- 最新巻
史記列伝 五
司馬遷(著)
,小川環樹(訳)
,今鷹真(訳)
,福島吉彦(訳)
/岩波文庫
作品情報
中国最初の史書「史記」の最後に置かれた70の列伝.宰相,武将,循吏,酷吏,刺客,侠客,素封家等,司馬遷は貴賤を問わず〈正義を保持し,ひとに屈せず,機を失わずして世にあらわれた人々〉をとりあげ,それぞれにしたたかなこれらの人間の生きざまを,躍動する筆致で描き,「史記」の全体像を構成した.
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商品情報
- シリーズ
- 史記列伝 一 全五冊
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波文庫
- 書籍発売日
- 1975.12.16
- Reader Store発売日
- 2021.03.25
- ファイルサイズ
- 2.6MB
- ページ数
- 280ページ
- シリーズ情報
- 既刊5巻
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この作品のレビュー
平均 4.0 (3件のレビュー)
-
「大宛列伝 史記列伝第63」
最後の「まとめ」で司馬遷は、おおよそこう書いた。「古書の禹本紀に黄河の源は崑崙山にあると書いているが、実際は誰も行ったことがなかった。張騫が大宛と交易を始めて初めてその…源がそこの于テンに発していたと分かったのである。これにより中国の地理は「尚書」が真実に近い。私は「禹本紀」や「山海経」を信じない」つまり、張騫によって世界地図は確かになり、かつ広がった。不遇のままに死んだ張騫を高く評価したのである。おそらくこれにより張騫の名は広く知られたのだと思う。
この「大宛列伝」には人の名前は冠されていないが、前半で心を打つのは張騫の一生である。
簡潔にしか書かれていないが、その一生は波乱万丈だった。西方に使者として出されて途中匈奴に捕まり十余年、隙を見つけて逃亡し大宛に至る。帰りにまたもや匈奴に捕まり、王の死後の混乱に乗じて漢に帰る。出発時には百余人、帰漢時には二人、13年が過ぎていた。その後、張騫は外交官になることなく、将軍として匈奴と戦う。張騫が水・草のある処を知っていたので功を得て侯に封じられる。しかしやがて大敗を喫し罪を償って庶民になる。やがて西域の使者として、交易の端緒を作る。張騫の報告書によって、西域に汗血馬(サラブレッド)がいる事が知れ、その後の李広利の遠征に繋がる。また、西域の詳しい地理や風俗、インドやペルシャの存在が知られるのである。
後半の主人公は李広利将軍の西域遠征である。公の報告書だけで歴史を綴っているので、武帝のお気に入りだった李広利の無能さは明確になっていないが、きちんと読めば大きな出費をかけて利は少なかった。よって李広利の大将軍としての能力は非常に低いことが分かるようになっている。
「玉門関に帰入した軍兵は一万余人、軍馬は千余頭しかなかった。第二回の遠征では、軍は食糧が乏しかったわけでもなく、戦死者がはなはだしく多かったわけでもなかった。ところが、将・吏が貪欲で、その多数のものが士卒を愛さずいじめたので、死者が多かったのである。しかし帝は、万里の彼方に遠征して大宛を伐ったことを嘉して、あえて過失を詮議しなかったのである」
報告書をそのままなぞっているわけだから、司馬遷に落ち度はないかもしれないが、読む人が読めば武帝批判である。
武帝に読解能力がなかったわけではないだろう。司馬遷を誹謗中傷する臣もいただろう。しかし、司馬遷は生き延びた。思うに、武帝は司馬遷の能力を愛していたのだろう。
2014年1月21日読了続きを読む投稿日:2014.02.03
本巻には「儒林列伝 第六十一」から「貨殖列伝 第六十九」までと「太史公自序 第七十」の現代語訳と司馬遷年譜、訳者の一人である小川環樹氏の解説、さらに索引を収録。ただし、訳者の事情で「亀策列伝 第六十八…」は省略されている。
「酷吏列伝 第六十二」の狄山のエピソードは、専制君主というものの恐ろしさが伝わる一例で、大変印象に残った。
本巻収録の列伝は司馬遷と同時代、つまり漢の武帝の治世下における事柄が多い。これにより前漢の全盛期といわれるこの時代の内実を知ることができる。
私としては武帝(正確には孝武皇帝)の評価はあまり高くない。続きを読む投稿日:2021.10.15
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