鉄道まるわかり012 特急列車のすべて
旅と鉄道編集部(編集)
/天夢人
作品情報
急いで目的地に向かうのであれば、今では「特急」を利用することは特別なことではありません。しかし、日本に特急網が広がり始めた1960年代は文字通り「特別な」急行で、大事なビジネスや特別な旅行でないと、なかなか利用ができない列車でした。その後、経済が成長して日本が豊かになるにつれて、速くて快適な特急が各地で設定され、新幹線とともに高度経済成長を支えてきました。また、大手私鉄においては会社の“顔”であり、沿線の重要な誘客要素でした。国鉄は分割民営化され、JR各社における特急は、会社をPRする大きな要素として重視されるようになりました。今日では通勤に特急を利用する人も多く、この60年の間に、特急の位置付けは大きく変わってきました。本書では、歴史を築いてきた過去の名車両から、いま全国を走っているJR・大手私鉄の特急列車まで、豊富な写真とともに詳しく解説しています。昼行特急はもちろん、寝台特急(ブルートレイン)も紹介し、昼夜を問わず日本を結んでいた特急の魅力をお伝えします。●第1章 特急列車の基本がわかる特急列車で使用する車両の特徴、電車特急と気動車特急の違い、大手私鉄における役割、空港アクセス特急や最近増えている通勤特急など、特急の基本的なことがわかります。●第2章 国鉄特急の系譜がわかる1987年3月31日まで、日本の多くの路線を運営してきた日本国有鉄道(国鉄)。中でも1958年に東京~大阪・神戸間に設定された電車特急「こだま」は東京と大阪の日帰りを実現し、戦後の高度経済成長とともに、鉄道高速化の推進力となりました。第2章では、1912年に初めて運転された特急から戦前の超特急「燕」、151系電車、キハ80系気動車、20系ブルートレインなど、車両を軸に国鉄特急の発展や展開を、当時の貴重な資料も交えながら解説します。●第3章 エポックだった特急形車両がわかる1957年に登場した小田急電鉄3000形ロマンスカー(SE)以降、国鉄・大手私鉄を問わず、さまざまな特急形車両が登場しました。その中でも、1989年までに登場したエポックだった車両をピックアップして解説しています。車両技術だけでなく、サービス面での進化も特急専用車ならではです。●第4章 JRの特急がわかる第4章では、JR特急の現状を会社ごとに紹介します。車両を切り口にしていますが、全国統一の車両を投入した国鉄に対し、特急列車や運行路線ごとに専用車両を用意し、地域密着の経営をするJR各社の、旅客需要や経営方針が垣間見えて興味深いです。●第5章 大手私鉄の特急がわかるJRに続き、大手私鉄の有料特急の現状を会社ごとに解説します。古くから個性的な特急を投入してきた私鉄各社は、その後、効率重視になりましたが、近年は観光需要の創出や通勤利用の促進などを企図して、再び個性的になってきています。各社の特徴や傾向を交え
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商品情報
- シリーズ
- 鉄道まるわかり
- 著者
- 旅と鉄道編集部
- 出版社
- 天夢人
- 書籍発売日
- 2021.02.15
- Reader Store発売日
- 2021.02.15
- ファイルサイズ
- 107.1MB
- ページ数
- 160ページ
- シリーズ情報
- 既刊17巻
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
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鉄道を利用していれば、お世話になる機会のある特急列車。特急列車とは「特別急行列車」の略だった。
驚いたのは、戦前はお金持ちや名士などセレブのための乗り物だったことだ。それが、戦後になり主要幹線…に1日1往復程度だった特急列車が、ダイヤ改正の度に増えた。さらに地方路線にも登場した。
私鉄における特急電車の位置付けは、会社の顔だった。例えば、新宿から箱根に路線を持つ小田急電鉄は、戦前から温泉地として有名な箱根に列車を走らせていたが、戦後になり個性的な車体とカラーの電車を走らせるようになった。
そして、1963年に登場するのがロマンスカーだ。今では小田急電鉄と言えばロマンスカーというようになった。
「ロマンスカー」という単語は、2人掛け席を示していて他の鉄道会社でも使っていた。しかし、今では「ロマンスカー=小田急の特急」を意味し、小田急電鉄の登録商標になっている。
2018年3月から運行開始したのは、7000形GSEだ。愛称はGraceful Super Express(GSE)で、「箱根につづく時間を優雅に走るロマンスカー」というコンセプトで設計された。
「今までに見たことのない新しい車両」と言われたのが、西武鉄道の池袋から秩父間を走る001系「Laview」(ラビュー)だ。
前面には三次元曲面ガラス、側窓には大型ガラスを取り入れた。車体のデザ基本デザインは、建築家の妹島和世(せじまかずよ)氏が監修した。建築家が鉄道車両に関わるのは珍しいそうだ。
戦前の特急はどのようなものだったか。1912年6月15日、日本初の特急電車が新橋~下関間に誕生した。もともと、1906年から新橋~神戸間を走っていた「最急行」と呼ばれていた第1・第2列車を延長したものだ。所要時間は、下りで25時間08分と長旅だった。
そこから今に至る特急電車の歴史。各鉄道会社のかつて走っていた特急電車、現役の特急電車といろいろなものがコンパクトに詰まっている。
鉄道マニアでなくても楽しめる。続きを読む投稿日:2021.08.01
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