ここにしかない大学 APU学長日記
作品情報
「ここでは世界中の出来事が『友達のこと』になる」「『変わり者』『問題児』と呼ばれる学生こそ、積極的に受け入れたい」「起業家を輩出するには最高の環境」「教員、学生の半分が外国人」であるという世界的に見ても珍しい大学「立命館アジア太平洋大学―APU(Ritsumeikan Asia Pacific University)」。そんなAPUの学長に国際公募で選ばれたのが出口治明氏だ。ライフネット生命保険創業者で希代の起業家としても名高い出口氏が、学長として大分県別府市の“山の上”にある超国際派大学APUの地に降り立った。「ここは若者の国連やな」「小さい地球やな」--。世界80カ国を旅してきた出口氏すら驚くAPUのダイバーシティ(多様性)と、世界を変えるチェンジメーカーが生まれる期待感。学長として何を見て、何を感じ、どんな改革をしているのか。これからの「偏差値以外での大学選び」「“考える”教育」「世界で活躍する人材」が見えてくる!
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商品情報
- シリーズ
- ここにしかない大学 APU学長日記
- 著者
- 出口治明
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2020.05.22
- Reader Store発売日
- 2020.05.22
- ファイルサイズ
- 7MB
- ページ数
- 214ページ
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この作品のレビュー
平均 4.6 (8件のレビュー)
-
昨年の春、APUに遊びに行き、キャンパスをこの目で見ました。大学の周りは山以外なーんにもなく、図書館内も勉強用に空間が仕切られていて、四年間集中して学べそうな環境でした。アポを取っていなかったので、学…長室の目の前でしばし佇み、そのまま背中を向けました。勇気を出してノックしてみても良かったかもしれません。
全学生の約半分を外国人留学生が占めるという、過去に例を見ない大学APU。
“要なのは、世界に多種多様な人がいると肌で感じること。リアルな体験を通してそれを実感したときに、人は初めて心から寛容になれるし、自分の価値観とは違う思考体系を持つ他人を尊重しないといけないと腹落ちするのです。”
友達が外国籍だと、彼/彼女らの国で起きたニュースが身近な出来事に思える。それこそ本当のグローバリゼーションだと出口学長は言います。わたしも大学が外国語学部だったので、国際色豊かな友人たちと過ごした日々を思い返し、共感しました。
Q. 大学の社会的評価を上げるには?
A. 国際認証を取得し、世界水準の高い教育が受けられることを明確にする。国際競争力をつけ、優秀な学生を世界中から集める。
Q.物事を成功に導く三要素とは?
A. “起業に限った話ではなく、すべてのプロジェクトについていえることですが、何かを成功させるためには「運」の要素が欠かせません。運は「天の時」「地の利」「人の和」の3つに分解でき、それぞれ「社会情勢」「与えられた条件」「チームの縁」と言い換えられます。”
Q. ダイバーシティ環境に必要なものは?
A. ロジカルシンキングが大切。客観的なデータや事実を用いて話せば、境遇や考え方が違う人もお互いを認め合うことができる。
これらはほんの一例です。出口学長やAPUを知らない方からすると、ぱっと見「どこかの大学の学長の話」と思われそうですが、実は大学経営は企業経営に通じるものがたくさんあります。出口学長の優れたビジネスセンスと高い志が学べるので、起業家や経営者の方々は得るものが多いのではないかと思います。
わたしは今でも母校が大好きですが、APUを知れば知るほど「こんな大学に通ってみたかった」という思いを強くしました。もし進路に迷っている時に読んでいたら、感化されていただろうと思うし、もともと国際的な方面に興味があったので進学先の候補の一つになっていたと思います。だから今、進路を迷っているグローバル思考の学生たちにもきっと響くはず。
そしてもしアナタが読書家なら、「読むべき30冊の古典リスト」を読破してみたいと思うでしょう。「人、本、旅」を大切にされている出口学長なので、本について人と話したり、本で読んだ場所を実際に旅したりすれば、ただの「本」好きではなくなり、「人、本、旅」の良さもまた実感できるはず!
