文章を書くこころ
外山滋比古(著)
/PHP文庫
作品情報
手紙、原稿、論文・・・・・・日常生活の中で、文章を書かねばならない場面は多い。知的で味わい深く、自分の考えをうまく伝える文章を綴るには、何を心がければよいのか。本書は、エッセイの名手として知られる著者が、書く前の準備、上手な文章にするための心得、手紙のコツなど、文章上達のための基本を披露する。書くことへの苦手意識がいつの間にかなくなる、親身のアドバイス満載の書。
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商品情報
- シリーズ
- 文章を書くこころ
- 著者
- 外山滋比古
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 1995.02.01
- Reader Store発売日
- 2017.06.02
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (13件のレビュー)
-
思いを伝えるための文章には、心がこもっていないといけない。
その思いを伝えるための方法を述べたのが本書である。
気になったのは以下になります。
■文章とは料理のようなものである
・相手あっての文…章という考えに立つと、文章は料理のようなものだということがわかる。
・まず、食べられなければならない。何を言っているのか、わからない。これでは料理にならない。
・誤字脱字当て字が多いと言われる。ごはんの中に石がはいっているようなもので、石が歯にカチットあたるのはたいへん気になる。
・ある程度、栄養があり、ハラもふくれないといけない。いくら表現にこってみても、中身がなくては困る。何をいっているのかが、読む側にはっきり伝わり、なるほどと納得するのがいい文章となる。
・おもしろさ、とは、相手の関心をひくもの、読まずにはいられない、放ってはおかれないという気持ちを読む人に与えるもの。
・文章は料理のように、おいしく、つまり、おもしろくなくては話にならない。
■短い文章を書くほど難しい
・つくづく短い文章は恐ろしいと思うようになった。
・いまの社会は多忙で、同じことなら手短にしてくれという。長い文章より、簡潔な表現がこのまれる。それは読む側の都合であって、書く方からしてみれば、短文というものは実にやっかいなものなのである。
・(文章)修業の第一の心得はたゆまず、すこしずつやること。一度にまとめてするより、小刻みにした方がよろしい。
・読まないでは、書くことはできない。何度も読んでみる。言葉に出して読んでみる。
・句読点をおろそかにしていては上達しない
・電話は推敲ができない。いったん口をついて出たことばはもうひっこめられない。
■書くとおもったときに書くのが一番いい
・寺田虎彦は、締め切りはまだ先なのに、すぐ書いてしまう。締め切りまでのばしてもいいものが書けるとはかぎらない。むしろ、書いてみたいという気持ちの起こっているそのときがもっともいい時期かもしれない。
・そうして書き上げたのを引き出しに入れておいて、締切の直前になって出してきて、手を入れて依頼者に渡していた。
・テーマは依頼をうけてから考えてはいけない。おもしろい考えが浮かんできたら、忘れないように、手帳かノートに書き留めておいく。いったん消えると二度と姿をあらわしてくれない。
・他人にはいわないこと。自分ではいい考えだと思うことはあっても、他人からつまらぬといわれると出鼻をくじかれ、書く張り合いがなくなってしまう。
・テーマを絞るとき、考えつくことを全部紙に書き出してみるといいようだ。
・時間をかけてていねいに書こうとする。よくない。これがあだになる。清水幾太郎氏も、速く書かなければいけないことを教えている。
・いい文章を書こうとおもったら、信用できる辞書を手元に置くことだ。
■上手な文章を書く秘訣
・文章に上達するにはとにかく書いてみることである。
・よくわかる文は、主語と動詞が一つずつである。そうすれば、自然、センテンスが短くもなる。
・題をつける。題だけでなく、パラグラフ(段落)ごとに、小見出しをつける練習をすると筋道のはっきりした文章が書けるようになる。
・おもしろくないところ、それは、同じことばがすぐ近くで重ねて出てくるところである。
・文の終わりが同じ「た」とか「る」とかで終わらないように気をつけるだけでも、文章は目だって読みやすくなる。
・前後の文章を結びつける論理的接続詞を乱用しないようにすると文章がよくなる。
・かざりの言葉が多すぎる。形容詞や副詞を乱用しない。かざりをすくなくすることは、ことばの生地の美しさを見せることにもなる。
■手紙(≒メール)の心得
・今日できることを明日にのばすな。
・あとで返事をするには、もう一度読み返さなくてはならない。その場で返事をするならその手間が省ける。
・時間がたてばたつほど、書きにくくなるのが手紙である。
・後でだすなら、あらましのことを書いておく。あらためて書くよりも思い出すのに苦にならない。
・手紙を書くには、相手を思いやる心がないといけない。手紙を書くには、手紙の心が必要である。
・人によって文体をかえる。①あらたまった言い方、②標準の言い方、③くだけた言い方、3つのスタイルを用意する。
目次
第1章 文章を書くこころとは
第2章 文章を書く前に―準備しておくべきこと
第3章 上手な文章を書く秘訣
第4章 味わい深い文章にするための心得
第5章 心を伝える手紙の心得
第6章 手紙にあふれた思い―先人の書簡より
あとがき
ISBN:9784569567358
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:224ページ
定価:448円(本体)
発行年月日:1995年2月15日 第1版第1刷続きを読む投稿日:2023.01.29
気になる箇所だけ読んだ。参考にしたいところがたくさんあった。
文章は料理みたいなもの。美味しい料理とは「もっと食べたい」と思わせる。文章でいうと「もっと読んでいたい、放っておけない」という意味合い。…
短文ばかりだと、とぎれとぎれでリズムが悪くいい文章とはいえない。短文と長文を織りまぜてリズミカルな文章にすることが大切。パラグラフにおいても同様。結果、メリハリのきいた面白い文章になる。
書きたい心があってこそ、文法の技術が生きてくる。この順番を間違ってはならない。文法の誤りは、料理でいうと異物。歯にゴリッとあたり不快感が残る。続きを読む投稿日:2023.06.24
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