生命の劇場
ヤーコプ・フォン・ユクスキュル(著)
,入江重吉(訳)
,寺井俊正(訳)
/講談社学術文庫
作品情報
ダーウィニズムと機械論的自然観に支配されていた二十世紀初頭、人間中心的な世界観を退けて「その生物が周囲に与える意味の世界」すなわち「環世界」の概念を提唱し、その後の動物行動学や哲学、生命論に影響を及ぼした生物学者の最晩年の著作。対話形式で独自の世界観を展開し、自説への批判とそれへの反論をも明快に語る、今も新鮮な科学の古典。
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商品情報
- シリーズ
- 生命の劇場
- 著者
- ヤーコプ・フォン・ユクスキュル, 入江重吉, 寺井俊正
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 生物・バイオテクノロジー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2012.02.09
- Reader Store発売日
- 2017.01.27
- ファイルサイズ
- 9.6MB
- ページ数
- 320ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (7件のレビュー)
-
昨年読んで衝撃を受けた『生物から見た世界』( http://booklog.jp/users/ntsignes/archives/1/4003394313 )の著者、ユクスキュルの最晩年の著書。最後の…方は本人が仕上げられず、メモをもとに家族が完成させたようだ。
「環世界」というユクスキュル独特の概念をシンプルに表現した前掲書に比べ、こちらは生物学や諸科学の多方面にわたって視野を広げ、対話形式を借りて、「環世界」論と対立する「機械論」と徹底的に批判しあうディスカッションを展開する。
「環世界」とは、要するに、主体としての生命は、外界の事物のうち自己にとって意味ある物のみに反応し、逆に言うと自己から外界を「意味づけ」ていくことによって、「環世界」という主観的環境のなかで生活する、というようなこと。つまり「主体」なるものを強調し、そこから出発することに、自然科学者としてのユクスキュルの異端性がある。
この本の中でユクスキュルと対立していく「機械論」は、こんにちで言うといわば物質的反応への還元主義者である。動物の感覚や行動の原因も、機械的な器官が化学的な反応をともなって自動的に動作しているにすぎない、という考えで、ユクスキュルによるとこの機械論に、ダーウィンの進化論も結びつけられる。
現在の一般人の常識的な見方を見る限り、むしろ「機械論」の延長上にあるような還元主義が大勢となっているように思えるから、ユクスキュルはいまだに異端なのかもしれない。
進化論について言うとダーウィンが考えたような「無方向な変異が、適者生存の過程をとおして淘汰されてきた」といった「進化の仕方」はたしか既に否定されているようだけれども、修正された形で進化論の諸説が出現しつつ、「進化論」のベースそのものは受け入れられている。
この本は1940年代に書かれたもので、まだ染色体の特質もよくわかっていなかったようで、DNAなどというものはまだ全然知られていない。
DNAを知っていたら、ユクスキュルの言説はどうなっていたろうか? 彼なら、その「意味の設計図」を自説の中に見事に取り入れたであろう。
主体にとっての「意味」を追究するユクスキュルの思想は、その「意味」なるものがちょっと曖昧だったが、しまいにはプラトンのイデア論にまで結合してしまう離れ業。どうやらユクスキュルはカントなどもよく読んでいるし、もともと哲学好きであるようだ。
「主体」「意味」という、やや曖昧な危険性を伴う用語を中心にしたユクスキュルの思想は、こんにち、そして未来においていかなる地位を占めることになるだろうか?続きを読む投稿日:2012.03.26
何故その人と出会い好きになっていくのかを問うた。環世界。まるで派生理由。
パラクラインは音で終わる。エンドクランは振動で。動物機械なエーテルやプリズムでサーチ。ゲシュタルトは幾何学的?そして遠くて…も。
それだけでも。そして自分も。誰かにはオーディエンス。動物たちも。みんな特別なエーテル。一生懸命ないのち。死んで風になってスピリッツ彷徨って、出逢って、決めていく。
生まれる。生まれないかも決断かも知れないな。
窒素みたいなとこで見えなくて生きてようかなとか。死に対する不安が無くなっていく様な。
進化系体に対しては23の選択肢な。私的には進化は無いって思う。2つ分の。
地球環境をが一朝一夕と云うのがきっと。忘れちゃいけない痛みって。本当の生きる意味な気がする。
続きを読む投稿日:2024.01.26
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