岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
丸山俊一(著)
,NHK「欲望の資本主義」制作班(著)
/東洋経済新報社
作品情報
大反響の異色経済ドキュメント4作目。
同番組シリーズがテーマとする「欲望が欲望を生みだす資本主義の先に何があるのか」。
今回は、仮想通貨が生まれ、キャッシュレス化が進む現象を捉え、資本主義の基本を成す貨幣に着目。
「貨幣論」「会社は誰のものか」など、正統的な近代経済学の枠組みに留まらず、様々な問いかけ、考察をしてきた日本を代表する経済学者である岩井克人氏が登場する「欲望の資本主義 特別編 欲望の貨幣論2019」(2019年7月14日放送)をベースとし、追加独自インタビューも交えた書籍化。
NHK総合「欲望の資本主義」(2016年5月放送)を書籍化した『欲望の資本主義』、2017年新春放送の「欲望の資本主義2017」・2018年新春放送の「欲望の資本主義2018」を書籍化した『欲望の資本主義2』、2019年新春放送の「欲望の資本主義2019」を書籍化した『欲望の資本主義3』(6月末刊行予定)に続き、番組シリーズのコンセプトにさらに肉迫する意欲的な企画。
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商品情報
- シリーズ
- 岩井克人「欲望の貨幣論」を語る
- 著者
- 丸山俊一, NHK「欲望の資本主義」制作班
- 出版社
- 東洋経済新報社
- 書籍発売日
- 2020.02.21
- Reader Store発売日
- 2020.02.21
- ファイルサイズ
- 17.1MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (14件のレビュー)
-
こんな本が出版されていることを知りませんでした(涙)。
貨幣論の岩井克人さんの最新の情報、
最高でした。
アリストテレスが貨幣の重要性、資本主義のはしりに言及していてということ。
さすが、岩井先生でし…た(感謝)。続きを読む投稿日:2022.06.29
「貨幣とは貨幣であるから貨幣である」という貨幣の自己循環論法。なんだそりゃ。小泉進次郎が言いそうなトートロジーでもあり、早口言葉のようでもある。しかし、これが真理なのだろう。ただ、若干の補足が必要だ。…
お金を使うことは、お金自体に使い道は無いことを知りながら、流通させていることであり、最も純粋な投機とも言える。お金を信じていると言うことだ。貨幣商品説とか、貨幣法制説やMMT論はあるにせよ、本著では結句、貨幣とは、集団幻想として認知され、貨幣という交換価値に帰結する事で貨幣足り得るという主張を採用する。
貨幣の存在を探りながらも本著が面白いのは、アリストテレスのポリス(都市国家)からの掘り下げだ。アリストテレスは、人間は自然本性によってポリス的動物であるとし、共同体全体にとって何が善であるかを絶えず議論し共同体全体の運営に関心を持てるように政治を転換すべきという主張をしていた。アリストテレスにとってポリスとは他者と共によく生きると言う目的を最高に実現できる最高の共同体。
他方、欲求の二重の一致を迂回するために貨幣はが発生した。ポリスを維持するためには貨幣が不可欠である。逆説的だが、貨幣はポリスの持続性を切り崩してしまう力を持っている。貨幣交換が拡大していくと手段と目的が逆転し始めるようになるとアリストテレスは述べる「貨幣が交換の出発点であり、終極目的でもある」。
アリストテレスは自らがポリスの内部に発見した資本主義を〝無限”という悪を求める活動として断罪する。医者には他の人を健康にすると言う本来的目的があり、軍人には戦争に勝利すると言う本来的目的がある。しかし一度資本主義が生まれてしまうと、医者も軍人も貨幣それ自体を増やすと言う決して満たされることのない目的を求める。結果資本主義は、他者と共によく生きると言う目的を最高に実現できる、最高の共同体であるべきポリスから持続性を奪うことにより内部から解体してしまう力を持っている。
貨幣が自己目的化するのは、際限なき欲望の故。また、自らの自由を労働で販売する市民が、他人の自由を奪い自身の自由を守るために貨幣が重要なのだ。複雑化され貨幣に仮託される欲望の一部には、生存本能がある。お金があるから安心だという心理は、その反映だ。以前ぼんやりそんな事を考えていたが、久々にその思考回路をトレース。分かりやすい話だ。続きを読む投稿日:2023.02.23
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