相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ
雨宮処凛(著)
/太田出版
作品情報
「社会の役に立ちたいと思いました」
2016年7月、19人の障害者を殺した植松聖。
全16回の公判の果てに2020年3月、死刑が確定―――。
彼の目から見えていたこの「世界」とは?
残酷な「本音」が「建前」を打ち破り、
「命は大切だ」というような「正論」を口にする者が
「現実を何もわかっていない」と嘲笑される光景があちこちにある。
そんなこの国に溢れる「生産性」「迷惑」「1人で死ね」という言葉。(中略)
彼の悪意はどのように熟成されていったのだろう。
「死刑になりたかった」のではない。「誰でもよかった」のでもない。
彼は衆院議長への手紙で「日本国と世界平和のために」とまで書いている。
――「はじめに」より
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商品情報
- 著者
- 雨宮処凛
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 太田出版
- 書籍発売日
- 2020.07.18
- Reader Store発売日
- 2020.07.18
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 228ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (6件のレビュー)
-
読みながら、ADHD傾向かASD傾向のある自己愛性パーソナリティ障害かな、と思いつつ、それにしてもあまりにも幼稚で思い込みが激しくて、一見ちゃんとしているようでいて、その実よくよく見ると全く言動に整合…性が取れない、著者をしていうところの「中二病」のような、そんな印象の植松死刑囚。
読めば読むほど、やりきれない思いにさせられる。
また著者の感想と同じく、なぜ裁判で彼の成育歴が全くと言っていいほど掘り下げられなかったのかも、納得がいかない。おそらく相当に影響があるはずなのだが。
一方で、こんな極端な行動に走ってしまう若者を生んでしまった社会が恐ろしくもあり、どうすればよかったのか、福祉に携わる人間として、社会を構成する一員として、重い課題を突き付けられたような気がしている。
綺麗ごとだけでは済まない面はあるかもしれない、でも、そうだけど、そうじゃないよね、と感じられることもそれ以上にたくさんあるのだ。そういう面に触れることができなかった植松死刑囚は、とても気の毒な人物なのかもしれない。
この事件から、措置入院の退院後の支援について、よりきめ細かくフォローする体制をとるように変更された。本件だけを考えれば、それは当然と思えるのかもしれない。だけれど、人権的側面を考えると、本当にそれはいいことなのだろうか、という疑念も実はあるのだ。詳しく書こうとするととても長くなるので書かないが、誰かの権利を守ろうとするとき、誰かの権利を制限することにつながりかねないことを、いつも念頭においておかなければいけない。
このエピソードを書くのを忘れていた。思い出したので追記。
本書の中に、植松死刑囚が参議院議長にあてた手紙の中に「一日中車いすに縛り付けられている」人物がいるというような記述があった、とある。その重度障害の人物は、この事件を機に施設を出て、グループホームだったか自宅だったか詳細は忘れてしまったが(本は図書館に返却してしまったので確認できず)生活の拠点を移して、日中活動に参加(おそらく生活介護)するようになり、自分で歩いたり作業に参加したりできるようになったとのこと。あのままやまゆり園にいたら、日がな一日車いすでぼーっとするだけだったであろう毎日が、環境が変わったことで、ご本人が本来持っていた力を発揮できるようになったという好例である。いかにいわゆる「障害」が、社会の中にあるものか、という証左であろう。環境こそがその本人にとって障害となっている、という捉え方で支援を組むことは、障害者支援に携わる者にとっては大前提だといってよい。
確か事件の2,3年あと、やまゆり園では、身体拘束の三原則「切迫性」「非代替性」「一時性」が、一つでも満たされていれば拘束できると間違って認識され、医師の指示なく簡単に身体拘束がされていたことがわかった。少なくとも、全く問題のなかった施設ではなかったということだ。だからといって植松死刑囚の行為が許されるものでは到底ないのだが、彼の非道な行為によって、車いすの人物の生活が広がったというのは皮肉な話でもある。続きを読む投稿日:2023.02.20
植松青年の犯行の原因は「 優生思想でも何でもない 単純な嫉妬ですよ」ってことです。 社会的に何もできないものが 優遇されて のうのうと生きているのに対する やっかみ だって それに引き換え 俺は生活保…護 1つ取るのだって大変なのに という。
障害者が守られているように見えるのは おそらく 障害も 病名もない人たちが「死ぬまで 自己責任で競争し続けてください。 負けた場合は 野垂れ死にってことで」という 無理ゲー を この20年以上強いられているからだろう。 本当は苦しいけれど 弱音を吐いた瞬間に落第者とみなされてしまう。 だから「弱者」が「守られて」いるのが許せない 。おそらくそんな気分の同一線上にベビーカーで電車に乗る人を必要に避難する 子連れ ヘイトがあり 駅などで女性だけを狙ってぶつかってくる わざとぶつかる男がいる。
この20年以上 生産性が高く 役に立つ自分を 全方向にプレゼンし続けなければ生きる価値がないという強迫観念に 多くの人が苛まれている。 毎日 毎分 毎秒 。そんな中 「怠けて楽して得しているように見える 」ように見える「誰か」へのささやかの殺意が本人も無意識のまま胸の中でくすぶりながら 肥大し続けている。続きを読む投稿日:2024.04.06
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