- 最新巻
女王(下)
連城三紀彦(著)
/講談社文庫
作品情報
古代史研究家であった妻、加奈子から、父の日記を手渡された荻葉史郎。父の春生は「自分はまちがいなく南北朝の末期にも生きていた」と記し、また、燃えさかる炎のような瞳をもつ女王、卑弥呼のもとにいたことをも詳細に記録していた。壮大な歴史の渦に呑み込まれた父と息子の軌跡を描く、連城ミステリーの精華。巻末に連城三紀彦「最後のインタビュー」も収録。
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商品情報
- シリーズ
- 女王
- 著者
- 連城三紀彦
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2017.10.13
- Reader Store発売日
- 2017.11.10
- ファイルサイズ
- 1.2MB
- ページ数
- 336ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 3.5 (5件のレビュー)
-
連城三紀彦は短編がいいという人が多いように思うが、自分としては連城三紀彦の長編にある、独特の何とも言えない読みにくさに妙な魅力を感じている。
そのアクの魅力ときたら、『戻り川心中』でさえ、何か物足りな…い気持ちにさせるほどだ。
あと、連城三紀彦というと、文章が美しいみたいに言われるけど、自分はあまりそう思わないんだよなぁ~w
確かに、最近は、とにかく文章を短くブツ切りにして、とにかく読みやすい(読みやすすぎる?)文章の小説が多いんで。それと比べると、著者の個性やこだわりが感じられるところはいいと思うんだけど、ただ、それにしても飾りすぎてないかい?とw
特に、この『女王』は所々、表現が凝りすぎちゃって。ぶっちゃけ、読んでいて面倒くさくなった(爆)
それは、著者の頭の中ではイメージ出来る表現なんだろうなとは思う。
でも、ヒマつぶしで本を読んでいる自分のようなのからすると、馬の耳に念仏でしかないんだよなぁ~w
あの凝りまくった表現は、短編でここぞという時に一発ビシッとやってこそ映えるってもんなんじゃないのかと思う。
例えば、著者は三章の最後、カーテンを引いた後の雪景色のシーンみたいに。さらっとストレートな描写なのに、でも、窓の外に広がる雪の風景に思わず圧倒されちゃうくらい、文章を書く才能があるわけだ。
なら、牽制に変化球を投げるような、あの凝った表現をやめてシンプルにしていたら50ページくらい減ってw
そうなれば、「長すぎる」とか「冗長」という数々の悪評は、もっと少なくなってたんじゃない?なんて(笑)
とはいえ、自分の人生の終わりが見えていた時だけに、思う存分好き放題書きたかったのかなぁ…とも思う。
ほぼひと月半かかって読み終わった本wだけど、読み終わってみると、変に名残惜しい。
読み始めては3行で寝ちゃうの繰り返しだったけど、読んでいて不思議な心地よさがあって。読み終わってしまった今、すぐには別の本が読めないくらいだ。
つまりだ。
★が4つだからって、それはあくまでそういうファンの評価ということだ。
ファンじゃない人からしたら、★は2つか、出血大サービスで3つが適当だと思う。
つまり、それくらい書いておくと、大幅にハードルが下がって。
読んだ後、「そんなに悪くないと思うけどな」と、評価が上がるかもしれない。
あくまで、そういうタイプの本だ。
間違っても、壮大な歴史ミステリーとか、連城流邪馬台国の謎を解く、みたいなことを期待してはいけない(笑)続きを読む投稿日:2019.08.03
連城三紀彦の長篇ミステリ作『女王〈上〉〈下〉』を読みました。
久し振りにミステリを読みたくなったんですよね… 連城三紀彦の作品はアンソロジー作品『鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50』に収録されていた『消え…た新幹線』以来なので、約1年振りですね。
-----story-------------
時空を超える、連城ミステリーの傑作。
南朝の天皇に仕えた男。
炎の瞳をもつ古代の女王。
謎がちりばめられたノート。
