エッジソン・マネジメント
樫原洋平(著)
/PHP研究所
作品情報
日本を、世界で最も若者が育つ社会にする。リーダー、組織を変革できる人財は、「目的」「志」を高くもっている。また、その目的を実現するための能力基盤である「智」「仁」「勇」「礼」「義」に優れた能力が不可欠である。目的に尖っている「エッジソン」という人財をいかに育てるか。それは、大学の4年間と入社後の3年間の計7年間がとても大切になってくる。著者はそれを「ゴールデンセブン」と呼び、大学と企業が協力して若者の育成に力を入れることが必要と説く。人財を「青田買い」するのではなく、人財を育成する「青田づくり」が、課題先進国である日本において、人こそが最大最強の資源である日本において急務なのだ。
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商品情報
- シリーズ
- エッジソン・マネジメント
- 著者
- 樫原洋平
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2020.07.29
- Reader Store発売日
- 2020.08.28
- ファイルサイズ
- 3.7MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
4つの分断
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①高校と大学の分断
②大学と企業の分断
③採用と育成の分断
④人事と職場の分断
①高校と大学の分断
偏差値が重視される
「いい大学に入れれば、いい会社に就職できる」と考える人がまだ多い
大学に入学することが目的化しており、五月病蔓延
高校と大学の最大の違いは「教育カリキュラム」
高校は選択の自由が少なく、大学は自らの意思で選択
「学びの構造が違う」
②大学と企業の分断
これまでは大学の教育に期待をしていなかった。企業研修で足りた。
大学と企業が乗り越えるべきギャップ
・教養教育 考える力が必要 読書量
・論文教育 文章を書けない
・資格 とっても仕事に有利ではない
・専門性 固執するのではなく、常にアップデートする姿勢
③採用と育成の分断
採用で求める人物像と育成で求める人物像が異なる
これにより、若手社員の早期離職の増大
④人事と職場の分断
「自ら考える人財」を求めるにも関わらず、「いいから、まずは言われたとおりにやれ」となってしまう
■ゴールデンセブン
大学4年間と入社後の3年間
4期に分けて考える
・大学教育
・採用
・内定、初期教育、配属
・職場
大事なのは、「どのような人材を育てるのか?」
■求められる人財「エッジソン」とは?
「目的」にトガる=エッジソン
一般的には特定の専門性がある人と捉えられるが、
ここでは「実現したいこと=目的」に尖った人
アリババ創業者 ジャック・マー曰く
西遊記でいう三蔵法師
強くはないけど、天竺に行くというブレない目的があり、その目的のもとに個性豊かなメンバーを取りまとめる
専門性を高めることは必要
あくまで手段ではあるが。
答えを見つける時代から、創る時代へ
明確な答えをくれない上司への不満
→意地悪をしたくて答えを言わないのではなく、上司にも明確な答えがない。だからこそ、上司の顔色を見て答えを探る必要はない。自身で情報を集め、自分で考え、その仮説を上司にぶつけることが大事
答えを創る=目的を創る
ダイバーシティの世界では、リーダーが自分なりの哲学や理念を持っていることが不可欠な資質となる
■志×5徳
「志の高さ」=「五角錐の高さ」で表現
・智
└自ら学び、自ら問い、自ら答える力
知的好奇心が旺盛で、学ぶ意欲・学ぶ力が本質
客観的な判断としては学歴よりも、読書量
自問自答の繰り返しが智の能力の源泉
大学4年間で1,000冊読破を学生に伝えている
★毎週、読書本を紹介する時間を創る
・仁
└多様な価値観を受け入れ、その違いを乗り越える力
ベクトルを自分だけでなく、他人にも向ける
思いやりや他者受容、利他意識などがその基礎に当たる
仁の高い人の共通点→多様で異質な環境の経験
「人は多様だ」ということを身体で感じていること
幼少期から進学校に通う人は仁を磨く機会が少ない
周囲の知的水準が高く「伝わらない」という経験をすることが少ない
・勇
└自ら機会を創り出し、挑戦する力
挑戦心、失敗を恐れない力、積極性、突破力
最初は大人が与えたキッカケだったとしても、その機会を自分事化できているかどうか
