水曜日の凱歌(新潮文庫)
乃南アサ(著)
/新潮文庫
作品情報
昭和20年8月15日水曜日。戦争が終わったその日は、女たちの戦いが幕を開けた日。世界のすべてが反転してしまった日――。14歳の鈴子は、進駐軍相手の特殊慰安施設で通訳として働くことになった母とともに各地を転々とする。苦しみながら春を売る女たち。したたかに女の生を生き直す母。変わり果てた姿で再会するお友だち。多感な少女が見つめる、もうひとつの戦後を描いた感動の長編小説。
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商品情報
- シリーズ
- 水曜日の凱歌(新潮文庫)
- 著者
- 乃南アサ
- 出版社
- 新潮社
- 掲載誌・レーベル
- 新潮文庫
- 書籍発売日
- 2018.08.01
- Reader Store発売日
- 2019.01.18
- ファイルサイズ
- 1.3MB
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この作品のレビュー
平均 4.3 (42件のレビュー)
-
昭和20年8月15日水曜日。その日誕生日でもあった鈴子は、母と敗戦を迎える。
戦争は、彼女達から多くを奪って終わった。そして、敗戦は、若い多くの女性たちに新しい苦難を与える。
戦後、RAA(特殊慰安施…設協会)が設立され、若い女性達が、一般女性の防波堤として集められていく。彼女達は、自分や家族の生活の為、仕事として受け入れる。
鈴子の母親は、夫を事故で亡くし息子達を戦争に取られ、生きていく為、RAAでの通訳の仕事を得る。
RAAを近くで見た鈴子が、見聞きして理解した戦後を描く。辛い箇所はあるけれど、中学生くらいから読めるのではと思う。
鈴子は、それと共に彼女のお母さまの変貌を見てきた。戦前、妻と母親であったお母さまは、生活の為、好きだった英語を武器に通訳として、働く。娘に「自分で生きる力をつけなさい。」と教育を与える。その変化に戸惑い反発もするが、戦後を生き抜こうとする女性たちも立ち上がり始める。
多くの犠牲と労苦の上に今があるんですね。続きを読む投稿日:2022.10.18
このレビューはネタバレを含みます
戦後のRAAについて、史実をもとにした小説。
レビューの続きを読む
主人公は14歳の少女。
元は7人家族だったが、兄は戦死、姉は空爆で爆死。
まだ小さかった妹は、空襲から逃げる最中、行方不明になってしまった。
主人公は、残…された母と2人で、戦後の混乱期を生き抜いていく。
母は、RAAに通訳として雇われる。
RAAの施設に居住するから、嫌でもRAAの事情を間近に見てしまう。
空襲の被害にあい、たくさんの悲惨な死体を見てきた主人公は、これ以上、心が傷つくことはないと思っていたが、RAAの悲劇、理不尽さに心が少しずつ蝕まれていく。
特に母が、アメリカ人の将校と付き合い出したことには強く反発する。
ついこの前まで敵だった国の人、家族を死に追いやった国の人となぜ付き合えるのか、主人公は理解できない。
そうでもしないと生きていけない時代だったということは、14歳の主人公にはまだ理解できない。
特に戦争が始まる前までは、わりと裕福な家だったから、どんどん変わっていく母に戸惑うのだろうと思う。
しかし、価値観も生活スタイルも何もかも変わっていかないと、こんな混乱期に生き抜いていくのは難しかったのだろうと思う。
幕末から明治への変革期、そして、戦後の混乱期、時代に合わせて素早く変わっていくことは日本人に身についている賢さなのかもしれない。
生きていくたために、家族のために、アメリカ兵と付き合い出した主人公の母、RAAでアメリカ人を相手に身体を売る女性、パンパンになった女性。
誰が彼女たちを責めることができるだろうか。
全ては戦争、国家、激しく移り変わる時代の混乱期の犠牲になった女性たち。
そして、そういう女性たちの悲しみの上に、今日の平和が成り立っている。続きを読む投稿日:2022.11.08
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