横浜イノベーション!
内田裕子(著)
/PHP研究所
作品情報
横浜人は「進取の気質」だと言います。「横浜人は開港以来、新しいものを受け入れてきた」とも言うが、それは本当か? 横浜にイノベーションは起こっている? 横浜人は本当にオープンマインドなのか? そもそも横浜とは何なのか。この本はそんな疑問を起点として始まっています。そして経済という切り口で、横浜にゆかりのある経営者・ビジネスマン十数人への取材を行いました。さらに、林文子・横浜市長へのロングインタビューも掲載しています。同時に、江戸時代・吉田新田の開発から、幕末のペリー来航、明治時代・開港場としての繁栄、第二次大戦後の米軍駐留まで、横浜の歴史や出来事を紐解くのです。この2つの視点をからめて、「横浜でのイノベーション」のすべての共通点を発見し、横浜の「ファクト」といえるものを、わかりやすく説明していきます。今、横浜と日本に必要なのはイノベーションだと著者は言います。本書では横浜でイノベーションを起こした人、起こそうとしている人、会社を取り上げています。横浜の祖・吉田勘兵衛、大相場師・田中平八、浅野総一郎、原三渓、元横浜市長・飛鳥田一雄など歴史的な人物から、現代日本企業の三菱地所、有隣堂、DeNA、資生堂、京セラ、コーエーテクモゲームスまで。真のイノベーターたちを紹介することで、横浜経済、日本経済に少しでも揺さぶりをかけることができるならば、という著者の思いで作られた本です。
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商品情報
- シリーズ
- 横浜イノベーション!
- 著者
- 内田裕子
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2019.08.27
- Reader Store発売日
- 2019.09.20
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
-
2019年に発行されている。最近の横浜がわかると思って読んだ。創造都市の横浜を読んで、文化芸術を視点とした横浜。著者は、証券会社に入社し、トレーダーを経験後、経済ジャーナリストになる。
『財部誠一の異…見拝察』で、経営者インタビューを得意としていた。
横浜は、1853年6月黒船ペリーが来日することによって、大きく展開し始めた街である。1858年日米修好通商条約が締結され、幕府は横浜村を開港場に決めた。1859年7月1日に横浜港は開港した。開港160周年という歴史が、横浜を物語る。そこに外国人が住むことによって始まる。半農半漁の小さな村が、370万人と政令都市で一番人口が多い都市になった。
東京のごった煮的なまちづくりとは違う雰囲気を持っている。
みなとみらい。総面積は186ヘクタール。みなとみらい21の開発が始まったのが1983年。その年は、日本は世界最大の貿易黒字国。東京ディズニーランド開園。新婚旅行先が沖縄からハワイとなった。ロッキード事件で田中角栄に実刑判決。1983年には、1ドル360円が260円になった。そして、1985年にはプラザ合意があり、日本経済の大転換を迎える。みなとみらいには、8000万人が訪問するという。
そのみなとみらいの繁栄は、1963年飛鳥田市長誕生が大きい。京浜工業地帯の公害問題への対応。まだ、公害基本法のない時代。企業に環境問題に対する対応についての契約を結ぶことによって凌いだ。そして、計画性のない開発によって、住民の不満を受ける形で、「宅地開発要綱制定」から始まる。「要綱行政」が始まり、1965年に「横浜六大事業」が提案された。また街づくり協定も市民の参加で作られた。「みなとみらい街づくり基本協定」によって、街がつくられる。マスタープランがコンセプトも明確で、ビジョンが揺るがない。
その立役者が、田村明。ビジョンを持ったまちづくりを作り、未来の横浜の図を作った。実に大胆なのは、三菱重工造船所を移転させるという発想だ。田村を横浜市企画調整室企画調整部長に迎え入れたのが1968年。「業務核都市」という概念。飛鳥田は市長を辞めたのが1978年。そして、三菱重工が移転したのが、1980年。その土地は、三菱地所が受け継いだ。みなとみらい着工が1983年となる。
1989年には、横浜博覧会が開催され、日本丸パークと横浜美術館がオープンする。
国際交流都市、文化芸術創造都市という理想を持って都市づくりをする。みなとみらいのスカイラインができたのが1997年。ランドマークタワーは、需要創造型プロジェクト。
みなとみらいの事業所数は1810社、就業人口10万人強、来街者数8300万人。
横浜には、100年以上続いた企業が、1000社近くあるという。
有隣堂。「徳は孤ならず、必ず隣あり」からネーミング。1909年創業。「誠品生活日本橋」などの出店。キャッチコピーは、Books,and Everything in Between.「カルチャーのプラットフォーム」
DeNAが、YOKOHAMAでプロ野球に参入。「世の中をDelightする」
時代は、C;コネクテッド、A;オートノーマス(自動運転)、S;シェアリング(共有化)、E;エレクトリック(電動化)つまりCASEに向かう。
伝統とは、時代に合わせて革新してきた。それは目の前にいるお客さんが欲しがっているものを提供する。
みなとみらいには、京セラ、資生堂、村田製作所、コーエーテクモなどが入る。
なるほど、それぞれが」コンセプトを持って取り組んでいる企業が、オープンイノベーションに取り組む。消費者を起点にしたイノベーション。革新、刷新、新基軸、新結合。
イノベーションとは、①新しいモノ・サービスの創造、②新しい生産方法、③新しい販売先、④新しい原料の供給源の獲得、⑤新しい組織の実現。それを組み合わせることで、実現する。
横浜は、デザイン、アート、ミュージック、ダンス、ユニーク、オープン・イノベーションの街に進化し続ける。
「牛鍋食わぬは開化不進奴」横浜生まれの牛鍋は文明開化の味がする。横浜の開港は、牛鍋なるものを取り入れた。進取の精神が、横浜に息づいている。
経済ジャーナリストの視点で横浜を見ると、また違った横浜が見えた。続きを読む投稿日:2022.05.06
横浜(センター南)の書店で見かけて購入。ジャーナリストの内田裕子さんによる横浜本。近年さまざまな施設や企業・研究所の誘致に成功している横浜の「みなとみらい」の現状を中心に、江戸時代~ペリー来航~戦後の…横浜の歴史が語られる。後半に横浜市長の林文子さんのインタビューが掲載 されているのだが、IotだったりAI・ペーパーレスなどかなり先を見越して街作りをしていることがわかる内容だった。以前に福岡市の歴史と現状が書かれた本を読んだが何か横浜と似ている気がした(この2都市は今後も注目していきたい)。続きを読む
投稿日:2020.03.29
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