p12
僕の敬愛するダーウィンは、「賢い者や強い者が生き残る野ではなく、変化に適応できた者だけが生き残る」と述べています。何が起こるのか分からない世の中で、どんな事態に直面するかはダーウィンの指摘する通り、「運と適応」次第です。
p36
要なのは、世界に多種多様な人がいると肌で感じること。リアルな体験を通してそれを実感したときに、人は初めて心から寛容になれるし、自分の価値観とは違う思考体系を持つ他人を尊重しないといけないと腹落ちするのです。
p37
地球上で起こるあらゆるニュースや国際情勢が、「友達のこと」や「友達の家族のこと」であり、それがすなわち「自分事」になる。当事者意識が芽生え、「自分に関係ないこと」が減っていくことが本当のグローバリゼーションなのかもしれないと気づきました。
p64
法律とは何かと問われれば、僕は「取扱説明書」だと答えます。
その分野がどのような考えでできていて、どのように取り扱えばいいのかを細かく記した説明書です。初めて使う機械を操作するとににはまず取扱説明書を読むように、新しい業界に入るときにはその分野の法律を学ぶ。
p66
組織や国のあるべき形は、「取扱説明書」である法律や憲法にこそ明記されています。ここを無視しては、地にあしのついたビジョンは描けないのです。
p77
グローバルに見れば、大学は一度社会に出たあと、学び直すために行く場所でもあります。それなのに日本の大学では、「高校を卒業したばかりの18〜22歳の日本人」が学生のほとんどを占めているのです。
p99
イノベーションは、「既存知」と「別の既存知」の組み合わせによって生まれるといわれています。経験則によると、その組み合わせる「既存知間の距離」が遠いほどおもしろいアイデアが生まれ、反対に距離が近い同質集団からは、新しいアイデアはなかなか生まれないそうです。
p119
また、彼らが口をそろえて話していたのが、「仲間の大切さ」です。助け合う同僚や指導してくれるメンターなど、いい仲間をもつこが起業を成功させるためには欠かせない要素だ、と。メンターに関しては、中国の古典『貞観政要』に指針となる話があります。僕の座右の銘でもある「三鏡」における、「人の鏡」です。
まず「三鏡」とは、リーダーに不可欠な要素を説明したものです。
1つ目の「銅の鏡」は、普通の「自分を映す鏡」。リーダーは自分が元気で明るく、楽しそうにしているかどうかを常に鏡を見てチェックしなさいということです。
2つ目の「歴史の鏡」は、将来何が起こるかは誰にも分からない、ただ悲しいことにそれにそなえる教材は過去にしかないから、歴史を学びなさいということ。
そして3つ目が「人の鏡」で、厳しいことを直言してくれる人を近くに置きなさいということです。そうでなければ裸の王様になってしまう、と。
この「人の鏡」はまさにメンターのことです。
p134
起業に限った話ではなく、すべてのプロジェクトについていえることですが、何かを成功させるためには「運」の要素が欠かせません。運は「天の時」「地の利」「人の和」の3つに分解でき、それぞれ「社会情勢」「与えられた条件」「チームの縁」と言い換えられます。
p191
また、今の話にも出てきましたが、「考える力」を身に付けるためには、「なぜ?」という問いを増やすことが大切です。「なぜ?」「どうして?」を繰り返して初めて考える力が身に付いていきます。
ただ、「考える経験」の足りない人は、いくら「なぜ?」と自分に問いかけてもうまく考えることができないでしょう。そんなときはまず、先人の「考える型」や「発想のパターン」をマネてみるところから始めてほしいと思います。
では、基本的な「考える型」とは何か。ベースになるのは、論理的な思考力、つまりロジカルシンキングです。
p192
人はそれぞれ持っている知識や経験、常識や価値観が異なります。生まれた場所によって文化も違う。そんな人たちの集まりの中でコミュニケーションを取る場合は唯一、数字(データ)やファクト(事実)が共通テキストになります。客観的なデータや事実であれば、境遇や考え方が違う人たちでも、お互いに認め合うことができますから。そもそも、エビデンスに基づいていることは、知識基盤社会の基本中の基本なのです。続きを読む投稿日:2020.09.07
最も印象に残った言葉は『何かを成功させるためには「運」の要素が欠かせない。運は「天の時」:社会情勢、「地の利」:与えられた条件、「人の和」の三つに分解できる。』
何かを成し遂げる時、そのタイミングを逃…さないようにしたい。
また、将来何が起こるかは誰にも分からず、みな不安を抱えているが、将来に備えるには歴史を学ぶ以外に方法はないことを知り、歴史に興味を持った。続きを読む投稿日:2021.03.06
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