なぜこの国ではおかしな議論がまかり通るのか メディアのウソに騙されるな、これが日本の真の実力だ
高橋洋一(著者)
/KADOKAWA
作品情報
経済問題から国際・国内政治まで、この国の議論はその多くが間違っていて、しかも、いつの間にかそれが「常識」になっている、と著者はいう。そうした議論をいくら戦わせても、不毛な結論が出るだけだ。なぜ、この国では間違ったニュースがあたかも正論のように報じられるのか? その構造的な問題を明らかにしながら、正しく未来を予測するための理論と数字の使い方を、本書では明らかにする。そして、その理論を使って未来を予測したとき、日本の将来はどうなるのか? いま最も予測が当たるといわれる著者が明らかにする、2020年の日本と世界の読み解き方。
もっとみる
商品情報
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.5 (2件のレビュー)
-
本日は2018年(平成30年)5月1日、来年の今日には、新元号元年を迎えていることでしょう。平成は30年続いたことになりそうですが、果たしてどんな時代だったのでしょう。そして、この次の時代は平成と比較…してどのようになるのでしょうか。昭和から平成の移り変わりは、私は大学を卒業してから社会人になることろだったので覚えていますが、平成になって、明らかに日本経済を覆っていたバブルモードが変わった時代だと思います。
その前の時代は歴史を勉強することで予想するしかないのですが、大正天皇は、大正15年の年末に崩御されたので事実上の昭和の始まりは昭和2年となりますが、有名な昭和恐慌が起きています。その前は、江戸から明治時代になるときですから、すごい変化を経験しています。
これから類推されることは、次の時代になったらすぐにでも、多くの、そして大きな変化が起きることです。天変地異が先か、地域紛争が大きくなるのが先か、更には、どこかの国の経済がおかしくなるのが先かわかりませんが、日本もそれらに少なからず影響を受けることになると思います。
さて前置きが長くなりましたが、日本で(アメリカもそのような感じがありますが)メディアが報道する内容は、少しおかしいなという部分があります。それを明確に、一次データを確認して本にしてくれているのが、この本の著者の高橋氏で、元大蔵省の官僚でもあることから、政府の事情もよくご存知です。
日本国債が多くなって日本は破綻するという議論は、少なくとも私が社会人になった時位から行われています。これに対して、明確に根拠をしめして反論している数少ない有識者であると思っています。この本では、日本の真の実力というものを、彼なりに解釈しています。どの国にも問題点はあり改善する部分はあると思いますが、日本の若者には夢をもって、来年以降に始まる新しい時代を生きて行ってほしいと思いました。
以下は気になったポイントです。
・森友学園問題は、最初から競争入札にしておけば価格の妥当性も問題にはならず、価格公表も入札時に終わっていたはず。だが財務局は法律の範囲ではないので、自分たちでつくった政令に基づいて事後処理をしたので、そこから始まっている(p19)
・大学による学部の認可申請と、文科省による学部の認可を混乱してはならない、大学の学部認可とは、行政法では「運転免許」のようなもの、学部認可の「申請」は、いわば自動車学校への入学と同じ、入学したからといって免許合格は保証されていない、合格を見極めて発行する権限は文科省にある(p25)
・法の世界には、「否定する者には、挙証責任はない」という格言がある。「ない」ことを証明するのは困難だから、なので「やっていない」という相手に「証拠を示せ」と迫るのは、無謀である。「やった」という確かな証拠を見つけ出し、その事実をもって問うべきである(p28)
・世界の中央銀行は、景気や雇用にも事実上の責任を持っている、FRBには失業率目標がある(p35)
・同盟関係を結ぶ基本的な考え方は、敵にすると一番怖い相手と組む、ということ。第二次世界大戦後、2007年までに38の戦争が起きたが、アジア地域での戦争に最も長期に渡って関与した国がアメリカである(p51)
・日米安保を締結し、国内の基地に米軍駐留を認めている時点で、日本は集団的自衛権を行使していると世界からは思われている(p52)
・ノーベル経済賞を受賞した、スティグリッツ氏(2017.3/14)は、国の「債務」は国の「資産」とグロスで考えなさい、と言ったし、もっと端的に言えば「財政再建の必要はないし、消費増税もやめなさい」ということ。(p65)
・経済関連でとくに重要なのは、財務省と日銀、記者クラブは財務省が「財政研究会」、日銀が「日銀クラブ」と呼ばれていて、大手新聞の経済記者にとっては幹部への登竜門ともいわれる(p74)
・メディアが事実をきちんと伝えられない原因は、1)日刊新聞紙法(日本の新聞社が他企業から買収されない、商法の適用除外)、2)再販規制、3)軽減税率、4)国有地低廉売却、がある(p83、85)
・電波オークションが実施されれば、総務省がテレビ局に睨みをきかせる、テレビ局にとっては既得権を守る、がなくなってしまう(p88)
・最初の就職がうまくいくかどうかは、その後の人生を決める大問題である(p95)
・時間がない、という言葉は、時間の使い方がうまくない、という意味でしかない(p124)
・パレートの法則によれば、2時間で80%の成果が出たならば、残る20%を獲得して成果を100%にするには、さらに8時間を費やさなければならない、ということ、80%から先の部分は、そもそも自分の力量が足りないから未完成、だから早くパスを出して、パートナー・第三者の知恵を借りた方がいい、これがサッカースタイルの仕事(p129、130)
・実際に、2016年12月に経済産業省は、AIに国会答弁を下書きさせる実証実験を始めた、過去5年間分の議事録を読ませて、質問に対して過去の問答内容を踏まえて答弁できるかを検証してきた、これにより徹夜をすることがなくなったと述べている(p134)
・感性に基づいた仕事については、コンピュータの代替確率が低い、AIにはできない仕事を少ない人口でやっていくことになる(p137)
・ネット負債では、日本は465兆円(2016年)でGDP比は、87%、アメリカは104%、中央銀行も含めた統合政府でみれば、日本は169兆円で32%、アメリカは87%、この傾向は20年近く一貫している(p162)
・年金の場合のバランスシートの負債相当部分は、給付額(年金債務)で、資産に相当するのが、徴収する「保険料」となる、年金債務:2030兆円に対して、将来保険料:1470兆、国庫負担390、積立金170兆円となる(p175)
2018年5月3日作成続きを読む投稿日:2018.05.01
高橋先生の論がコンパクトにまとまっている。
数字が物語る日本の可能性。
だが、それが正鵠を射ているとして、だからこそというか、それを利用するというか、悪い方へ導こうとする力が強い。
つか、現場が有能過…ぎて、上部の愚策を切り抜け続けた挙句に壊滅に追い込まれた旧日本陸海軍に重ねわせられるようで気持ち悪い。続きを読む投稿日:2018.11.14
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。