ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス
春名幹男(著者)
/角川書店単行本
作品情報
「われわれがそれ(角栄潰し)をやった」。K長官が漏らした真意とは!?「自主外交」で角栄はアメリカに潰された。国際ジャーナリストが15年に及ぶ取材で掴んだ、数多くの決定的新事実!!田中角栄はなぜ逮捕されたのか? その理由は「角栄の外交」に隠されていた。アメリカは「日中国交正常化」などの「角栄の外交」をひどく嫌っていたのだ。その後発覚した、戦後最悪の国際的疑獄となったロッキード事件。そこでアメリカ政府高官は、密かに角栄の訴追を可能にする「ある細工」をした。外交の対立も、角栄訴追に関わる秘密も、米機密文書には記されていたが、日米の根幹に絡む『巨悪』の深い闇は文書が公開されず、解明されなかった。本書は「陰謀説」の真偽を徹底検証し、初めて証拠を挙げて解明する!ロッキード事件の全容は、上記のように長らく解明されてこなかった。結果、数多くの陰謀説が流布する事となる。「誤配説」、「ニクソンの陰謀」、「三木の陰謀」、「資源外交説」、「Kの陰謀」・・・・・・。米国立公文書館、ニクソン・フォード各大統領図書館、CIA、日本側資料、日米関係者らを取材・調査。インテリジェンスの機微を知り尽くした国際ジャーナリストが15年に及ぶ取材から、初めて真の「巨悪」の正体を描き、巨悪の訴追が阻まれた理由に迫る!!なぜ、首相の犯罪は繰り返されるのか? その構造までが浮かび上がる巨弾ノンフィクション――。【目次】まえがき第一部 追い詰められる角栄第二部 なぜ田中を葬ったのか第三部 巨悪の正体あとがきロッキード事件年表主要参考文献一覧
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商品情報
- シリーズ
- ロッキード疑獄 角栄ヲ葬リ巨悪ヲ逃ス
- 著者
- 春名幹男
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川書店単行本
- 書籍発売日
- 2020.10.30
- Reader Store発売日
- 2020.10.30
- ファイルサイズ
- 5.1MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (9件のレビュー)
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ロッキードをめぐる数々の陰謀説を一刀両断
ロッキードのコーチャンと田中角栄、躓きのきっかけは当人からすれば寝耳に水のような話だった。
外国での不正な販売工作を行なっていると追求されていたのは実は別の米会社で、その会社の会長が何を思ったのか公…聴会で突然「この商法のモデルはロッキード」と口走ったのが、疑獄事件の始まりだった。
この会社(ノースロップ社)も元々はニクソンへの違法献金から問題が発覚し、つまりはウォーターゲート事件の調査から端を発している。
事件が発覚し、外国政府高官の名前を含んだ資料の提出を求められ弱ったコーチャンは、社の顧問弁護士に相談する。
弁護士は彼に、国務省を説得する材料として、この名前が漏れたら公表禁止の保護命令を出してもらえるような決定的な資料はないかと問い、コーチャンはよせばいいのにわざわざ高官の実名入りの金の支払いを示すメモを探してくる。
それを提出して、キッシンジャーは司法長官あてに意見書を提出し、「これでわれわれは保護された」気持ちで一杯でいたのだ。
確かに国務省は公表禁止の意見書を提出した。
ただしその禁止対象に角栄は含まれていなかった。
角栄が、キッシンジャーから蛇蝎のごとく嫌われたきっかけも、本人からすれば些末なものだった。
角栄の第一印象はそれほど悪くなかった。
特にニクソンは、角栄の娘のエピソードを引き合いに出して、むしろ好印象を持っていた。
それが会談を重ねるごとに悪化する。
その端緒は、キッシンジャーが求めた交渉の密使を立てる提案を、田中が拒んだことだった。
別に彼からすれば何も含むところはなく、アメリカとの意思疎通は良好にしておきたいと考えていた。
ただそれに仲介役はいらないと考えただけだ。
しかしこれは失敗だった。
一対一の会談で常にお互いの真意を交わせるというのは幻想だった。
事実この後、日米双方とも思いの行き違いが頻発することになる。
田中にアメリカの意向を無視した独自の外交を志向する気はさらさらなかった。
ただ彼は、直面する諸問題に対して、他の政治家よりは機敏に、前例にとらわれず動いただけだった。
しかもいちいち事前にキッシンジャーに伺いをたてているのだが、了解とも取れるような曖昧な回答しか返ってこない。
この面ではキッシンジャー自身の陰湿な狡猾さが関係していて、どちらかと言うと、日本人全般をバカにしている印象。
石油危機では日本に、米国の中東戦略に協力しろと言うが、その裏で何の手当も講じていないのだから、まさに「同情するなら、油をくれ」だった。
果たして、ロッキードでの田中逮捕の裏に、キッシンジャーの陰謀があったのか?
著者はその見立てだが、どうかな。角栄を公表禁止の対象者に含めなかったこと、そして彼を嫌い復権を望まなかったというのは、資料から確かなのだろうが、確実に政治的に抹殺したかと言われると違うだろう。
そもそもキッシンジャー自身が、逮捕後の角栄に三度も会いに行っていて、最後などは病に倒れる直前だった事実は見過ごせない。
著者はキッシンジャーが追い込んだ男の末路をただ眺めに来たと書いているが、むしろ政治的な必要があったからと考える方が自然だ。続きを読む投稿日:2021.01.01
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15年の長期取材による本書。数々の公文書等を丹念に調べておられ、説得力があった。
重苦しい気持ちになった。
「ロッキード事件なんて昔の話をなんで私は読むのか」と思ったが、「昔の出来事」と、そこで途切れ…ているわけではない。当たり前か。
これはアメリカと日本の政府、自民党、政治家、今も続いていることなのだろう。アホみたいに、アホみたいな戦闘機を大量に買わされて多額の支払いをかかえる今の日本。
自民党政府が続く限り仕方がない。反米の政治家はアメリカによって潰される。アメリカの国益にかなう政治家しか勝てない。まあ、そうでない政治家を立たせる、選挙の力で、というところまでも今の日本国民はできていない。いつまでもこのままでいいのか。こんなことでいいのか。続きを読む投稿日:2024.01.25
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