挑戦にも質と量が必要、苦手なことにも挑戦する
勝率の低い勝負でも果敢に挑戦できるかどうか
・礼
└人として、当たり前のことを当たり前にやる力
ウソをつかない、約束を守る、素直に感謝する
礼がない人には誰もついていかない
「人間は限定的合理的な感情人」
人はその時々の感情に任せて合理的とは思えないほどの怠惰な行動をしがち
・義
└長期に渡って逃げずにやり抜く力
あふれる情熱や信念の強さ
5徳の中では最も大事な能力
■いかに産学連携でエッジソンをはぐくむか
モチベーションを高める3ステップ
・アンフリーズ:解凍
└時間のマジック
└空間のマジック
・チェンジ:変化
└目標のマジック
└安心のマジック
・リフリーズ:再凍結
└集団のマジック
└習慣のマジック
クロスアプローチ
大学の先生だけでなく、企業側から同じ趣旨に対して重要性を説く
ピグマリオン効果
他者に期待されることによって成長が高まる
・智
学ぶから問うへ
・仁
人間関係の調整は、最高芸術行為である
利害の異なる人たちが同じ目的に向かって頑張ること自体が奇跡
・勇
不安定な日々の先にある安定
ミスと失敗は違う
ミス:できるのにやらないくて起きるモノ
失敗:できないことに挑戦して起きるモノ
・礼
一人の人間として学生に対峙する
・義
長期でやり抜いた経験を評価する
・志
「立志」と「研磨」を支援する
志は見つけるものではなく、見出すもの
■どうすればエッジソンを採用できるのか?
採用に対する5つのアンチテーゼ
・組織の中に個が入る→個の中に組織が入るへ
└会社と自分を円と関係性を書かせると
└価値観のあった学生に自社を選んでもらうのが大事
└企業は理念をしっかりと言語化する必要がある
・一律から多様へ
・青田買いから青田つくりへ
└人財を育てていく意識
└社会全体としての適材適所を探す
└機会を提供し、活かす責任をもつ
・短期評価から長期評価へ
└学生時代の長期的な成長率を見る
・メンバーシップ型から日本版ジョブ型へ
■内定後から配属までで大切なことは何か?
大事なポイントは、自問自答させ、自ら目標を設定させ、主体的に活動的に何かしらの挑戦を最終年次に継続するように支援することです。期待することです。
2:6:2の上位2がいないことが増えてきている
いないと全体的に下位2割にひっぱられる
この上位2割のエッジソンを創ることが課題
能力というよりは、モチベーションの高さ・志の高さ・基準の高さを重視する
感情の4タイプ
・アタックタイプ
・レシーブタイプ
・フィーリングタイプ
・シンキングタイプ
双方の感情タイプを合わせる
モチベーション・マッチング
ナナメの関係を創る
直属の上司以外にも相談できる上司を創る
下山のススメ
学生時代の延長線上に社会人や企業人としての仕事があるわけではなく、仕事はまたゼロから学んでいく必要があるとしっかり理解しておく
■職場でエッジソンに活躍してもらうために
育てるな、育つための環境を作れ
活躍を阻害する落とし穴
・育ててやろうという力みによる不和
・育てないというわりきりによる不和
「育てよう」「自由に任せよう」
この2つのいずれでもなく、エッジソンの可能性を信じ、育つための環境を整えることが重要
〇育つための環境とは?
・勇
挑戦は安心から生まれる
失敗しても許容される環境
単に失敗を許容するだけでなく、失敗から学ばせる
・礼
暗黙のルールをできるだけ早く伝える
どんな組織にも明文化されていないルールがある
・仁
仕事の意味付けをサポートする
職場では目標ばかり伝えられ、目的が伝えられないことも
エッジソンは仕事の意味や意義を非常に大切にする
・義
ときに競争心を刺激する
叱るときには、人格を行為を分けて指導する
・智
思考力のスイッチを入れる
目的を決め、目標を設定したら、やり方についてはできる限り任せることが得策
・志
意思を問い、理由を問う
エッジソンの”個”としての意志を問う
常に当人の志や将来なしたい思いを問い、言語化し、その志といまの業務の関係をつなぐサポートをする
志は決してひとりでは実現できないこと、そして、志の実現のためには社内外に多くの仲間や共感者が必要であることを意識する。
学生に自らの志や価値観を伝えることが、自らの目的というエッジを見つめ、そして研磨する機会になる
定期的に「目的や志を問い、語る仕組み」を創る
決断とは、決めて断つこと投稿日:2021.03.02
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