アフターデジタル2 UXと自由
藤井 保文(著)
/日経BP
作品情報
デジタルが隅々まで浸透した「アフターデジタル」社会。日本はその社会に向けてゆっくりと進んでいましたが、コロナ禍で状況は一変し、速度を上げてアフターデジタル社会に突き進んでいます。多くの日本企業は「DX戦略」で活路を見いだそうとしていますが、実はその立脚点が危ういケースは少なくありません。すべてがオンラインになるという前提に立っていないのです。本書ではアフターデジタル先進国に注目し、特に中国のアリババやテンセントといった巨大デジタル企業の「戦略」、表面的な取り組みの奥にある「本質」に迫ります。事実として、アフターデジタル社会では産業構造がひっくり返ってしまいます。これは予測ではなく、実際の中国市場がそうなっており、こうした世界が広がれば、日本のお家芸ともいえる製造業は最下層に位置づけられてしまうのです。いわゆるデジタル企業だけでなく、デジタルビジネスとは直接関係ないと思っているビジネスパーソンにも、本書を読んでほしい。なぜなら、アフターデジタルでは、リアルがなくなるのではなく、リアルの役割が大きく変わると言われているからです。アフターデジタル社会になると、市場のルールが変わると考えたほうがいい。キーワードは「UX」。そして、アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」(Online Merges with Offline)と呼びます。社会の変革は避けようがないなら、こうした新たなルールをいち早く学び、自社の立ち位置を決めて戦略を練らねば負けてしまいます。既に新たな成果を出し始めている日本企業もあります。デジタルを強みにするには必読の書です。
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商品情報
- シリーズ
- アフターデジタル2 UXと自由
- 著者
- 藤井 保文
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - IT・Eビジネス・資格・読み物
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2020.07.24
- Reader Store発売日
- 2020.07.24
- ファイルサイズ
- 6.2MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (101件のレビュー)
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本書は、前著『アフターデジタル』に続いて、ほぼ1年後に出版された。その間に起きたことは言うまでもなく「新型コロナ」。この影響によって、急速にリモートワークなどのオンライン化が進んだこの1年。著者はこの…流れによって管理社会のディストピアのイメージが広がって、アフターデジタルの社会発展が止まるのではないかとの懸念からこの本を書いたという。個人的にはディストピアによって進展が止まるというものではなく、変化はもはや押しとどめようもなく、いかに利便性を享受するのかという観点で進むのではないかと期待するのだが。
いずれにせよ、前著と比較して本書で特に強調されているのは、「データを持っているだけではお金にならない」という点だ。もちろんそれは当たり前のことなのだが、さらに付け加えてデータを売買して儲けるというのは幻想だとまで言う。データはソリューションにしなければ価値がない、ということだ。持っているだけでは、それはリスクにしかならない。ここは多くの企業がまだ誤解をしているところであるが、一方でいくつかの企業はそれに気が付き始めている。UXと結びつけた自社のビジネスのイノベーションにつなげることができなければ、それは意味がないのだ。一方で、今後ますます重要になるUXの改善のためには自社ユーザの属性データだけではなく行動データ・状況データの分析が欠かせなくなっていることも合わせて指摘されている。
最近、遅ればせながら決済サービスに多くのプレイヤが本格参入して、キャッシュバックキャンペーンを連発してシェア獲得競争を始めていることにも言及される。今は、決済に続いてスーパーアプリ化とミニアプリ化の検討がされているという状況である。
一方、決済プラットフォーマーがアフターデジタルでは有利な立場であるが、ペイメントのシェアを取ることがすなわち決済プラットフォーマーになるわけではないということも指摘されている。そこで中心になるのが、「UX」だというのが本書のキーメッセージのひとつだ。「UXインテリジェンス」という言葉を使って、著者が所属するビービットが提唱する「Ideation by Data」を紹介し、「バリュージャーニー」が重要だと説いていく。
今の日本は、決済プラットフォームを押さえるべく各社競争し、表面上では中国の後を追う形で進んでいるようにもみえる。著者は単純に中国と同じことを後追いでするべきではないという前置きをしながらも、必要な点は十分に参考にして前に進めるべきだという。アリババがECを起点に「デジタルによって商取引を円滑にし、中小企業を支援する」というミッションを実現するためにAliPayを拡張し、テンセントが「すべてをコミュニケーション化する」というミッションを実現するためにWeChatPayを拡張しているという指摘を考えると日本の決済サービスが大きく異なる帰結になるような気がしてしまう。著者が指摘するように「UXは企業ミッションと密にかかわっている」のだ。
また、世界に目を向けると、決済サービスが成功しているのは、レガシーな金融サービスにアクセスできない人々、いわゆる「アンバンクト」、の存在が大きかったという。となると日本ではこの点でも世界の一方の趨勢とは異なる動きにならざるを得ないのかもしれない。
エストニアやインドの事例の紹介もあるが、本書は基本的には前著に引き続き中国の事例が中心となっている。ただ、官と民をいかに混ぜ、経済をいかに巻き込んでいくのか、という観点が必要になってくる、などそのアドバイスはより日本に合わせてきたものになっているようにも感じた。
前作の『アフターデジタル』と重複するところはあるが、えあるからこそ読むのなら併せて読みたい本である。
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『アフターデジタル - オフラインのない時代に生き残る』(藤井保文)のレビュー
https://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4296101625続きを読む投稿日:2020.09.07
様々な本で、データをいかに集めるか、利活用するかが重要。これはレバレッジにもつながる。よりよい顧客体験に繋がり、ユーザーが離れない。
PURPOSEと本書は似ている。確実に来る流れが書いてある。世の中…のトレンドにアンテナを高くはり、参考にしていきたい。続きを読む投稿日:2023.08.22
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