プロフェッショナルマーケター―――マーケティング最先鋭の言葉
守口剛(著)
,MCEI東京支部(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
経営戦略と直結するマーケティングの実務・技術・哲学。プロフェッショナル18人の発言:足立光、石橋昌文、伊藤秀二、伊東正明、榎本 亮、大江弘祥、大久保恒夫、奥谷孝司、音部大輔、鹿毛康司、木村美代子、清水俊明、寺田直行、富永朋信、平野健二、西口一希、森島千佳、山形光晴
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以下、マーケターとして著名な人達の言葉メモ。
- [ ] 現実の消費者活動はバラエティに富んでおり、それらのすべてを消費者行動の理論で説明することはできない。顧客志向は、マーケティングにおける最も…重要な概念であり、マーケティングを重視する企業にとって当たり前の考え方。
足立光さんの言葉。
- [ ] 国内で「ポケモンGO」をプレイしたことがある人は人口の約3割程度で、知っているけどプレイしたことのない人が3-4割ぐらい。残りは知らないし、プレイしたことがない人。いま足立さんがやろうとしていることは、現在のプレイヤーの方々により楽しんでいただくのはもちろんだが、それだけではなく、「ポケモンGO」は知っているけど興味がない、昔プレイしたことがあるけど今はやっていない、という人たちに対しても同時にアプローチして、違うメッセージを出していくこと。今年の夏の「#好きなようにGOしよう」というキャンペーンには、そういう狙いがあった。
- [ ] 3年ごとに結果を出し、経営的な視点を磨く。これからのマーケターに求められる資質として、何より欠かせないのは経営視点。足立さんは経験上、マーケティングは経営とほぼイコールだと考えている。足立さんは営業は広義のマーケティングの一部だと考えているので、CEOの業務から財務、経理、人事、ITなどのバックオフィス部門を除いた全てがCMOの担当になる。そのため、CEOとCMOが責任を持つ売上額は同じ。
- [ ] マーケティング担当というと、一般的には、UA(顧客獲得)やデータ活用によるコスト削減が注目されがち。それは必要な要素ではあるが、マーケティングの本質はデマンド(需要)を創造し、販売している製品やサービス「自体」を常に見直し、自己変革しながら、継続的にビジネスを伸ばし続けること、そのための仕組みを作ることが、マーケターの役割。そのための最適解は、ビジネス全体を中期的・長期的に俯瞰して考えることができる、経営的な視点がなければ得ることはできない。
- [ ] 経営的な視点を身につけるベストな方法は、いわゆる事業部長やブランドマネジャーなど、ある事業やブランドの売上から利益までのPL責任を持つ仕事をすること。売上だけでなく、どのようなコストがどれくらいどこにかかっているのか、どこに注力すれば利益につながるか、などを理解できる。もしそのようなポジションに就くのが現実的でない場合には、ジョブローテーションや転職などを通して、様々の種類の業務とポジションを経験すること。
- [ ] グローバルを目指し、グローバルで戦う経験を重ね、30代で一定のゴールに到達すべく頑張って欲しい。日本でしか通用しない人材は、どんどん活躍の場が狭まっていく。これから経済的に伸びていくのは、東南アジアや南米やアフリカ。こうした南側の地域。経済が伸びるところには間違いなくビジネスがあり、意欲ある優秀なマーケターが必要とされる。
伊藤秀二さんの言葉。
- [ ] 経営=マーケティングであり。企業活動自体がマーケティングである。もちろん、マーケティングの課題を解決するには、フレームワークやデータ分析、クリエイティブスキルなども欠かせない。そうしたテクニカルな要素とのバランスをマーケターは意識して欲しい。
伊東正明さんの言葉。
- [ ] そもそも、市場創造につながらないマーケティングに意味はないと思っている。市場を奪い合うのではなく、お互いが力を合わせて市場を新たにつくりだし、伸ばそうという考え方。
- [ ] マーケティングの役割を一言で言えば、消費者の「欲しい」という気持ちをつくることに尽きる。消費者の常識を理解し、それを「ずらす」コミュニケーションプランをつくり、狙った通りの数値効果を生み出す。このプロセスがマーケティング。
- [ ] 「こういう行動を取る人は、こういう考え方をしていて、その人にこういうインサイトをぶつけると、こう変換する確率が高い」というストーリーを描けなければ、マーケターとは言えない。要は、人の心を動かす仮説の立案と検証の繰り返しであり、その訓練はどこでもできる。
- [ ] マーケターに求められる「好奇心」「負けず嫌い」「あまのじゃく」。
- [ ] マーケターは「こう言えば相手はこう動くだろう」という仮説、検証、反省をどれだけ積み重ねられるかが勝負であり、ぼおっとやっているのでは意味がない。想定以上であれ想定以下であれ、思った通りでないことが問題であり、その原因を探り、フィードバックできるかどうかで大きな差がつく。
榎本亮さんの言葉。
- [ ] BtoBにおけるマーケティングとは?
