく、唯一饗応の全てを知り尽くした吉良は京に行って不在。本番直前にしか戻れなかった。
浅野家の家臣たちはいい加減で、費用の見積りから必要な物を取り揃えることすら進まない。
吉良は進捗状況を書状で知らせろと高家の面々や浅野に頼んだのに書状が届かなかったり知りたいことが書いてなかったりして、吉良が江戸に戻る本番直前まで準備が進まなかった。
また饗応の費用についても二人の間に齟齬があり、豪華にして欲しい吉良と費用を去年並みに抑えたい浅野で行き違いがあった。
そんな二人の様子を見てハラハラするのが梶川。彼は大奥御台所付き留守居番という役職の旗本だが、役目柄饗応の様子は毎年見ているだけに遅々として進まない饗応準備や吉良と浅野との溝が深まっていくのが心配で堪らない。
そこで何とか上手く二人の間を取り持ちたいと吉良に書状を送ったり浅野を宥めたりするのだが、結果的には逆効果になってしまった。
さらには周囲の者たちが保身や隠蔽に走って本番直前までゴタゴタしていた。
三人をフォローするならば、皆饗応の成功のために懸命に努力した。
ただそのやり方がまずかったり方向性が違っていたり行き違ってしまったり。そしてそれぞれ自分たちは正しい方向を向いていると信じ、相手が自分に不審感を抱いていたり気持ちに溝があるとは思っていなかった。
こういうことはどんな世界にもありそうだ。
赤穂浪士の討ち入り後、世間の喝采と反対に冷めた目で浅野家家臣を見る梶川が興味深い。確かに梶川から見ればそうだろうなと思う。
主君への忠誠のためならば、討ち入るより「松の廊下刃傷事件」が起こらないよう力を尽くすべきだったのだ。
そして最も能無しだった江戸家老の安井彦右衛門が討ち入りメンバーにいないのも皮肉。続きを読む投稿日:2021.10.31
サイトの記事が気になりブックオフの入荷待ちして購入。崇高ではない忠臣蔵は新鮮、これも真実かもと思えるほど人が人臭くてまずまず面白かった。
2024-001投稿日:2024.02.23
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