忘れられた黒船 アメリカ北太平洋戦略と日本開国
後藤敦史(著)
/講談社選書メチエ
作品情報
アメリカ海軍はペリーの他にもうひとつの艦隊を派遣していた。司令長官は海軍大尉ジョン・ロジャーズ。「ペリーとハリスのあいだ」の「ロジャーズ来航」は黙殺され、まさに「忘れられた黒船」といっていい。それはいったいなぜなのか? 本書は、これまでほとんど本格的に検証されることのなかった測量艦隊の、具体的な来日の経緯と国際環境について明らかにし、日本開国の事情をこれまでとは異なる観点で描きなおすことをめざす。
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商品情報
- 著者
- 後藤敦史
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社選書メチエ
- 書籍発売日
- 2017.06.10
- Reader Store発売日
- 2017.06.23
- ファイルサイズ
- 5.3MB
- ページ数
- 304ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (1件のレビュー)
-
黒船について学校で学んだことは、1853年7月浦賀沖にペリー艦隊が来航し、翌年3月に再来航して日米和親条約が締結されて日本の鎖国が終わったこと、1856年7月にアメリカ公使のハリスが下田に入港し、18…58年に日米修交通商条約が締結されたという流れである。さらに、アメリカの日本に開国を求めた目標は、蒸気船の石炭補給地、捕鯨船員らの避難港、新たな市場の確保という3点にあったということだ。
本書は、「すべての道はペリーに通ず」で良いのかという幕末史におけるペリー来航の評価に対し、アメリカでの調査に基づき日本の開国の経緯の研究結果をまとめたもの。ペリーとハリスの間にアメリカの北太平洋測量艦隊が、1854年に鹿児島湾、1855年に下田と函館に来航し、下田来航時には江戸幕府に対して日本近海の測量許可を求めた史実を紹介しており、知的刺激を受ける本。
測量艦隊で起用された帆船、蒸気船は以下。いずれもウィキペディア(英語)で検索可能で、当時太平洋で活躍した船のイメージが掴める。
ヴィンセンス号
Vincennes(1826) Boston-class Sloop. 711t.
ジョン・ハンコック号
John Hancock(1850) Steam-tag. 234t.
ポーポイズ号
Porpoise(1836) Brig. 228t.
フェニモア・クーパー号
Fenimore Cooper(1853) Schooner. 95t.
ジョン・ケネディー号
John P. Kennedy(1853) Supply ship. 350t.
本書を通読して感じたことは、帆船が活躍した時代、特に江戸時代に、日本とアメリカの二国間だけを見るのではなく、近隣のロシア、中国、東南アジア諸国も頭に入れて、また太平洋の開拓の歴史的な流れも理解しながら、日本開国の世界史的な意義について学ぶとことは面白いと改めて思ったことだ。
例えば、ペリー来航前のアヘン戦争(1840年〜1842年)では欧米諸国の中国における活動が活発となり、アメリカとしてもイギリスに対抗すべく中国市場に速力を上げてアクセスするため、北太平洋を横断する蒸気船航路の開設が求められたことなどだ。
アメリカ国籍の帆船の最初の中国航海は、エンプレス・オブ・チャイナ号(1783年、360t, フルリグド・クリッパー)にて達成されたが、太平洋におけるアメリカのクリッパーから蒸気船への転換の流れの理解の一助にもなった。
参考までに、本書の著者の論文がネットで検索できる。
「アメリカ北太平洋測量艦隊による海図とその目録」
http://www.let.osaka-u.ac.jp/geography/gaihouzu/newsletter10/pdf/n10_s5_1.pdf続きを読む投稿日:2018.02.18
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