学校制服とは何か その歴史と思想
小林 哲夫(著者)
/朝日新書
作品情報
制服は「管理」の象徴か? 学校の「個性」か? かつて生徒は校則に反発し服装の自由を求めてきた。だが昨今では、私服の高校が制服を導入するなど、生徒側が自ら管理を求める風潮もある。時代と共に変わる「学校制服」の水脈をたどり、現代日本の実相を描く。
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商品情報
- シリーズ
- 学校制服とは何か その歴史と思想
- 著者
- 小林 哲夫
- ジャンル
- ファッション・美容・ダイエット - ファッション・美容
- 出版社
- 朝日新聞出版
- 掲載誌・レーベル
- 朝日新書
- 書籍発売日
- 2020.10.13
- Reader Store発売日
- 2020.10.13
- ファイルサイズ
- 3.6MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (3件のレビュー)
-
学校制服。
もはや、郷愁しかないし、特に思い入れもない(中高そのものに)。
とはえ中学受験をした際に、憧れた制服や、可愛いと評判だった学校はあった。
私自身が在籍したのは地味な制服の学校であった。
本…書中で語られる制服のない学校が本命だった。
当時こう思ったものだ。
「頭が悪い奴は自己管理できないからこんなダサい制服に押し込められるんだな」、と。
制服には良い面も悪い面もある。
子供は楽だし、学校は子供達を守りやすい(それを「管理」と評することもできよう)。
しかし、近年になって性別に違和感を感じる子供たちの苦悩や、学校の教育方針、経営状況などさまざまな面から制服が変わってきた。
本書では、制服から「教育とは何か」を考察する。
昔から何度もこの問いは繰り返されてきた。
良い面はこうだ。
頭が悪い奴は服装から縛らないとダメ、管理される方が楽、地域や保護者の目から見て安心できる、貧富の差がわからなくなる…。
しかしそれは本当か?
子供の視点が抜け落ちてはいないか?
家庭環境の差は制服であっても、はっきりわかる。
いや、かえって、目立ってしまうのだ。
アイロンのかけ具合、サイズ、ボタン、洗濯の頻度は如実に家庭環境を表す。
著者の言うように「指導と制服は切り離して考えるべき」(256頁)は同意する。
私自身は、中学から現在まで制服必須だったので、あればその「立場」になれることを知っている。
制服はモチベーションの一つでもある。
あってもいいし、なくてもいい。
選択肢を増やせないだろうか。
男はズボン、女はスカートではなくどちらも選べたら良いし、正式な場やシーズンで制服着用を求めれば良いのではないか。
何より、教育に関わる大人たちが、メリットデメリットを提示して、生徒と一緒に決めていけば良いではないか。
先生たちはこう思っている、そう伝えてもらえたら、一緒に考えられるのに。
個人的には上着は洗えた方がいいと思うし、スカート・ズボンは選びたい。続きを読む投稿日:2021.02.21
このレビューはネタバレを含みます
学校制服のデザインを変えずとも、撥水や防臭効果を施すケースもあり、こちらのほうが制服の変更を進めやすい。
レビューの続きを読む
制服自由化も制服着用も一枚岩ではなく、様々な理由からとん挫するケースがある。
また、制服自由化…を行っていても、学力が落ちると帰属意識や一体感による復活をもくろみ、制服が復活する事例も。
特に、生徒においては3年間で入れ替わるため、次の学年へ引継ぎがうまく行われないと、改革が自然消滅するケースが多数。
詰襟やセーラーは性差をはっきりさせてしまうため、抵抗が生まれやすくブレザー化の流れとなっている。
上から下まで整った服装というものは、学校がしっかり指導を行っているという地域への説明となりうる。よって、制服のあり方は地域社会のまなざしとともに考えなければならない課題である。続きを読む投稿日:2023.08.22
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