監殺
古野まほろ(著者)
/角川文庫
作品情報
優秀な警部が警察署内で首を吊った。闘病の末の自殺だという。背景にあったのは組織ぐるみの陰湿なパワハラだった。警察の罪を取り締まる目的で集められた異端児集団「監殺部隊SG班」は、悪徳上司たちに”処分”を下すため、秘密裏に動き始める・・・・・・。出世レース、派閥争い、人間関係の軋轢――私怨と義憤が渦巻く中、声なき者の無念は晴らせるのか。組織で働くすべての人に贈る、元警察官による圧巻の復讐ドラマ!
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商品情報
- シリーズ
- 監殺
- 著者
- 古野まほろ
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川文庫
- 書籍発売日
- 2021.02.25
- Reader Store発売日
- 2021.02.25
- ファイルサイズ
- 1.9MB
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この作品のレビュー
平均 3.1 (8件のレビュー)
-
何やら「続き…」が酷く気になって、朝、夕、深夜、早朝とドンドン時間を設けて頁を繰り続けてしまい、素早く読了に至った。
「警察モノ」とも言えるのだが、その範疇を少し踏み出した感も在る。「探偵モノ」という…ような感でも在るのだが、結局は「悪辣に過ぎる者達に密かに鉄槌を…」というようなことになる。
物語の舞台は「B県」という架空の地域だ。
B県の県警本部で、警察官不祥事の謝罪会見に本部長が臨んでいた時、監察官室長が唐突に本部長に近付いて心臓を刃物で一突きしてしまった。多くの報道関係者が集まっていた中での出来事で衝撃が走った。本部長は死亡した。
こういう衝撃的な出来事の後、新たな本部長が赴任することになる。本部長が刺殺されてしまうような事態が起きたB県警は、「酷く病んでいる」という様相だったのだ。新たな本部長はその状況を何とかしようとする。
新たな本部長の肝煎りで、警務部に新たな班が設けられた。「巡回教養班」と称する。「サテライトガイダンス=巡回教養」ということで「SG班」という略称も与えられた。
“教養”というのは警察の用語で「研修する」とか「学ぶ」ということで、要は県警の方々を巡回して研修を行うための業務に従事する班ということだ。中村警視が「SG班」の班長で、第1係長の秦野警部、第2係長の漆間警部、以下は後藤田巡査部長と女性の國松巡査というメンバーだった。何れも声望が高いでもなく、酷く目立つ実績が在るのでもない、何処となく主流から外れたような感のメンバーであった。警務部の中でも「何をやっている?」という感でもあった。
その班が登場して暫く経った頃から、B県では悪質な非違事案に携わった警察官が密かに誅殺されるという事件が散見するようになったのだった。
そんな或る日、声望が高かった警部が鬱病を患って休職に追い込まれ、何とか復職を目指していた中、県警本部で自殺してしまうという事件が発生していた。事件後、夫であり息子達の好き父親でも在った警部の死に大きな疑問を抱く妻が、或る依頼を或る筋に持ち込んだ…
ということで展開する物語である。
自殺してしまうという事件の真相を丁寧に探り、そういう異常な状況が生じるに至った経過が解き明かされて行く。この解き明かされる内容が凄絶だ。「流石にこういうのは?」という程なのだ…
本作の内容に触れて凄く思った。この国では働く場所や学ぶ場所等の流動性が酷く低く、そういう中で“イジメ”のような事を仕出かす者でも在って、何らかの思惑で敢えてそういうことでもした日には「やりたい放題!!」という傾向が在るのかもしれない。そういう様子を少し誇張して物語化したのが本作の軸の一つかもしれない。
そういう変な様子の描写に何かのめり込んでしまったのだが…他方で「悪質な非違事案に携わった者が密かに誅殺」に至るまで、事実を明らかにしようとする過程等が、なかなかに痛快な「探偵モノ」、更に「アクション」となっていて、そこが酷く好かった。
或いは本作は?テレビドラマの原案というような感じがしないでもなかった…続きを読む投稿日:2022.03.10
このレビューはネタバレを含みます
警察組織の複雑さが想像越えていたので
レビューの続きを読む
なかなか読み進められなかった。
陰湿極まりない壮絶ないじめとパワハラが
読んでいて腹立たしいやら悔しいやら悲しいやら…。
精神を攻撃する嗜虐的な描写が
多いた…め、こちらのメンタル持っていかれる。
でも面白い。
SG班の個性的なキャラクターたちが
「必殺仕事人」っぽい
続きを読む投稿日:2024.02.13
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