メイドの手帖 最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語
ステファニー・ランド(著)
,村井理子(訳)
/双葉社
作品情報
シングルマザーの著者が子供を育てつつ最低賃金のメイド(清掃員)として働き、貧困、社会の偏見、DVを振るう元パートナーや経済的自立を阻む恋人、それら全てが低下させる自己肯定感に苛まれながらも作家になる夢と自らの解放を叶えていく様子を描いた自伝的作品。発売早々全米ベストセラーとなり、オバマ前大統領の2019年推薦図書にも選出。NETFLIXで映像化決定。
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商品情報
- 著者
- ステファニー・ランド, 村井理子
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 双葉社
- 書籍発売日
- 2020.07.17
- Reader Store発売日
- 2020.08.13
- ファイルサイズ
- 0.7MB
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この作品のレビュー
平均 3.7 (22件のレビュー)
-
村井理子さんのお名前を知っていたので手に取った。
表題どおりの本だけど、睡眠時間を削って読んだ。
シングルマザーではない私にもわかりみがすぎる一冊だった。
女性、育児、就労、貧困、差別、プライド、孤…独、家族、、、いろんなことを考えた。
ステファニーの実家も家族不和で、それぞれ新しい家族がいて、祖父、父、母、みんな経済的に余裕がなく、ステファニーのことも、娘のミアのことも、ほとんど助けてはくれない。
助けて、と言える近親者の不在はステファニーを孤独にした。
お母さんにもお母さんが必要なんだ、という言葉で涙が出る。
あとがきにも号泣してしまった。
育児の中身は、人によってあまりに違う。
おとなしい子、親の言うことを聞ける子、と、そうでない子の子育てでは親の手間暇や心理ストレスは何倍も違うだろう。
しかも作者はたった一人で、お金を稼ぎ、子供を育てないといけないのだから、苦労は並大抵ではない。
育児は大変だけど、助けてくれる人が身内にいればかなり楽になる。
祖父母に預ければ済むところを高いお金を払ってイマイチな保育園にいれるのは辛かったはず。
特に保育園の別れの場面が辛さが胸に残った。
子供と一緒に幸せに生きるためにこの道を選んだのに、子供に苦しめられる場面も多かった事実が胸に痛い。
最後に、子供とのカビだらけのアパート時代を、幸せな思い出にできてよかった。
(実家から離れた土地での育児専業の私にも近い感覚があった。発達凹凸の多い長男の1歳、2歳時代は本当に苦しかった。経済的な心配がなかったことで自分を守れたのかもしれない。毎日狭い家で一緒に過ごし、外では孤独に苦しんだ。多動や他害の大きい長男とでは、友達親子を作る努力をしたが虚しい結果に終わった。夫は当時、仕事で多忙&精神的に擦り切れていて、長男の存在は休日の夫のストレスを限界まで高めていたと思う。幼稚園プレスクールが始まるまで、私も毎日死にたかった。その長男は私にとって、死ぬほど面倒くさいクライアントであり、私の生活を破壊したモンスターだったけど、苦しい時代を二人で過ごした戦友でもあった)
アメリカらしいと思えたのは、離婚(そもそも未婚か)した男性にも二週に一度は子供を預ける義務&権利があり、それを粛々と続けている点。
日本ではこれが難しいらしい。
父親に預ける時間に、子供と父親が心中した事件もあった。
この、子供を預けられる時間をステファニーは、子供ミアの心配をしながらも、勉強や読書にあてることができた。
日本のシングルマザーはそれすらないはず。まあどっちがいいかは状況次第だけど。
ステファニーがいろんな家を見ながら、その住人の生活や為人を想像するのが面白い。
私もタウン誌のポスティングをやった時期があり、それを思い出した。
玄関しか見えなくても住んでいる人の個性があり、気配が感じられた。
掃除はさらに内部で汚いものと対面する仕事だから、奥底にある人柄が見えたと思う。
ステファニーを最初に人間として扱ってくれた、ヘンリーがロブスターをくれる場面、おばあちゃんみたいな老女がお茶と食べ物とおしゃべりをくれた時間は、読んでいて嬉しかった。
シングル親子の幸せな生活を作るための社会制度はいろいろある。
でも完全なものではないし、自分が落ちぶれていると感じてしまうのは辛い。
子供を持つことで貧困になるか、dvに耐えるか、の選択肢を迫られる世界では、少子化の理由がはっきりわかる。
(女が、男と社会を信用しなくなったら少子化が生まれる、と聞いたことがある。うう)
筆者が、貧困の苦しさは、常に忙しかった、常に緊張と不安だった、孤独だった、選択肢がなかった、というあたりでよく分かる。
引っ越しの連続で、狭い家しか選べず、大事なものを所有できなくて処分する辛さ。
貧困は、シングルマザーに限らず、誰もが陥る可能性はある。
社会に余裕がないと弱者にしわ寄せがいく。教育はそこから抜け出る一つの方法なのは間違いないけど、個人の努力や運に左右される世界は苦しい。続きを読む投稿日:2020.09.01
この本を読む前にルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引き書』を読んでいたのだけど。
解説を読んで、アメリカにおけるメイドの立ち位置がわかった。投稿日:2023.11.20
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