少女
作品情報
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。
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商品情報
- シリーズ
- 少女
- 著者
- 湊かなえ
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 双葉社
- 掲載誌・レーベル
- 双葉文庫
- 書籍発売日
- 2012.02.16
- Reader Store発売日
- 2020.06.08
- ファイルサイズ
- 0.6MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (849件のレビュー)
-
吊革に掴まっていなかったらひっくり返るところだった。乗っていた電車が人身事故を起こし、ホームの中程で急停止したのだ。ホームに入っていた前方車両まで誘導され、電車を降りた時、線路を覆うシートの隙間から生…々しい真っ赤なものが見えた。あれから何年という以上の時が過ぎたのに頭から消えない赤い色がある。
『子供なんてみんな、試験管で作ればいい。選ばれた人間の卵子と精子で、優秀な人間だけを作ればいい。』という衝撃的な遺書から始まるこの作品。冒頭から取り憑かれたように『死』について語られていきます。『このまま生きていくのって、ちょっとムリっぽい。リセットするね。バイバイ。』転校生の紫織に見せられた彼女の親友が残したという携帯メールの遺書から、『死』そして『死体』に興味を抱く由紀と敦子。
『見たい、死体を。いや、紫織が見たのが死体なら、わたしは死ぬ瞬間を見てみたい。紫織が親友なら、わたしもそれくらい身近な人で。』死に近い子どもがいると考え小児科病棟に朗読のボランティアに赴く由紀、それに対して『老人ホームなら体の弱いお年寄りばかりいるんだろうし、死体を見ることができるかもしれない。死体を見て、死を悟る。』と老人ホームにボランティアに赴く敦子。『身近な死』に接するためにそれぞれ動き出す二人。あることをきっかけに関係がギクシャクし出した二人。『由紀抜きで死を悟らなきゃ、意味がない。』とさらに心が遠ざかっていきます。
物語はこの二人の視点が交互に入れ替わりながら展開していきます。『寝る前にパソコンを開いて、「学校裏サイト」をのぞくのが習慣』になっている敦子。この『学校裏サイト』が物語の中で大きな意味を持っていくことになりますが、敦子は『裏サイトなんか気にしない自分になりたい。あたしも強くなりたい。そのためにはやっぱり、死を悟ってみたい。』と、あくまで『死』に固執します。そして、何重にも張り巡らされた伏線が、一時、心の遠ざかった由紀と敦子の間に巧みに絡み合い、身近な人も巻き込みつつ最後に劇的に回収されていきます。
結末が近づくにつれ、一見、めでたしめでたしで爽やかに終わるのかと思いましたが、湊さんはそうは結着させません。まさかの更なる伏線回収が待っていました。ぐぐっと極めて後味の悪い読後感。ただ、もしかすると主人公である由紀と敦子のキャラクターをどう読んだかで、ある意味の爽快さを感じる方もいるかもしれない読み手に任された読後感とも言えます。人はよい行いをすればよい報いがあり、悪い行いをすれば悪い報いがあるという意味を持つ『因果応報』。この言葉が敦子の記憶に蘇ります。確かにそうかもしれない。それが自然なのかもしれない。でも、そう考えれば考えるほどに、私にはどっしりと重いものを背負わされたような嫌な読後感が襲ってくるのが感じられました。
核家族化が進み、というような論調さえも歴史を感じるくらいに家族が分割されてしまった現代社会。身近な人の『死』から学んでいた何かを学ぶことができなくなってしまった時代。『自殺ほどつまらない死に方はない。もっと生きることにどん欲な人の死を見てみたい』『死は世界から退場することだ』『「死」に触れ、「死」を超えた世界を知りたい』と単純な興味から、純粋な好奇心から、『死』というものに、高校生の少女たちが惹かれてしまうのも、全ての生物が避けられないものとして恐れ感じる本能なのかもしれません。本当は身近なものでもあるはずの『死』というものについて、日本人は特に忌み嫌って遠ざけているように思います。この作品でも人身事故の場面が登場します。反動として、この感想冒頭の私自身の記憶が蘇りました。幾ら遠ざけてもやってくる時は突然に、それが『死』なのかもしれません。まさか、日常の読書の数時間に渡って、こんなにも『死』について考えることになるとは思いませんでした。
作品としては、色んなキーワードてんこ盛りなのと、あまりに上手く繋がりすぎるストーリー展開に若干の違和感もありましたが、最後の書店員さんによる解説を読んでとてもスッキリしたものも感じました。この辺り、まだまだ自分の読み込みが足りないなとちょっと反省もした作品でした。続きを読む投稿日:2020.03.15
あらすじは面白そうだっが、読んでみると内容は薄く、展開にリアリティも無かった。湊かなえの作品は「告白」以外面白いと感じなかった。
投稿日:2020.12.28
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