ニッポン名城紀行
井沢 元彦(著)
/エムディエヌコーポレーション
作品情報
【城は今も生きている。日本を代表する31城の「井沢式」攻略法!】
「歴史上、誰もがその名をよく耳にする城にもかかわらず、現在は建物がまったく残っていない城もあれば、当時のままの遺構で世界遺産に登録された城もある。たとえば、本丸が残っていることで有名な高知城。この城は敵からの攻略にも耐えうるような工夫が随所に施されており、そのことが生き残りに成功したと思いがちだが、最も肝心な点は『一度も戦場になっていない』ことである。つまり、令和の今に残っている多くの城は、戦国乱世の戦災に巻き込まれなかった幸運な城なのだ。姫路城や彦根城なども同様である。もっとも、現存するすべての城が平和だったわけでもない。愛知県にある犬山城は、幾度も戦争に巻き込まれながらも炎上せずに残った稀有な例である。さらに言えば、犬山城は徳川幕府が出した軍縮令・一国一城令で破棄される運命もくぐり抜けている。現在、名城と呼ばれる条件は、まさに運不運にあったのだ」
著者の独創と直観による切れ味鋭い歴史・紀行ノンフィクション。北は五稜郭から南は首里城まで、著者が実際に見て歩いて聞いた、日本全国の名城31をユニークな井沢史論で解説。これまで誰も知らなかった名城の秘密が明らかになる。
〈本書の主な内容〉
第一章 蝦夷から信濃をめぐる 五稜郭・弘前城・江戸城・松本城 ほか
第二章 尾張から越前をめぐる 犬山城・名古屋城・金沢城・丸岡城 ほか
第三章 畿内をめぐる 安土城・二条城・大坂城・姫路城 ほか
第四章 山陽・山陰をめぐる 岡山城・備中松山城・津山城・松江城 ほか
第五章 四国をめぐる 丸亀城・高知城・伊予松山城・宇和島城 ほか
第六章 九州・沖縄をめぐる 名護屋城・豊後岡城・熊本城・首里城 ほか
〈著者プロフィール〉
井沢元彦(いざわ・もとひこ)
1954年、名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒。 TBS入社後、報道局(政治部)記者時代に『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞を受賞(26歳)。31歳で退社し、以後、執筆活動に専念。独自の歴史観で歴史推理・ノンフィクション分野で活躍。「週刊ポスト」連載の「逆説の日本史」は1200回を超え、現在は近現代史編を連載中。おもな著書に『逆説の日本史』『コミック逆説の日本史』『逆説の世界史』シリーズ(小学館)のほか、『学校では教えてくれない日本史の授業』シリーズ(PHP)、『英傑の日本史』シリーズ(KADOKAWA)などがある。最近刊は、『天皇の日本史』(角川文庫)。執筆以外では、多くのテレビ・ラジオ番組に出演、また、積極的な講演活動を行なっている。2009年4月から大正大学表現学部・種智院大学人文学部で客員教授を務める。
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
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城専門以外から見た、城の運命をみていく。
城には運と不運がある。
生き残る城や消し去られる城などなど。
様々な人物によって左右される城。
新しい視点で、お城を見れた。
ますます、家康が嫌いになった……
上に行けば行くほど、疑心暗鬼になり、城の運命に影響する。
面白かった。続きを読む投稿日:2021.02.07
城址しか残っていない城、戦後再建された城も採り上げた点に意義を感じる。北海道の松前城から沖縄の首里城まで扱った点もよい。31城のうち、私が訪れたのは五稜郭だけだ。
城が美しく残るというのは、一度も…戦火に巻き込まれていない、江戸期の一国一城令を免れた、明治期に廃城にされなかった、太平洋戦争の戦災を切り抜けた等々、まさに奇跡が積み重なっての幸運だと判った。続きを読む投稿日:2022.10.19
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