絶対、世界が「日本化」する15の理由
日下公人(著)
/PHP研究所
作品情報
いま世界の国々が頼りにしているリーダーは誰か? 中国・韓国・北朝鮮からの脅しに対して日本はどう対処すればよいか? なぜ世界の人々は日本の「文化力」に魅了されるのか? 白人が世界を支配しルールを決めた「帝国主義」の時代は終わり、日本の世紀がやってくる。世界各国は、移民問題、貧富の格差、宗教対立など、さまざまな「内臓病」を抱えており、日本に助けてもらいたがっている。軍事力や「歴史戦」で日本を脅す中国・韓国・北朝鮮の勢いもやがて止まる。日本には、世界の国々が抱える「内臓病」はほとんどない。あらゆる問題に対処する選択肢も力もある。付き合う国も、こちらが選んで決めればよい。「日本文化圏」「日本精神圏」が誕生するかもしれない。そして、いよいよ世界の「日本化」が始まる――。なぜ、そうなるのか? 答えは本書の中にある! 未来予測の大家が15の具体的理由を挙げながら展望する、2018年の日本と世界の動向。
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商品情報
- シリーズ
- 絶対、世界が「日本化」する15の理由
- 著者
- 日下公人
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2018.03.01
- Reader Store発売日
- 2018.03.23
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
-
この数十年間、新作が発表されるたびに読み続けている著者の一人である、日下氏による最新作(2018.3現在)です。かねてから日下氏は著作の中で、日本が一番先に多くの事を経験しているので、それを他の国が追…いかけることになるだろう、と書かれてきましたが、それらの内容を集大成したような本がこれになると思います。
そろそろ彼も今までの意見を集約したような本を出してきているような気がします。「日本化」する理由を、7章(7つの視点)から解説して、章の最後に結論として理由を2~3つ述べる形で構成されています。
西洋文明と東洋文明の興隆は過去を見ると数百年で交代しているという本を以前読んだことがありますが、21世紀がその準備期間と考えると、その形を先取りしていくのが日本になるということでしょうか、これを正確に検証できるのは数百年後の研究者かもしれませんが、その始まりに私たちが立ち会っているとすれば楽しいものですね。あと彼の著作も何冊読めるかわかりませんが、私の残りの社会人生活の間、彼の著作からより多くの事を学びたいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・安倍、トランプ両首脳の連携は、中国が難色を示していた北朝鮮への原油、石油製品に対する輸出上限を初めて設定できた、国連安保理の決議につながった。それに先立って、ウラジオストクでロシアとプーチン大統領と会談していて、協調を促していた、日本が米ロ両国の間に立って国際的な役割を果たしたのは、戦後初である(p25)
・1990年代のクリントン政権から株主利益が急上昇し、21世紀になると大企業500社の純利益の9割以上が株主が獲得、オバマ政権の最後の2年間は100%になった(p33)
・2002年に日本が駐留軍に対しての負担割合は、74.5%、サウジアラビア(64.8)、韓国(40)、ドイツ(32.6)を大きく上回る(p43)
・安倍首相の地球儀外交の成果で、中国・北朝鮮・ロシアなどを除けば、世界が日本の平和と繁栄に学びたがっている、日本の貿易黒字が続いていることが証明している(理由1)(p46)
・安倍氏は、2007年にインド訪問にて、東京裁判でインド代表をつとめた、パール判事の長男と面会している、パール判事は戦勝国が事後法による敗戦国を裁くことに重大な疑義を呈して、日本人被告全員の無罪を主張した国際法の権威である(p57)
・1890年に、ウーンデッド・ニーが殺害されたことで、インディアン諸部族の抵抗は終息した、1887年のドーズ法により20世紀初頭には解体された(p65)
・19世紀末までは、ハワイは「ハワイ王国」という独立国家であった、明治初年、最初に治外法権の撤廃を約束してくれ、日本からの移民も受け入れてくれた国(p72)
・米政府が、ハワイ王国領について不法に接収、利用してきた過去10年分として、150億円の用地借り上げ料を支払い、福利厚生に充てる「歴史への償い」を明らかにしたのは、併合100年後の1993年である(p80)
・バーニーサンダースがヒラリークリントンに対して46%もの票を獲得したのは、予備選に参加した白人の民主党員の6割が彼に投票したから(p86)
・白人の18歳未満の若年人口は2020年には5割をきる、2044年には多数派ではなくなる(p86)
・トルデシリヤス条約(1494)、サラゴザ(1529)により、日本列島は、近畿地方以北はスペイン領、以南の中国四国、九州はポルトガル領とされた(p101)
・スペインによる南米の植民地政策は、エンコミエンダと呼ばれ、新大陸の先住民に関する権利と義務をスペイン国王の主権のもとに特定の植民者に信託することを指した、権利は先住民に対する徴税権、義務は先住民を保護し、キリスト教に改宗させること(p102)
・アフリカでは、産業革命の進行と、奴隷制度の廃止によって、工業生産のための原料供給地と製品市場の両方を兼ねる植民地として考えられるようになった(p106)
・1)白人は略奪主義、2)キリスト教はそれを正当化する道具、3)この400年間に何が行われたか、この3点を書き切るだけでも世界史は違ったものになる(p127)
・ウェストファリア条約(1648)とは、原則として他の領地の宗教に口出ししてはならない、がポイントで、その結果、国家間の戦争で宗教が表立つことはなくなった(p128)
・一方だけに傾かない神仏習合になっていたのが日本、その始まりは、神社に付属して置かれた寺院である「神宮寺」の誕生で、奈良時代の氣比神宮寺が所見とされる、聖武天皇が大仏造営を発願、その成就を祈って742年に伊勢へ行幸したとき、天照大神は日輪であり、大日如来(廬舎那仏)にほかならないから、というのが、本地垂迹説(神仏習合)の始まりである(p143)
・貴族階級は没落、下層階級が上昇した基盤として、遠距離貿易の利益があって、その通商ルートを押さえていたアラブ人に対して白人が武力で勝利したという改革があった(p147)
・日本が文明開化時に持たざる国であったのは、蒸気機関・大砲・侵略思想であった(p148)
・アメリカは中世には価値を認められない(欧州を捨てた自分たちを否定する)ので、古代ギリシアに根拠を求めた(p150)
・昭和14年7月の国民徴用令公布により、20歳以上の頑健な男子が対象(160万人)、昭和19年から学徒動員で中学2年以上、昭和20年からは小学生も男女問わず、工場や農業労働へ動員された(p188)
・ギリシア語、ラテン語、フランス語が国際語として使われたのは、それらの国が豊かだったから(p236)
・専門会話の能力には実力が必要である、日本の何を発信するかという中身が問題(p238)
・禅問答とは、直接には答えず、当人が愚問を愚問と自得するように動作や仕種、たとえ話でわからせる。文章の情報伝達力には限界がある(p240)
2018年3月18日作成続きを読む投稿日:2018.03.11
2018/10/12:読了
西欧の限界が見えているのはそうだし、日本の歩んできた歴史は、西洋の道とは違うのもそう思う。
でも、シンゾーがのところは、いらんだろうと思う。日本の総意を、シンゾーが実施…しているところもあるだろうけど、それにしても、背後の筋が悪すぎて...
最後のページの理由15なんかひどすぎる。
帝国主義の時代を終わらせるのは日本しかない...と世界はすでに気づいている。安倍首相が身につけた成蹊大学の精神は帝国主義とは反対の考えで、すでに世界を動かしている。
理由を15にするために、最後のページに、これの数行を入れ込む意味って、何なのだろう??
続きを読む投稿日:2018.10.16
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