修養
新渡戸稲造(著者)
/角川ソフィア文庫
作品情報
当代一流の国際人であり教養人だった新渡戸稲造が、未来の日本を担う青年達に向けて記した実践的人生論。自らの経験と深い思想にもとづき、人として生きるうえでの礼節や心構えはもとより、「不向きな職業を選びて失敗した実例」「打ち明けて頼めば反対者も同情する」「名誉を毀損された時の覚悟」「新刊書はいかにして読むか」など、日常のなかでの必要な事例をふまえた啓蒙的内容に富んでいる。百年読み継がれてなお、現代日本人に多くの示唆をあたえる不朽の名著、待望の新訳決定版! 解説/斎藤兆史序総説第一章 青年の特性第二章 青年の立志第三章 職業の選択第四章 決心の継続第五章 勇気の修養第六章 克己の工夫第七章 名誉に対する心がけ第八章 貯蓄第九章 余が実験せる読書法第十章 逆境にある時の心得第十一章 順境にある時の心得第十二章 世渡りの標準第十三章 道第十四章 黙思第十五章 暑中の修養第十六章 暑中休暇後の修養第十七章 迎年の準備
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 修養
- 著者
- 新渡戸稲造
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川ソフィア文庫
- 書籍発売日
- 2017.06.17
- Reader Store発売日
- 2017.06.22
- ファイルサイズ
- 0.8MB
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 5.0 (4件のレビュー)
-
修養とは、教養であり、人を導くための指導者となるべき人間に書かれた書
身と心との健全なる発達を図るのが目的とあります。
気になったことは以下です。
・平素の修養があればこそ、非常の時の覚悟が定まる… 「かかる時さこそ命の惜からめ、かねてなき身と思ひ捨てずば」
・いかに逆境に陥っても、その中に幸福を感じ、感謝の念をもって世を渡ろうとする。それが、僕のここに説かんとする修養法の目的である。
・青年ということは、先のまだ分からない、茫漠たる、青々と発芽した草葉の意味から生まれた言葉である。希望さえあれば、30になっても、60になっても、すなわち、青年というべきである。
・1の使命を果たせば、果たすにしたがって為すべきことが、限りなく現れ来る。いわゆる人間の理想なるものは、限りがなく、それが満足に達せられたという限度はないものである。
・百里に行くものは九十里に半ばす
・孟子 「大人はその赤子の心を失はざる者なり」
・青年は、不要な知識を知る必要はない。ゲーテの「ファウスト」にも、無用の知識を誹りて、「人は知らなくとも善いことを知り、知らねばならぬものを却って知らぬ」
・好きこそ物の上手なれ
・職業の選択が、その嗜好性質に適したものでなければならぬことは明白である。(自分の資質に合う職業を選択すべし)
・発心はやすく、継続はかたし
・ひとつの具体的の仕事をする時、中途で必ず厭になる。最後まで厭気を起こさずに、やり遂げることは極めて少ない。
・西明寺(北条)時頼 「幾たびか思ひ定めて変わるらん、頼むまじきは我心なり」
・徳川家康 「人の一生は重荷を負ふて遠きに行くが如し」
・怠らず行かば千里(ちさと)の外(ほか)も見ん、牛の歩(あゆみ)のよし遅くとも
・発心継続の修養法 発心の継続には発心を記憶せよ
・「ここだな」という観念 いかに些細な事柄を行うにも、おおきな原則を応用するえば、いつしか原則の極意に達する
・小事も原則応用のつもりでやれば興味多し いかにつまらぬように見ゆることでも、継続心の修養という原則に従って行うことであれば、何となく奥行が深いように思われる 原則に従うて行うものは、つまらぬことでも興味ありそうに見える
・末遂に海となるべき山水も、しばし木の葉の下くぐるなり 誠意はいつかはわかってもらえる時がくる
・勇だけあっても成功はできない 「義を見てせざるは勇なき也」 真の勇は徳義を去って存在しない 「仁者は必ず勇あり、勇者かならずしも仁ならず」
・源致雄 命をば、かろきになして、もののふの、道より重き、道あらめやは
・沈勇:たえる勇気 君がため、いとど命のをしきかな、かかる憂目を見せじと思へば
・勇気を修養するものは、進む方の勇ばかりでなく、退いて守る方の沈勇もまたこれを養うように心がけなければならない。両者がそろって、真の勇気がなる
