電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?
三上修(著)
/岩波科学ライブラリー
作品情報
電柱といえば鳥,電線といえば鳥.でも,そこで何をしているの?カラスは「はじっこ派」?感電しないのはなぜ?――電柱や電線の鳥に注目したら見えてきた,その知られざる生態,電柱・電線の意外な姿,電力会社と鳥たちの終わりなき知恵比べ.あなたの街にもきっとある,鳥と電柱,そして人のささやかなつながりを,第一人者が描き出す.
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商品情報
- シリーズ
- 電柱鳥類学 スズメはどこに止まってる?
- 著者
- 三上修
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波科学ライブラリー
- 書籍発売日
- 2020.11.25
- Reader Store発売日
- 2021.04.22
- ファイルサイズ
- 51.3MB
- ページ数
- 126ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (17件のレビュー)
-
電気がある鳥の暮らし
鳥にとっても電気(設備)は便利だったとは。視点が意外で面白い。
投稿日:2021.07.10
-
♪ぼ~くは三丁目の電柱です~♪ 雨の日、風の日、街角に立ち、通りを見てます、眺めています~♪
夕焼け、お~そらは、いわし雲~♪
電柱と言えばこの東電のCMソングが浮かぶ世代です。
それはさてお…き、春から初夏にかけては鳥たちの子育てシーズン。ツバメは民家の軒下で、スズメは電柱の腕金や変圧器の中で営巣してヒナを育てる。ムクドリが民家の戸袋で子育てしているのに出くわしたこともあるし、シジュウカラが玄関ポストで子育てする様子を追ったテレビ番組もあった。都市で暮らす鳥たちは人間が作った構造物をちゃっかり利用する。
電柱に巣をつくる代表格はザ・普通の鳥、スズメだ。(これ、著者が以前に書いたスズメの本で言っていたこと)
スズメはその小さい体を最大限に活かし、他の鳥では入り込めない電柱の変圧器(ポリバケツみたいなあれ)の中や、それを支える腕金(電柱の横棒)の中に巣をつくる。
カラスも電柱に巣をつくるらしいが、うちの近所じゃ見かけない。カラスは上から巣を見られるのを嫌うらしいから電柱より高い木があれば、そっちにつくる。自分もよくカラスの巣を見つけるけど、だいたい10メートルくらいある木の上だ。
先日、ハシブトガラスが変圧器の下から容器を突っついていた。外からは見えないけれどスズメの巣があるのだろう。ちょっと離れた電線の上で親スズメがジュジュジュジュッと、警戒音を出して、ヒナにジッとしているようにと鳴いていた。
翌日同じ場所を見上げてみたら、虫をくわえた親スズメが変圧器の下でうろちょろしていて、それを10メートルくらい離れた電線の上からハシブトガラスが見てた。スズメからしたら、巣があることを知られたくないという本能から変圧器の中に入らなかったのだろうけれど、残念ながらカラスは頭がいいのでもう場所は覚えてしまって、巣立つ瞬間に仕留めてやろうと狙っていたに違いない。自然は厳しいから、スズメはカラスがいないときに巣立つしかない。
講演などで、著者は電線にとまる鳥は感電しないの?との質問をよく受けるらしいが、ほぼ心配ご無用とのこと。そもそも剥き出しの電線はなく電気を通さない素材で覆われているし、仮に剥き出しでも感電しないらしい。電流は抵抗が少ない方向へより流れやすいため、わざわざ抵抗が大きい鳥の体に向かっては流れないからだ。人間も片手でぶら下がってるぶんには感電しないらしい。(もう片方の手で何かをさわると電気が通ってしまうから感電する)
変圧器や腕金の中で巣は暑くないの?という質問もよくあるとのこと。これは自分も疑問に感じていた。著者の実験によると、中は確かに外気よりは熱いが、3℃くらいしか上がらないらしい。巣を使うのは子育てシーズンは夏前の5月から6月だけで、真夏に金属の中で過ごすわけではないから、蒸し風呂のようなことにはならないようだ。逆に夜は冷えるから、金属でヒナの体が冷えてしまう心配のほうがあるという。
なるほどね。
著者はスズメの本をよく書いている方だから、スズメ愛に溢れた本かと思って読んだのだけれど、どうも電柱愛にも溢れている方のようだ。予想外に電柱に関する記述が多かった。電柱を見る目が変わった。
結構その部分も面白かったので、電線好きタレントで有名な石山蓮華さんのインスタをチェックしてみた。見事なまでに電線の写真しかなかった。電線好きであって、電柱好きではないようだ。自分は鉄塔は好きだが、電柱や電線にはそんなに興味はない。鉄道好きな人も、いろんなところに‘’鉄分‘’を感じるから、電柱好きや電線好きにも、いろんなタイプがいるのかもしれない。続きを読む投稿日:2022.04.26
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