すべてをつなぐ、唯一の答とは。
〈上〉
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶。
だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と会っていたことを。
一方、史郎の祖父・祇介は、大晦日の夜にかかってきた一本の電話を受け、急遽旅に出た後、遺体となって発見された。
邪馬台国研究に生涯を捧げた古代史研究家であった祇介が、吉野へ向かい若狭で死んだのはなぜなのか。
瓜木は史郎と彼の妻・加奈子とともに奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅に出た。
〈下〉
代史研究家であった妻、加奈子から、父の日記を手渡された荻葉史郎。
父の春生は「自分はまちがいなく南北朝の末期にも生きていた」と記し、また、燃えさかる炎のような瞳をもつ女王、卑弥呼のもとにいたことをも詳細に記録していた。
壮大な歴史の渦に呑み込まれた父と息子の軌跡を描く、連城ミステリーの精華。
巻末に連城三紀彦「最後のインタビュー」も収録。
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1998年(平成10年)に講談社発行の月刊小説誌『小説現代』に連載され、著者の死後の2014年(平成26年)に刊行された作品です。
■序章
■一章
■二章
■三章
■終章
■解説 香山二三郎
■特別収録〈対談〉
「連城三紀彦の素顔と『女王』の魅力」 田中芳樹×香山二三郎
■特別収録〈最後のインタビュー「わが人生最高の10冊」〉
「男と女の物語」に魅せられた作家生活 連城三紀彦
戦後生まれの荻葉史郎の中にある東京大空襲の記憶… だが彼を診察した精神科医・瓜木は思い出す、空襲の最中にこの男と出会っていたことを、、、
一方、史郎の祖父・祇介は旅先で遺体となって発見された… 邪馬台国研究に生涯を捧げた学者の祖父は、なぜ吉野へ向かい、若狭で死んだのか? 瓜木は史郎と彼の妻・加奈子と共に奇妙な記憶と不審な死の真相を探る旅へ。
だが彼らに立ちはだかったのは、魏志倭人伝に秘められた邪馬台国の謎!?
東京大空襲、関東大震災、南北朝時代、そして邪馬台国… ある男の奇妙な記憶と、女の告白、ひとりの老人の不審死が壮大な歴史の謎へと導く、、、
衝撃の展開、男女の情愛…… 連城ミステリのすべてが織り込まれた傑作!
この物語は読者をどこへ連れて行くんだろう!? と感じさせる序章が印象に残りましたねー 邪馬台国(卑弥呼)、南北朝、関東大震災、東京大空襲、そして現代と、時を超えた歴史ミステリでしたね、、、
タイムトラベルが出てくるSF作品になっちゃうんじゃないかと思わせるような序盤の展開からは想像できない合理的な答えが導かれるミステリ作品… 『魏志倭人伝』に記された邪馬台国の所在地(九州説or畿内説)や「水行十日陸行一月」という邪馬台国への距離についての著者なりの答えも用意されており、歴史好きにも堪らない作品に仕上がっていると思いますね。
ミステリであり、邪馬台国に憑かれた者たちの妄執なドラマであり、男女の情念を描いた物語でした、、、
そして『特別収録〈最後のインタビュー「わが人生最高の10冊」〉 「男と女の物語」に魅せられた作家生活 連城三紀彦』に紹介されていた作品も気になりました… ほとんどが読んだことのない作品なので、機会があれば読んでみたいです。
<連城三紀彦のベスト10>
1位 『ローマの女』 アルベルト・モラヴィア
2位 『一年ののち』 サガン
3位 『棺の花・那智滝情死考』 水上勉
4位 『モデラート・カンタービレ』 マルグリット・デュラス
5位 『花影』 大岡昇平
6位 『寝台車の殺人者』 セバスチアン・ジャプリゾ
7位 『射程』 井上靖
8位 『美は乱調にあり』 瀬戸内寂聴
9位 『野生の棕櫚』 フォークナー
10位 『美しさと哀しみと』 川端康成
<最近読んだ一冊>
『十角館の殺人』 綾辻行人続きを読む投稿日:2022.11.26
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