無形資産が経済を支配する―資本のない資本主義の正体
ジョナサン・ハスケル(著)
,スティアン・ウェストレイク(著)
,山形浩生(訳)
/東洋経済新報社
作品情報
GAFAが台頭する中、無形投資の増大は生産性や格差にどのような影響をもたらすのか?
企業・投資家・銀行・政府はどのように対応すべきか?
有形資産とは異なる無形資産の4つの特徴とは何か?
これまで計測できなかった無形資産の全貌を、初めて包括的に分析した画期的名著
『フィナンシャル・タイムズ』ベスト経済書
【推薦の言葉】
「世界経済最大のトレンド『無形資産』を理解したければ、本書を読むべきだ」――ビル・ゲイツ
【無形資産の一例】
・スターバックスの店舗マニュアル
・アップルのデザインとソフトウェア
・コカ・コーラの製法とブランド
・マイクロソフトの研究開発と研修
・グーグルのアルゴリズム
・ウーバーの運転手ネットワーク
もっとみる
商品情報
- 著者
- ジョナサン・ハスケル, スティアン・ウェストレイク, 山形浩生
- 出版社
- 東洋経済新報社
- 書籍発売日
- 2020.01.17
- Reader Store発売日
- 2020.01.17
- ファイルサイズ
- 10.4MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.5 (12件のレビュー)
-
最初に読んだとき、難しすぎて、よく理解できなかった。
ナニコレ?って思って、2021年11月21日の時点では
★ という評価にしたんだけど。。。
2022年1月19日
マイクロソフトが、米ゲーム大…手アクティビジョン・ブリザードを687億ドル(約7兆8700億円)で買収する、というニュースが世界中を駆け巡った。
メタバースへの先行投資で、その朝、日経新聞を読んでて
「あ、この前読んだ、本に書いてあったヤツだ」
って気づいた。
アメリカの有形資産と無形資産の推移のグラフを見て、すぐにピンときた。
かつては、先進国ですら、無形資産は添え物でしかなかった。
しかし、アメリカでは、1990年代半ばに、無形投資が有形投資を追い抜く。
そのことが、この本には書いてあるし
2ヶ月後に読んだ日経新聞の記事にも同じことが書いてあった。
日経新聞の記事をまとめると
マイクロソフトは、なぜ687億ドル(約7兆8000億円)もの金額で、ゲーム会社を買収しなければならなかったのか?
財務諸表を見ても、よく分からない。
アクティビジョンは株式上場企業で、2021年9月末時点の純資産が
1兆9000億円。
買収額がそれを超えた部分
つまりマイクロソフトが支払うプレミアム(のれん)は6兆円弱にものぼる。
ここ10年で6件以上の企業を買収したマイクロソフトにはすでに
5兆7000億円ののれんがあり
新たな買収でそれが2倍以上に増える。
「払い過ぎだ」との声がある一方
「現在の財務諸表を基準にする点にこそ問題がある」との見方もできる。
のれんとは「会計監査で認識できない見えない資産」
現在の会計基準は製造業が主役だった時代に基礎ができたため
無形資産を計測しにくい。
有形資産の少ないIT企業は純資産が小さくなり
買収される際はプレミアムが大きく見えやすい。
アクティビジョンも本当の価値は1兆9000億円と7兆8000億円の間
マイクロソフトはメタバースのもたらす成長余地に期待を寄せ
デューデリジェンス(資産査定)の結果を受けて
のれん部分の6兆円弱を明確な無形資産だと考えた。
逆に言えばIT企業の無形資産がどの程度になるかは定期的な会計監査ではなく
M&A(合併・買収)の際に初めて顕在化する。
他のIT企業にも似た動きはあろうが
注目すべきは財務諸表には映らない「見えないメタバースの資産価値」になる。
この記事を書いた人
日経新聞コメンテーター:中山 淳史
自動車、電機など産業動向、経営トレンドに精通。編集委員、論説委員などを経て
2017年2月より現職。「GEと東芝」「移動の未来」などで講演多数。
2001年の米同時テロをニューヨーク駐在時に取材。アルゼンチン留学も。
-------------------------------------------------------------------
本を読んだだけでは、オレには内容が理解できなかったんだけど
日経新聞のこの記事読んで、やっと、意味が分かったわー。
