美術館と大学と市民がつくるソーシャルデザインプロジェクト
稲庭彩和子(著)
,伊藤達矢(著)
,とびらプロジェクト(編)
/小学館
作品情報
地域の文化施設を活用したコミュニティづくりの先進事例
今、美術館などの地域の文化施設がハブとなり、人をつなぐコミュニティづくりを行う地域連携プロジェクトへの注目が高まっている。
その潮流の牽引役である東京都美術館と東京藝術大学がタッグを組み、美術館を拠点にアートを介してコミュニティを育む「とびらプロジェクト」の全貌をまとめた一冊。
※一部カラーが含まれます。
コラム:
西村佳哲(働き方研究家 リビングワールド代表/とびらプロジェクト・アドバイザー)、
日比野克彦(東京藝術大学美術学部教授)、森司(アーツカウンシル東京 事業推進室 事業調整課長/とびらプロジェクト・アドバイザー)
○とびらプロジェクトとは?○
東京都美術館×東京藝術大学 とびらプロジェクト
美術館を拠点にアートを介してコミュニティを育むソーシャルデザインプロジェクト。
広く一般から集まったアート・コミュニケータ「とびラー」と、学芸員や大学の教員、そして第一線で活躍中の専門家がともに美術館を拠点に、
そこにある文化資源を活かしながら、人と作品、人と人、人と場所をつなぐ活動を展開している。
東京都美術館のリニューアルオープンをきっかけに、東京藝術大学と連携し2012年に始動した。
「とびラー」とは、東京都美術館の略称「都美(とび)」と、「新しい扉(とびら)を開く」の意味が含まれた愛称。
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この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
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美術館との関わり方がこれから変わっていきそうな、希望というか期待というか。
とびラーには首都圏に住んでいないので応募できないけど、楽しんで頑張ってもらいたいと思う。
また首都圏に住んでいない人たちはど…うしていったらいいか、考えれたらいいと思う。続きを読む投稿日:2018.12.22
借りたもの。
今まで「美術教育に力を入れる」ことが美術館と大学――教育機関――の使命だった。それがシフトし、地域コミュニティ――アートコミュニケーションの現場――として、取り組んでいく。その記録。
…教養としてのアート、イノベーションを生むMFAの一環としてのアートとは異なる。
イベントを通して、地域や様々なバックグラウンドを持つ人々のコミュニケーションを促すきっかけとなる場を作ってゆく。
アート・コミュニケーター「とびラー」と呼ばれる美術館のサポーターではない(アートの専門家ではない)ボランティアが参加している。アートの専門家とも言える学芸員や美術の教授と共に運営していく。
まず、美術の知識を伝えるのではなく、「コミュニケーションのツールとしてアートを用いる」にシフトしている点から興味深い。
アートと人々との懸け橋を担う「とびラー」の養成についても紹介。「とびラー」はコミュニケーションのあり方やプロジェクト理念、実践的な活動場面を想定した講座を学ぶ。そして3年間の任期満了後に、それぞれの地域で自主的な活動を起こすことを見据えたゼミも開いている。
頭でっかちな美術教育ガイドではなく、何気ないクリエイターの面白エピソードやトークが人を惹きつけ、楽しさから美術への興味に繋がる……
モノを作るワークショップと言ったものだけでなく、聴覚障害者とともにワークショップ、地域にある複数のミュージアムとの連携でイベントを行った事例など。
明確なひとつの目的よりも、たくさんの「楽しい!」を体験するためのイベントに、提供する「とびラー」や美術館関係者のワクワクが伝わってくる。
読んでいて思い出したことがある。
子供のころ、箱根の彫刻の森美術館( https://www.hakone-oam.or.jp/ )で走り回りながら作品を鑑賞した事(宝探しの気分だった)、現場のワークショップで陶器に絵を描いたことが凄く良い思い出になった。
直接関係がなくても、そうしたものが、大人になった今に繋がり、私は美術好きになった。
私はこのプロジェクトの根底にあるものは、コミュニケーションの形成のためやアートの教育現場に限らず、様々な教育現場で興味を持ってもらうための布石となるものに通じているような気がする。
『とびらプロジェクト』
https://tobira-project.info/続きを読む投稿日:2022.06.25
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