13億人のトイレ 下から見た経済大国インド
佐藤大介(著者)
/角川新書
作品情報
トイレを見れば、丸わかり。都市と農村、カーストとイノベーション・・・・・・ありそうでなかった、「トイレから見た国家」。海外特派員が地べたから徹底取材!!インドはトイレなき経済成長だった!?携帯電話の契約件数は12億件以上。トイレのない生活を送っている人は、約6億人。経済データという「上から」ではなく、トイレ事情という「下から」経済大国に特派員が迫る。モディ政権の看板政策(トイレ建設)は忖度の産物?マニュアル・スカベンジャーだった女性がカーストを否定しない理由とは?差別される清掃労働者を救うためにベンチャーが作ったあるモノとは?ありそうでなかった、トイレから国家を斬るルポルタージュ!トイレを求めてインド全土をかけめぐる!■家にトイレはないけれど、携帯電話ならある■トイレに行くのも命がけ■盗水と盗電で生きる人たち■「乾式トイレ」の過酷さはブラック企業を超える■「差別」ではなく「区別」と強弁する僧■アジア最大のスラムの実情 etc.【目次】はじめに第一章 「史上最大のトイレ作戦」――看板政策の実像と虚像第二章 トイレなき日常生活――農村部と経済格差第三章 人口爆発とトイレ――成長する都市の光と影第四章 トイレとカースト――清掃を担う人たち第五章 トイレというビジネス――地べたからのイノベーション終章 コロナとトイレ――清掃労働者の苦渋おわりに主要参考文献一覧
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商品情報
- 著者
- 佐藤大介
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川新書
- 書籍発売日
- 2020.08.10
- Reader Store発売日
- 2020.08.10
- ファイルサイズ
- 4.1MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (18件のレビュー)
-
『日本では、ほとんど誰もが清潔なトイレにアクセスすることができ、トイレのある暮らしが日常に組み込まれている。しかし、インドではそうではない。「トイレ」というキーワードで、貧富の差やカースト、都市と農村…の格差といった、インドのさまざまな姿が見えてくるのではないか。そう思って、取材のためにインド各地を歩いた。そこから見えてきたのは、経済成長という言葉の陰でさまざまな問題を抱え、多くの人たちが苦闘しているインドの姿だった。』
日本から遥か遠くにある国。インド。
パソコン上に飾られた、成長率という数字だけ見れば、「めざましい経済成長をしている国」と思うのは当たり前かもしれない。でも、どことなく違和感が残るのはなぜだろう、と頭の片隅に思っていた。
その違和感の正体は、この本を通して、トイレというフィルターから、少しずつ明らかになっていった。
トイレを増やすことで、衛生面の改善を図ろうとする政策から始まる物語は、トイレを増やすことが目的になってしまった現実を浮き彫りにしている。
たくさん作ったところで、トイレにまつわる問題…下水管の掃除をするのは身分が低い人だったり、「聖なる川」がどんどん汚れていったり、と、種々の問題は何も改善されていないのだ。
そして、世襲制であるカースト制度は、改善されつつあるものの、21世紀を迎えた今でも当たり前のように横たわっている。
トイレを囲む、水回り。そして、衛生環境。
日本とインドの共通点といえば、カレーくらいしかないと思っていた自分にとって、この本が示す、インドがどんな国かという説明は、ものすごくわかりやすかったし、その着眼点には、脱帽した。
インドだけでなく、どんな国においても、わかりやすい指標ではなく、数値化しにくいものも見ることで、はじめて全体像がぼんやりと浮かび上がってくるのかもしれない。
インドのことを全く知らない自分にとっては、単行本レベルの内容の深さでした。続きを読む投稿日:2020.08.13
共同通信の記者として4年近くニューデリー特派員を務めた佐藤大介氏が、トイレという切り口でインドに光を当てた力作です。各地におもむき、現地で色々な活動をしている人たちを取材することにより、非常に質の高…いルポになっています。
モディ首相肝いりの「スワッチ・バーラト」運動で、トイレはある程度出来たものの、形だけであったり、下水処理が追いつかなかったり、等の現実が紹介されます。人口が集中する都市では排泄物が下水処理されずに河川に垂れ流されるため、川の水質汚染が悪化しているのに、人々はその流れで沐浴をするという恐ろしい話もあります。もっとも驚いた内容は、排泄物の処理はダリットという不可触民たちの仕事で、下水の流れが滞ったとき、彼らはゴーグルも手袋もせず、下水管の中に入って、作業する様子が紹介されています。
また農村部では庭などに放置された糞尿をダリットの女性が「素手」で集めるというスカベンジャーたちがいることが報告されており、私にとっては驚天動地の光景です。
インドのGDPは今は世界第4位であり、グローバルサウスを代表する国家として、国際的にも重要な役割を果たしています。インドは伝統的に物理・数学に強いため、IT産業が発展しており、アメリカのIT産業にも多くのインド人が活躍しています。そのような発展をしている一方で、多くの国民は劣悪なトイレ事情に甘んじており、改善すべき課題がまだまだ山積していることが明らかにされています。続きを読む投稿日:2024.04.10
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