この本の評価を、★ から ★★★★ に引き上げた。
これは、重要な本だ。
さて、本書の内容に戻る。
34
図2-1 アメリカの有形資産と無形資産の推移
かつては、最先進国ですら無形資産というのは添え物でしかなかった。
アメリカでは、どうも、1990年代半ばに、無形投資が有形投資を追い抜いたらしい。
53
知識生産もGDPを引き上げる
95
なぜ無形投資はスケーラブルなのか
97
ウーバーの運転手やAirbnbホストやインスタグラム利用者のネットワークやHTMLのちからや、ウェブの元となっている無数の規格は、無形資産であり有形資産ではない。
98
グーグル、MS、フェイスブックは、かつての製造業の巨人に比べて必要な有形資産が少ない。
99
グーグルの検索はアルゴリズムが最高でほぼ無限にスケーラブルなら、ヤフー検索なんか使う理由はあるだろうか?勝者総取りシナリオが普通になるだろう。
105
スピルオーバー
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「スピルオーバー効果」の解説
スピルオーバー効果
spillover effect
漏出効果,拡散効果という。
元来,公共経済学の分野での用語であり,公共サービスの便益が,給付を行なった公共体の行政区域を超えて拡散し,費用負担をしていない周辺の公共体もその便益を享受する現象であり,ある種の外部経済効果である。
たとえば,公園,公共施設の便益が周辺に及ぶ場合のほか,河川の水質規制の強化が下流域の他の公共体にその便益が拡散する場合などがあげられる。
最近では,技術開発の分野で,その効果が本来意図した業種を超えて他の関連業種にまで波及することを指していうこともある。
まとめ
グラフがいっぱいあるのは、視覚的に理解できるので分かりやすかった。
カタカナになった英語が、分からないものが多かった。
オレはモノを知らなさすぎる。
頭の良い翻訳というのは、ムダに、分かりにくい表現は使わない、ということを、山形浩生は分かっているはずなのに、どーして、こんな日本語になっていないカタカナ英語を多用するの?続きを読む投稿日:2021.11.21
アメリカの経済学者による無形資産について述べた本。企業が発表する財務諸表では、有形資産のみが記されているが、「のれん代」といわれる資産やシステムやソフトウェア、ガバナンスや教育など、企業の経済活動に大…きく影響する無形資産の価値が、大きくなってきている。しかしながら、この無形資産はその価値を数値化しづらく、影響も測り難い。これら無形資産の特徴を纏めており勉強になった。内容はやや発散的であり、体系的ではないところが残念。
「あのライト兄弟は、世界初の飛行の後で、もっと優れた飛行機の開発に時間を費やすどころか、特許を侵害していると思った競合開発者と戦うのにほとんどの時間をかけていた」p14
「雇用と解雇に制約の多い国は有形資産に多くを投資し、無形資産への投資は少ない」p44
「(コンピュータによる定型作業の置き換え)電話交換所での交換作業、生産ラインでの反復作業、銀行での現金払い出しなどだ。そして過去数年でコンピュータはさらに賢くなった。飛行機の搭乗券を発券し、スーパーでレジ打ちをして、電話でありがちな質問に答えてくれる。こうしたコンピュータがますます安くなると、企業は低技能労働者をコンピュータで置き換えるほうがずっと得になる。その結果、労働者の需要は下がり、したがってその賃金も下がる」p181
「企業戦略、経営、会計、経済学の専門家に投げかけるべき最も重要な実務的質問は「どうすればうちの企業が他を出し抜けるだろうか?」というものだ」p275
「(無形資産についての本書の結論)
1. 有形資産から無形資産への長期的なシフトが起こっており、今なお続いている。
2.このシフトの大半は企業のバランスシートや国民会計に登場しない。会計士や統計学者は無形支出を投資としては計上せず、日常的な経費扱いにするからだ。
3.無形資産が生み出す無形の知識ベースの資産はスケーラブルで、サンクコスト(埋没費用)を持つ。そしてその便益はスピルオーバーし、他の無形資産とシナジーを示しがちだ」p353
続きを読む投稿日:2023.10.26
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。