真実をつかむ 調べて聞いて書く技術
相澤冬樹(著者)
/角川新書
作品情報
森友学園問題(国有地払い下げに首相の関与があったのではないかという疑惑。決裁文書の改竄も発覚した)など、権力の裏側を暴いてきた記者だが、失敗も挫折もひと一倍多かったという。取材先から信頼を寄せられるには何が必要なのか?苦い経験も赤裸々に明かしつつ、その取材手法を全開示する、渾身の体験的ジャーナリズム論!(目次)序章 記者の秘密を明かすワケ第一章 新米記者を育てた先輩の”愛”と上関原発計画第二章 昭和から平成へ ~時代のはざまで学んだ真実~第三章 愛する神戸の街は壊滅した第四章 夢とは違った社会部の現実第五章 記者を育て、育てられる仕事第六章 17年前の僕に試された私第七章 107人の人生を断ち切った大事故とJRの闇終章 取材は愛
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商品情報
- シリーズ
- 真実をつかむ 調べて聞いて書く技術
- 著者
- 相澤冬樹
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川新書
- 書籍発売日
- 2021.02.10
- Reader Store発売日
- 2021.02.10
- ファイルサイズ
- 4.2MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (3件のレビュー)
-
『2016年の週刊文春』に圧倒されて以来、読書傾向はメディア&ジャーナリズム論へ。現在並行読みしている2冊も然り。
著者は『メディアの闇 「安倍官邸vs.NHK」森友取材全真相』『私は真実が知りたい… 夫が遺書で告発「森友」改ざんはなぜ?』で森友学園問題を暴いた元NHK社会部記者。
帯の惹句に『記者として歩み続けた私の取材方法をすべて明かします』とある。序章にも〈記者の秘密を明かすワケ〉と題する一文。取材に関するテクニカルな箇所も散見するが、僕は『新米記者 一人前になるまでの30年の軌跡』と読んだ。
著者はNHK在職中、山口→神戸→東京→徳島→大阪と主に西日本を転々。その間、阪神大震災や福知山線脱線事故に遭遇、その悲惨極まる最前線にて取材に当たる。
事件記者の仕事は、大災害・大事故・大事件…、不幸に見舞われた被害者や遺族を取材を行う。その過程で通称『メディアスクラム』と呼ばれるマスコミの加熱取材が起こり、その容赦のない取材を指して『マスゴミ」と蔑む人も少なくない。確かに、過酷な現場であればあるほど分け入っての取材は難航を極める。
著者の場合、まず人と話すのが苦手、思ったことをド直球で言ってしまう…という記者にとってはかなりマイナス面を抱え、夜討ち朝駆け取材を行なう。当然のことながら失敗・衝突・軋轢を繰り返す。
そういう〈もがき〉を通して、あるひとつの信条を導き出す。『取材は愛』であると。取材対象となる相手のことをとにかく大切に思う。この思いを得て以降、時には人間関係に熱くなりすぎたり、また鬱病を発症したり苦労は絶えないが、その真摯な姿勢が森友問題で自裁した財務省職員 赤木俊夫氏の手記入手に繋がる。
繰り返すが、この本は取材の心得を書いてはいるが、テクニックを指南する本ではない。これから社会に出る学生やピカピカの社会人にこそ是非読んでもらいたい。著者は東大法学部卒という就活には無敵なパスポートを引っ提げた御仁である。ただ、社会に出れば、その輝かしい学歴も時には足を引っ張ることもある。
本書は一人前になる上で付き物の〈あちこち頭をぶつける生々しいエピソード〉を仔細かつ克明に綴る。『石の上に三年』なんて甘っちょろい、まだまだ先は長いぜ、焦らずに行こう!って励ましてくれる。
それだけにもっと遥か昔に出会いたかったなぁと
思わされた一冊。続きを読む投稿日:2021.04.03
森友スクープのジャーナリスト、相澤冬樹氏の記者心得本。昭和・平成・令和と移り変わる時代の中で、記者として誠実に生きる事の大切さを、同僚らとのやりとりの記憶の中で切々と説く。しかし文章は軽快で読みやすく…、半日で一気に読み終えた。良本。続きを読む
投稿日:2022.08.23
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