労働者の味方をやめた世界の左派政党
吉松崇(著)
/PHP新書
作品情報
フランスでの燃料税増税への反対デモ「黄色いベスト運動」のように、いま世界中で政治への不満が高まっている。その背景として、世界の政党の大きな変容が挙げられる。かつて左派といえば、労働者の権利を守る集団だった。だが現在の左派政党は労働者の味方であることをやめ、エリートのための政党に変容している。折しも日本でも現在、消費税増税と移民受け入れという労働者の賃金と消費を下げる政策が進行中だ。この絶望を回避する道はあるのか? 『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティの政治分析をヒントに、21世紀の労働者を救う道を探る。 【目次より】●第一章 ピケティの政治分析から見た政党の変質 ●第二章 「弱者」のための政党が消えた日本 ●第三章 移民の政治経済学 ●第四章 マクロン大統領とフランスの危機 ●第五章 ブレグジットとイギリスの行方 ●第六章 アメリカ二大政党の将来を読む ●第七章 EU難民問題――日本への教訓
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 労働者の味方をやめた世界の左派政党
- 著者
- 吉松崇
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 2019.07.12
- Reader Store発売日
- 2019.07.13
- ファイルサイズ
- 16.9MB
- ページ数
- 240ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
経済から見ため政治の本であるが、日本の政治の現状を説明するのに実に説得力がある。
確かにナショナリストであるはずの安倍政権が「低所得者に優しい」政策や外国人労働者の「事実上の移民政策」を実行しているこ…とは常々感じていたし、世界で右翼と左翼の分類が混乱してきていることも皆が指摘している通りである。本書の考察はその政治の現実を整合的に説明できている。
本書の世界の左派政党が「知的エリートの党」へと変質したとの認識や「リベラル知的エリートへの労働者層の反乱」との視点は実に秀逸である。
しかし、最終章の「日本への教訓」の金融政策の評価についてはちょっと粗くて賛同しかねると思えた。続きを読む投稿日:2019.11.19
左派政党の支持層が都市部の知的エリートになった結果、アイデンティティポリティックスに重きが置かれるようになった。格差が広がっているのにも関わらず、もはや左派政党は低所得の労働者の味方ではなく、再分配に…興味をもたない。そして、いわゆるポピュリストが、空白になった低所得労働者から支持を受けて台頭してきた。これは、本書のベースなったピケティの政治分析だが、とても納得感が高い。
これをベースにマクロ経済的な観点から、移民問題、金融政策、財政政策などに焦点を当て、日本、アメリカ、イギリス、EUの政治・経済をきわめてクリアに解説している。
日本については、アベノミクスは金融緩和のみ支持。結果的に、安倍政権は低所得者にやさしかったと評価。ただ消費税増税は最悪で、これに加担しいまだに緊縮路線を唱える旧民主党勢もダメ。また、安易な外国人労働者受け入れも、賃金に下落圧力がかかるため、批判的。これらは、個人的にも納得がいく評価だ。
ドイツだけが得するEUの通貨制度への批判も、勉強になった。もういっそ、ギリシアとかイタリアとかも離脱したほうがいいんじゃないかと思わせるものだった。
移民受入についてのマクロ経済面での指摘も、読みどころだろう。当たり前だが、移民受入は、単純労働者について賃金下降圧力が生まれる。資本家や経営者にとってメリットが大きく、一方で低賃金労働者にとって死活問題につながりかねない。受け入れの社会的コストは、国民全員にかかることを考えると、受け入れの判断は慎重にする必要があるだろう。個人的には、今の日本の移民政策は最低だと思うが、ここで書かれいている意見は賛成できる。
しかし、あらためて、マクロ経済がわからないと、政治の良しあしは判断しにくいと感じた。ただ、このレベルの知識が有権者全般に広く共有されることは、まあまず無理だろうなあ……。続きを読む投稿日:2020.03.09
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。