- 最終巻
国宝(下) 花道篇
吉田 修一(著者)
/朝日新聞出版
作品情報
鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある。
芝居だけに生きてきた男たち。
その命を賭してなお、
見果てぬ夢を追い求めていく。
今年最高の感動を届ける役者一門の大河小説
(あらすじ)
1964年1月1日 長崎は料亭「花丸」
侠客たちの怒号と悲鳴が飛び交うなかで、
この国の宝となる役者は生まれた。
男の名は、立花喜久雄
極道の一門に生まれながらも、この世ならざる美貌は人々を巻き込み、
喜久雄の人生を思わぬ域にまで連れ出していく。
舞台は長崎から大阪、そして、オリンピック後の東京へ。
日本の成長と歩を合わせるように、技をみがき、道を究めようともがく男たち。
血族との深い絆と軋み、スキャンダルと栄光、幾重もの信頼と裏切り。
舞台、映画、テレビと芸能界の転換期を駆け抜け、数多の歓喜と絶望を享受しながら、
その頂点に登りつめた先に、何が見えるのか?
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 4.4 (105件のレビュー)
-
15の時から兄弟同様に育った喜久雄と俊介。
役者が親兄弟の死に目にもあえないというのは、本当のことでした。
その他に枝葉末節、その他の登場人物たちの話も大変読ませる物語でした。
歌舞伎を一度も観たこと…がない私でも、何度も歌舞伎を観たような気持ちになる文章の巧さでした。
以下途中までのストーリー。
山陰の温泉街で芝居をしていた俊介がみつかりました。
春江と、三歳の男の子一豊も一緒でした。
そして、明治座で復帰公演が行われます。
喜久雄は芸妓の市駒との間に綾乃という娘もいて、認知もしていますが、後ろ盾鵜を得るために、歌舞伎役者、吾妻千五郎の娘の彰子と結婚します。
喜久雄も俊介もそれぞれの活躍のあと、『源氏物語』で共演し大ヒットとなります。
そして一番の事件と言えば、俊介の右足、左足が順に壊死。両足共に切断。
「喜久ちゃん。もうあかん…。悔しいけどここまでや」
「俊ぼん、旦那さんは最後の最後まで舞台に立ってたよ」
芸事を極めることの執念の凄まじさをみました。続きを読む投稿日:2020.06.29
さあ、これは感想が大変。物語が幕を閉じても、しばらくポカン。人間国宝の人間ならぬ名演に、さざなみのように興奮が湧き起こってくる。
濃厚な人間関係によって構築された作品なのに、主演男優だけが脱け出して…独り歩きしていく。作中の表現をお借りすれば「狭い水槽の中の錦鯉」とか。枠に収まるはずがない。待てとも、待ってくれるなとも言えないもどかしさすら覚える。
私のような芸事に暗い凡人にすら、この非凡な世界を親しみやすく描いてくれている。吉田修一さんの筆力も尋常でない。インタビューを検索したら、実際に歌舞伎の舞台にまで上がられたとのこと。舞台側からの空気に鋭い緊張感が走っているのはこのためか。観客席からでは推し量れない重圧が、私でも容易に想像できた。
──生前、先代はよく言っておりました。女形というのは、男が女を真似るのではなく、男がいったん女に化けて、その女を脱ぎ去った後に残る形であると。とすれば、化けた女を脱ぎ去った後は、まさに空っぽなのでございます─
これから歌舞伎を楽しむにあたって、これぞ追っかけの見どころ。
「空っぽ」という境地まで登り詰めた千両役者。もはや役者は仕事ではなく、性分だという。無論それは捨てられるはずもない。国宝に至った人間がまさに「空っぽ」の入れ物、モノに変わってしまった瞬間を目撃できたんだと感じられた。
これぞ金輪際現れない無敵のアイドル。
そんな言葉しか浮かばない。語彙不足。続きを読む投稿日:2024.02.06
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