子どもの貧困-日本の不公平を考える
阿部彩(著)
/岩波新書
作品情報
学力、健康、親との交流。大人になっても続く、人生のスタートラインの「不利」。OECD諸国の中で第2位という日本の貧困の現実を前に、子どもの貧困の定義、測定方法、そして、さまざまな「不利」と貧困の関係を、豊富なデータをもとに検証する。貧困の世代間連鎖を断つために本当に必要な「子ども対策」とは何か。
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商品情報
- シリーズ
- 子どもの貧困-日本の不公平を考える
- 著者
- 阿部彩
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波新書
- 書籍発売日
- 2008.11.20
- Reader Store発売日
- 2016.12.15
- ファイルサイズ
- 4.2MB
- ページ数
- 268ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (82件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
親の貧困は、子どもの人生にも不利を背負わせてしまう。しかし、その不利を仕方ないと容認することはできないというのが著者の立場です。
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貧困とは、一言でいえば普通の生活が出来ないということです。絶対的・相対的貧困という考え方もありますが、これらの考え方よりも貧困を具体的に想像しやすくするための指標として、6章では相対的剥奪という考え方が紹介されています。
そして、子どもの貧困に陥りやすいリスクをもっとも抱えているのが、ひとり親世帯だといえるでしょう(ただ、これはひとり親世帯にだけ支援すればいいという話ではない)。生活保護や母子家庭への給付については、「働く気になればそれなりの生活はできるだろう」とか「離婚したのは自分の選択だろう」というような自己責任的な考え方があるわけですが、3章で政策的な視点から、そして4章で母子世帯の実情という細かい視点から貧困の問題をみてみると、そういう給付が、彼らの自立にはほとんど機能していないということがわかります。
つぎに、税・社会保障制度の逆機能。これは驚くべきことです。なぜなら、税などを負担することによって貧困状態にあると認められる人が増加したということだからです。所得を公平に近づけるための制度が、まさに逆方向に機能しているということです。いまでも、逆機能はないにせよ再分配の問題は続いていますね。
結局のところ、うえで書いた「働く気になれば・・・」というような自己責任的な考え方は、政策にもあったのではないかと思います。経済的に自立できる収入を得て、子どもは保育所などに預けられればいい、と。
しかし、親の貧困によって子どもがこうむる不利は色々な側面があるわけですね。健康、家庭環境、親のストレス、子育て時間の不足、学習意欲など、いろいろな視点を見据えたうえで、より多くの子どもが安定した家庭で幸福に生きられるように、政策として支援すべきではないか、支援しないことは、結果として社会の損失につながるのではないか・・・という問題があります。
それと同時に僕がこの本からあらためて考えたことは、政策には「結果」をみる視点が必要なのだということです。どれだけの予算を使ってどんな政策を実施したかというだけでは不十分です。たとえば、「母子家庭への金銭的な給付がどれだけ受給者の自立に役に立ったのか?」。著者のいう、「薄く広い」生活保護もそうです。結果をみずに、予算上の問題から給付対象を狭めたりすることに対して、受給している人から反発が出るのは、それなりの理由があるのだろうとあらためて考えました。投稿日:2013.08.02
刊行から15年経っていますが、多くのことを考えさせられる1冊です。一方で、15年経っても、国で行われている子ども政策の議論の内容は残念ながらあまり変わっていないように思われてなりません。
著者が最後に…記しているように、「子どもの数を増やすだけではなく、幸せな子どもの数を増やすことを目標とする政策」をぜひ議論してもらいたいと思います。
親の貧困や学歴が子どもたちに大きく影響していることをデータで示されるとやはり大きなインパクトがあります。
子どもたちのスタートライン格差を少しでも縮め、希望を持って暮らせる国になってほしいなぁと思わずにはいられません。
※15年経っているので、現在のデータをいろいろと知りたい気持ちはとても出てきます。続きを読む投稿日:2023.02.12
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