リモートマネジメントの教科書
武藤久美子(著)
/クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
作品情報
リモートワークの導入で、マネジャーが行うマネジメント業務は、さらに難しいものになっています。 元々すべきことが増え、使える時間は減り、慣れたやり方からの脱却が求められる中、リモートへの移行により、マネジャーへの期待と負荷はさらに高まっているのです。 そこで本書は、マネジャーが行う社内のマネジメント、主としてメンバーマネジメントに焦点を当てています。本書のメッセージは、「リモートワークがもたらしたメンバーの変化を知ることで、リモートマネジメントのポイントを知ることができる」「リモートのマネジメントを実践することで、対面でのマネジメントも進化できる」ということです。そんな、現実的で具体的なマネジメントの未来を本書では解説していきます。
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この作品のレビュー
平均 3.9 (7件のレビュー)
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リモートワークを生きる、マネージャーのための本
コロナ禍がもたらした、新しい勤務体系、リモートマネジメント
その試行錯誤、管理、生産性と働き方というものさしを当てている
業務の全体理解、思考の理解や…品質といった質としてのリモート対応については、今後の議論だ
本書のメッセージは、以下です。
リモートワークがメンバーにどのような変化をもたらしたかを知ることでリモートマネジメントのポイントを知ることができる
リモートマネジメントを実践することで、対面でのマネジメントも進化できる
リモート時代のマネジメントを身につけることは、マネジャー自身の負荷を小さくするとともに、自身やメンバーが心身穏やかに、力を発揮することにつながります。
気になったのは以下です。
■リモートワークとは
・オフィスワークがベース(全員出社)
・リモートワーク可能な範囲を儲ける(部分、本人次第)
・リモートワークがベース(原則全員リモートワーク)
・それ以外の部署はリモート(原則全員出社だが育児・介護などの場合にリモートワークを認める)
■新たな動き
・オフィスの縮小、廃止、本社への移転
・スーパーフレックス制度(コアタイムなし)
・転勤なしの全国社員
・電子申請、電子印鑑
■マネジメントからの声
・チームで進める仕事に余計な手間が増えた
・メンバーがさぼっている、働き過ぎている
・リモートワークが続いていくと、組織が徐々に弱っていく気がする
■ソロワーク化
・学びの機会が減っていく気がする
・仕事ができている、すすんでいるは、メンバーそれぞれで思っていることが違う
・会社のおかげという気持ちが薄れる
・上司、同僚との業務遂行が難しくなった、距離ができた
■リモートワークとは
・メンバーに自由とそれに伴う責任を負ってもらうこと
⇒自由とは?
①自律的に仕事がしやすくなる
②生活を大事にできる
③安心の場を確保して挑戦できる
⇒責任とは?
①周囲を安心させる責任
②仕事環境をデザインする責任
③心身の健やかさを維持する責任
⇒留意事項 仕事の抱え込み、報連相の遅れ、長時間労働などが起きやすい
⇒帰属意識の低下 他社が魅力的に映る ⇒結果、せっかく育ったメンバーが辞めていく
⇒メンバーが「個として立つ」には
①自律的職務遂行
②自立的協働
③セルフブランディング
■かわらないこと、かわったこと
・かわらないこと マネージャーの役割は変わらない⇒短期中長期の組織の目標の実現への貢献
・かわること
①かかわり方
②時間のかけどころ
③管理の難易度
■場面別、メンバー別リモートマネジメント(抜粋)
・オンラインミーティングがマネージャーの独演会になってしまう
⇒メンバーで時間をシェアすべきものかを事前に判断、配布物で済むなら期限を決めてメンバーがみられるようにする
・新人の受け入れ
⇒仕事を通じて経験を積み、成長できる実感をもってもらる
・カメラオンのルール 基本はオンが基本、社外がいる場合はオン、発言者はオン、朝会のみは、オフでいい とか
■メンバーが個として立つ
①自走できるようなゴール設定
②仕事を見積、任せる
③成果創出の支援をする
④関与のタイミングを見極める
⑤成果とプロセスを振りかえり、メンバーのブランドを作る 成果だけでなくプロセスも評価賞賛する
■心の距離を近くする
⑥気にかける メンバーの情報を自ら取りに行く
⑦縦をつなぐ メンバーとマネジャー自身とつなぐ、会社の方向性をメンバーにつなぐ
⑧横をつなぐ メンバー同士をつなぐ
■ここがいい
⑨パフォーマンス向上に環境づくりで寄与する
⑩ライフを大事にする メンバーの、マネージャーの生活を大事にする
ベテランへの配慮
・敬意をもって接する
・期待をかける
・手加減しない、要望に応える
メンバーへ:要望に応え、制約を取り除く
■リモートワークで何が変わる
役割 ⇒ かわらない
環境 ⇒ かわる
かかわり方 ⇒ かわる
時間のかけどころ ⇒ かわる
マネジメントの難易度 ⇒ あがる
■マネジメントを支援する環境整備
3つの壁
①メリット不在の壁
②業務切り分けの壁
③メンバーをみるメガネの壁
2つの支援