・克己:己にかつ 一遍上人 心をば、心の仇(あだ)と心得て、心のなきを心とは知れ
・大事に処する道は、小事の修養にあり
・西郷南洲(隆盛) 事に臨んで動かず
・一般の人が心を動かすもの 色情、利益、権力、名誉、の4つである
・日本には忠孝よりももっとよい言葉でキリスト教の愛に匹敵するに足る言葉がある、それは、「誠」である。誠は日本古来の言葉である
・人に自分が知られていないことを嘆くより、自分が人のことを知らないことを患う 論語
・頂点に立つよりも、謙遜の念をもってにふもとに住む 水戸黄門 位山登るも苦し老いの身は、ふもとの里ぞ住みよかりける
・憎むとも憎み返すな憎まれて、憎み憎まれはてしなければ 古歌
・不足していると思っていれば足りて、足りていると思うと不足する 事足れば足るに任せて事足らず、足らで事足る身こそ安けれ
・だんだんと善を積むことは、腐るものでないから、いくらでも積める。しかし、またちょっとでも油断すると、とかく消えやすく後戻りしやすい
・咲ざれば桜を人の折らましや、さくらの仇(あだ)はさくらなりけり 世の人の注目を集めてもそれが原因で苦境におちってしまう
・見ればただ何の苦もなき水鳥の、足にひまなき我が思ひかな 人からは楽をしているように見えても本人は非常な努力をしている
・人は逆境に陥ると、とかく冷静に考えないで、前後を忘却し、ただ困る困るといってやけになる。
・逆境に陥った理由を己に求め、今日かく逆境に至ったのは、己にありと観念をきめたなら、人を恨まなくなる
・逆境に陥ったならば、逆境そのものを善用して我が精神の修養に供するがよい
・世人の心というものは、平生得意の場合に互いに飾ってあった心の汚れも、逆境にあうときは、見苦しいまでその本性を表すものである
・油断大敵:人が油断するのは、とかく順境にある時である
・順境の人の警戒すべき危険
①傲慢になりやすい
②仕事を怠りやすい、本も読まなくなる
③恩を忘れやすい
④不平家となりやすい
⑤調子にのりやすい
・人の一生は重荷を負うて遠き道をゆくが如し。急ぐべからず。不自由を常と思えば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思い出すべし。堪忍は無事長久の基。いかりは敵と思え。勝つことばかり知って、負くることをしらざれば、害その身にいたる。おのれを責めて、人を責めるな。及ばざるは過ぎたるよりまされり。徳川家康
・人生禍福の境地は、すべて、おのが心からつくり成すものなる
・明治天皇御製 波風の静かなる日も船人(ふなびと)は、梶に心を許さざらなむ
・処世の根本原因 根本的動機を確定しなければ、目前の問題が起こるごとに常にぐらぐらと動揺してしまう
・弘法大師 あししとも、よしとも、いかに、いいはてん、をりをりかはる人の心を
・この道はこうだということを知っていれば、眼がみえなくても、入る道を間違えない
・道といふ、ことばに迷ふことなかれ、あさゆう、おのが、なすわざと知れ 至道無難禅師
目次
序
総説
第1章 青年の特性
第2章 青年の立志
第3章 職業の選択
第4章 決心の継続
第5章 勇気の修養
第6章 克己の工夫
第7章 名誉に対する心がけ
第8章 貯蓄
第9章 余が実験せる読書法
第10章 逆境にある時の心得
第11章 順境にある時の心得
第12章 世渡りの標準
第13章 道
第14章 黙思
第15章 暑中の修養
第16章 暑中休暇後の修養
第17章 迎年の準備
解説
ISBN:9784044002237
出版社:KADOKAWA
判型:文庫
ページ数:480ページ
定価:1080円(本体)
発売日:2017年06月25日初版発行続きを読む投稿日:2023.08.18
これはいい!何度となく繰り返し読みたい本になった。明治44年、100年以上前に刊行されたもので、時代の違いを補ったり、当てはまらなかったりするものもあるが、多くは普遍的で大いに参考にしたいと思わせる内…容だった。
修養とは修身養心、身と心の健全なる発達を図るのがその目的だとある。ものの考え方、捉え方、心構え、その実践にあたっての心得も著されている。
特に、「迎年の準備」は、毎年忘れずに実践したい。ふり返り、感謝、決心の改め、の大切さ。続きを読む投稿日:2020.04.19
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。