- [ ] IT業界のみならず産業界は今、デジタルトランスフォーメーションという歴史的な変革期にある。その中でCMOは5年先、10年先の市場環境や顧客ニーズを予測し、今からどのような手を打っておくべきかCEOとコミュニケーションすることが大切。
- [ ] プロダクトアウトや技術力頼みではないビジネスを実現するため、マーケティングが貢献できることはまだある。
大久保恒夫さんの言葉。
- [ ] 小売における店頭とネットの位置付け。ネットスーパーでは、ドリンク、米、ビール、ティッシュ、トイレットペーパーなど重くてかさばり、持ち運びが大変な商品がよく売れる傾向にある。これらはいずれも粗利が1桁台の商品ばかりで、配達員が車で届けていたら赤字が膨らむばかり。ネットスーパーは、店舗とは違う品揃えや価格設定にしなければならない。
- [ ] 例えば、ネットではこだわり商品がうれる。興味のある商品の背景や特徴などを丁寧に説明すると、じっくり読んでもらえるから。そして、納得すれば高額の商品でも買ってもらえる。店頭で細かい説明を付けても、買い物客は忙しくてほとんど読んでくれないのと対照的。
- [ ] 仮説検証は創造力と企画力の勝負であり、マーケティングはいまよりもっと面白くなる。
奥山孝司さんの言葉。
- [ ] 大きなトレンドとしてネット企業もリアルなタッチポイントを増やす方向にある。店舗でなくても、ポップアップストアや移動販売などリアルなタッチポイントをつくっていくやり方は色々ある。
音部大輔さんの言葉。
- [ ] マーケターとして、音部さんが常に意識してきたことの1つは「抽象化」と「概念化」。
- [ ] 商品の定義を変えるのが市場創造であり、マーケティングの役割だと考えている。優れたマーケターは「良い洗剤」「良いクルマ」あるいは「良いWebサービス」の定義を改め、受け入れてもらい、広める存在。
- [ ] マーケティングにおけるアプローチということでは、「目的」の重要性についても強調しておきたい。マーケティングに限らずあらゆるビジネス活動では、一貫性を持って様々な取り組みが展開されることが必要。それには、目標地点がきちんと定まっていなければならない。目標地点が定まれば、そこへ向かって真っ直ぐ向かえばいいだけ。この目標地点が「目的」。
- [ ] 音部さんが「目的」にこだわるようになったのは、P&Gでマーケティングプランを作成するにあたり、利益を優先するか、シェアを優先するか悩んでいて先輩に相談したところ「そもそも目的はなんですか。目的に決めさせればいいんですよ」と言われたから。こうして目的が非常に明快になり、プロジェクトはうまく進むようになった。
PFN冨永朋信さんの言葉
- [ ] 仮説をつくり行動できる人がマーケター。
- [ ] 冨永さんが考えるマーケターとは、ビジネスにおいて仮説思考ができ、それをアクションにつなげられる人のこと。どんなポジションにあっても、自分の持っているスキル、教養、経験などを総動員し、組織の課題を読み解き、言語化し、アクションとして提案する。
続きを読む投稿日:2020.01.24
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