①働き方の選択肢を増やす
②メンバーの自律的な活躍を支援する各種施策を整えること
目次
まえがき
序章 「リモートワーク」の現在地
第1章 リモートワークがもたらす変化とチャンス
第2章 リモートマネジメントとは
第3章 場面別、メンバー別でみるリモートマネジメント
第4章 リモートマネジメントのポイント
第5章 個として立つ
第6章 心の距離が近い
第7章 ここがいい
第8章 これまでのマネジメントとリモートマネジメントの違い
第9章 リモートマネジメントを助ける環境
あとがき
ISBN:9784295405160
出版社:クロスメディア・パブリッシング
判型:4-6
ページ数:302ページ
定価:1680円(本体)
発売日:2021年03月01日続きを読む投稿日:2023.11.11
とても良い本だった。タイトルはリモートマネジメントの教科書であるが、偶然やついでに頼るマネジメントから意図的なマネジメントにシフトするという考え方は、対面でも大いに役立つと思う。
※私はチームリーダ…ーの立場であり、現在の立場におけるスキルアップ、および、将来の管理職に備えての勉強という位置づけで読んだ。
■偶然やついでの機会を生かす従来のマネジメントは、リモートワークでは機能しない。意図して、「個として立つ」「心の距離が近い」「ここがいい」を支援することがリモートマネジメントである。
リモートマネジメントにおいては、丁寧に時間を掛けるところが変わる。業務遂行前の成果や計画の明確化を丁寧に行う、日常では(逐一指示や放置ではなく)メンバーの自律的職務遂行を妨げていることを取り除くことに重点を置く、心の距離が近い状態を作るために、丁寧につながりをつくるなど。
■「個として立つ」のポイント
「個として立つ」=自律的職務遂行+自律的協働+セルフブランディング
①メンバーが自走できるようなゴールを置く
・最初にVQCD (Vision, Quality, Cost, Delivery) をすり合わせる。自組織が短期~長期的に実現したいことをメンバーに共有する。メンバー自身が期末にどうなっていたら良いかを話し合う。
・何かに挑戦したいという思いがあるメンバーや、すべきことばかりをやっていてもエネルギーが沸かないメンバーに対しては、組織とメンバーのwillの接点でゴールを置く。個人的に関心のあるテーマや貢献したいテーマを質問して確認し、組織の将来を作る動きとの接点を見出す。
②メンバー・仕事を見積もり、任せる
メンバーがどれだけ自律的に仕事を進められるかを見積もり、どのあたりで進捗を確認するのが良いかをあらかじめ決める。
細分化した業務を開始する前に進め方をたずねないと不安(Level 1. 新人相当?)。
仕事のゴールと進め方を確認し、定期的に進捗を確認しないと不安だが、細分化した業務ごとでは事後報告で問題ない(Level2. メンターが外れた若手?)。
仕事のゴールやマネジャーとしての期待や要望は確認するが、進め方は任せることができる。細分化した業務ごとの報告は不要で、中間報告と完了時に報告してくれれば問題ない(Level 3. チームリーダー?)。
③成果創出の支援をする
一人では困難なことを、メンバーの側から相談に来てもらうこと。メンバーが求めていないことを先回りして解決する必要はない。
④関与のタイミングを見極める
メンバーにとって良い関与のタイミングは、メンバー自身が一番分かっている。したがって、メンバーに困難や悩みが生じたときに、それを「発信」できるような環境を整えることがポイント。メンバーが情報発信したくなる状況をつくる行動の例は、すべてのコメントに反応すること、メンバーが悪い内容を知らせてくれたらまずは知らせてくれたことにお礼を言うこと、そして、メンバーの報告を起点にマネジャーが支援することなどである。
⑤成果とプロセスを振り返り、メンバーのブランドをつくる
・プロセスの一つとして、「組織にとって良い動き」を評価する。「組織の将来を創っていくような重要な活動や新たな取り組みを、進取の精神で積極的に取り組めているか」と言い換えることができる。リモートワークでは、日常業務に組み込まれていない新たな取り組みや試みが進みづらい、周囲を安心させる責任があるために達成しづらい目標を設定しにくいという状況に陥りやすいため、「組織にとって良い動き」を評価・賞賛することが重要である。
・セルフブランディングは、何ができる人か、得意な領域は何かということを周囲に知ってもらうことである。その道の第一人者といった尖ったブランドである必要はなく、○○の対応が完璧といった日常に根差したものでよい。SNSのハッシュタグのような形で、強みや経験を短い言葉にする。
■「心の距離が近い」のポイント
⑤気にかける
マネジャーの側からメンバーの情報(最近の業務やプライベートの状況)を取りに行くことが重要。これができていないと、「何かあればいつでも相談してね」が機能しない。
⑥縦をつなぐ
⑦横をつなぐ
※この二つについては、本書から重要なことがあまり得られなかった。
■「ここがいい」のポイント
※「個として立つ」と「心の距離が近い」ができているマネージャー向けの発展課題という扱いであるため、スキップした。続きを読む投稿日:2023.10.01
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