走って、悩んで、見つけたこと。
大迫傑(著)
/文春e-book
作品情報
市民ランナーのカリスマ、大迫傑、初の著書――。
これは、MGCの前に、オリンピックの前に必読の書である。
大迫傑は、悩みはすべて走ることで解決してきたと言う。
走っている間は、自分自身とじっくりと向き合え、答えを見つけられるのだと。
「僕が走ってきた中で見つけたこと、出会ったこと、現在の僕を形作っているものについて振り返ってみた」のが本書の内容だ。
大迫傑の、強さも弱さもすべてがさらけだされ、そこにこの本を出すことの覚悟、これから挑むことへの覚悟を感じる。
彼が教えてくれるのは、走ることの辛さと喜び。そしてそれを経験して学ぶ”生き方”。
マラソン日本記録保持者の葛藤から生まれた思考法が1冊に詰まっている。
〈目次〉
自分の道を選ぶこと。
マラソンを走るということ。
どんな結果も受け止めること。
環境が変わっても生き残る力を持つこと。
「今」を積み重ねること。
意志を持ち続けること。
ライバルをリスペクトすること。
不安をコントロールすること。
言い訳をしないこと。
目標を立てること。
子供たちに伝えたいこと。
大人たちに伝えたいこと。
テキストのほかに、64ページにわたる写真もみどころ。オフショットも掲載。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 走って、悩んで、見つけたこと。
- 著者
- 大迫傑
- ジャンル
- スポーツ・アウトドア - スポーツ
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春e-book
- 書籍発売日
- 2019.08.30
- Reader Store発売日
- 2019.08.30
- ファイルサイズ
- 38.4MB
- ページ数
- 192ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.1 (32件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
何かとメディアで取り上げられることの多い大迫傑。
レビューの続きを読む
日本陸連相手にSNSで斜に構えた抗議を行ったり、駅伝で襷渡し後に倒れ込む選手は”アピール”に過ぎないかのような物言いで苦言を呈したりと、昔から「おいおい、大迫節だなぁ」と思っていた。
もう少し、言い方とか配慮とかあるんじゃないの、と。
それでも、その何かちょっと自分中心主義みたいな物言いだけでなく、数々の実績や心に響く行動を伴ってきた。
・早稲田大学入学後1年次からエース級の活躍を見せ、箱根駅伝では18年ぶりの総合優勝に貢献
・2017年の福岡国際で日本人最上位、日本歴代5位(当時)の記録を納め、それまでトラック選手のイメージだった彼がマラソンの大迫と一気に知名度を上げ、そこから日本男子マラソン界を牽引してきた
・2019年のMGCで佐久長聖高校の先輩、佐藤悠基が給水を取り逃すと、すっとボトルを差出す
・東京オリンピック出場後、一度は競技生活を退きテレビ解説や後進育成に活動の場を移すも、「また走り始めたい」と活動を再開し、プロランナーとしてGMOインターネットグループに参画するという異例の復活劇を見せる
・2023年のMGCで自身のゴール後、早稲田大学の後輩、高田康暉のゴールを雨の中じっと待つ
こういった言動を見る中で、一目置かざるを得ないなぁと思ってはいた。
そんな中、2023年のMGC後のトークショーで、「自分の身体の反応を予測しない」という発言をしたという記事を見かけた。
気になって読んでみると、「キツいことを続けていると、自分の身体の次の反応はこうだ、と決めつけてしまう。変に冷静になってしまうというか、『壁』を作ってしまうことが多い」とのこと。
目から鱗の考え方。
自分も30km走とか長い距離を走るときは、時点時点で「よし、今日はまだどこも痛くないぞ」とか「だんだん、脚が張ってきたな、あとどれくらいもつかな」とか考えながら走ってしまう。
それは自分の身体との会話であり、ペース配分を調整する上で不可欠な行為だと思っていたが、それを『壁』と言ってのけるとは。
確かに、本当はまだいけるはずなのに、頑張ればまた楽な時間が訪れるのに、勝手に過去の自分と比較して限界を設定してしまっているような気もする。
やはり、考えることが違うし、発信力が凄い。
ということで、前置きが長くなったが、俄然気になる存在となり読んでみた本書。
めちゃくちゃ面白かった。
ぐさぐさ刺さってきた。
すごく走ることが好きで、すごくよく考えているのだなぁということが伝わってきた。
同調できない考え方もあるけど、なぜ、どんな気持ちでそんなことを考えるのかはとても理解できた。
意外だったのは、結果よりもプロセスやメンタル面を重視していること。
でもそれは彼の考え方としてはぶれていないとも思う。
目標を定めて、着実に「今」できる練習を積み重ね、万全の状態でスタート地点に立ち、あとは42kmを走るだけ。
1番にもの凄くこだわっているというのも面白かった。
小学校のとき徒競走で負けた翌日から、毎日手のひらに「1番」と書いて学校に行っていた。
1番の駐車場が空いていたら1番に停めるし、1番のロッカーが空いていたらそこを使う。
1番が埋まっていたら、11番、それがダメなら111番。。。
1という数字へのこだわりもさることながら「1番」という言い方が印象的。
東京オリンピック後のインタビューで「6番だったけど、、、」という発言をしているのを見て、普通「6位」って言うけど、何か可愛らしいなと思ったのを憶えているが、こうしたこだわりを読むと、根源的に純粋でがむしゃらな競争心が潜むが故の言葉なのだなと思った。
MGCで佐藤悠基に給水ボトルを渡したシーンはリアルタイムでも観ており、感動ものだったが、実は2018年のシカゴマラソンで日本記録を出したときに、同じことを同僚のモー・ファラーにされていたという事実を知り、そのありがたみを自然に自分の中に取り込み、とっさに高校時代の先輩に対して行えるというのは、出来そうで出来ないことで、心の柔軟さも感じた。
さて、もう間もなく、彼がGMOインターネットグループの一員として参画するニューイヤー駅伝が開催される。
MGCの関係で出場が決まっている中での東日本予選でのGMOの気の抜けた走りっぷりは目に余るものもあったが、近年の大迫の参画、村山、小野の移籍、島津、ムルワの新戦力加入と株式会社青山学院のような状況も緩和されてきており、どんな本気の走りを見せてくれるのか楽しみなところ。
ブクログもかつてGMO傘下でしたよね。
何となく縁があると、応援したくなります。投稿日:2023.12.30
現役を退いたあとは指導者への道を思い描いてるとのことだけど、きっと「物言わぬ鬼コーチ・鬼監督」になっていそう。もちろんその鬼自身がかつて、誰よりも自分自身への鬼となって、限界まで我慢し尽くすストイック…な日々を生き延びてきたからこその。
「スタートラインに立った達成感」というフレーズが自分にはいちばん響いた。目標を達成できないのは、ゴール以前にまずスタートを目指さなきゃ駄目だからなんだと痛感。アスリートにかぎらずきちんと結果を出せている人たちは、きっと準備し尽くして臨んでいるんだろう。今からでも見習わなきゃ。
【まとめ】
Q1. 「走って、悩んで、見つけたこと」は何?
A1. 走ることで悩んで、それを解決するのも走り続けることのうちにしかなかった。目指すゴールへと自分を導くためには、そこに至るまでのプロセス、練習の日々が大切。けっきょくどれだけ無駄なことを省き、ハードなトレーニングを毎日集中して続けられるか。つねに一人の時間を大切にして走り続けることで、それが正解かはわからないけど、答えはいつも見つかってきた。
Q2. どうしても練習したくない日はどうすればいい?
A2. したい、したくないではなくて、必要か必要じゃないかで考える。やらない理由は探さなくても簡単に見つかるもの。だからやらない理由よりも、やるべき理由をつねに探して積み重ねる。やらない理由を排除したら、やるしかないこと、やらなきゃいけないことだけが残る。そうやって意志を持って、物事をシンプルに、シンプルに、まっすぐに尖らせていくことを心がける。
Q3. もう無理!と思うレースの終盤、どうやって粘りの走りをする?
A3. もう無理!と思わなければいい。無理と思ったらそれは自分が諦めているということ。無理というネガティブなワードをポジティブなワードに置き換える。たとえば、どうやって残りのキロ数を走り切るかとか、これくらいのきつさだったら練習でもあったなとか、なるべく自分ができること、できたことをイメージするようにする。
【キーワード】
・スタートラインに立つ
・余計なものを省いてシンプルに考える
・けっきょく練習の中でしか自信は戻ってこない
・いちばん辛い時期をいかに我慢できるか
・自分の感覚は当てにならない
・小さな妥協の積み重ねでできたギャップは埋められない
・きつさを分割して「今」に集中する
・どんなときでも意志を強く持つ
・無駄を省いて必要なものだけで自分の身を固める
・やらない理由/やるべき理由
・辛いときこそ前を見るのではなく、下を見て一歩いっぽ進む
・言い訳をしない、自分で決める、責任をもつ
・泥臭く走り続けることでしか強さは手に入らない
・シンプルに、できた/できなかった、やった/やらなかったで判断する
・まず大きな目標を立てる、ひとつひとつの決断はその理由がすべて最終的な目標とつながっていることが大切
・故障なく練習をする
・距離に対してリスペクトをもつ
・自分は強いと言い聞かせる
【目次】
はじめに
自分の道を選ぶこと。
マラソンを走るということ。
どんな結果も受け止めること。
コラム リカバリー&睡眠について。
環境が変わっても生き残る力を持つこと。
「今」を積み重ねること。
意志を持ち続けること。
コラム 食事について。
ライバルをリスペクトすること。
コラム ウエイトトレーニングについて。
不安をコントロールすること。
言い訳をしないこと。
目標を立てること。
コラム 1番にこだわる。
子供たちに伝えたいこと。
大人たちに伝えたいこと。
コラム 「42.195km」との付き合い方。
おわりに 走って、悩んで、見つけたこと。
大迫傑に学ぶ Q&A みんなの疑問に答えます!続きを読む投稿日:2023.07.25
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。