この作品のレビュー
平均 5.0 (2件のレビュー)
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08年現在の自動車業界のことを知りたければこれ一冊でほとんど分かる!と断言したくなるような良質な業界本。
世の中には世界の自動車業界の状況や各社メーカーの実力を説明している業界本は数多とある。だが、そ…れらの多くはモノの見方がとても一元的で、そこから導き出される結論も、「そんな単純な話じゃねーだろ」と言いたくなる様なシロモノだったりする。
利益率だけでランキングを付けているような酷い本も決して珍しくは無い。
それらに対し、この本は様々なデータをきちんと提示して、それらを様々な角度から検証することで、市場状況やメーカーの実力を慎重に測っているという点で、他社の業界本とは一線を画していると私は思う。
さすが、シンクタンクの偉い人が三人がかりで書き上げただけはある。
サブプライム問題の影響に関しては、入稿に間に合わなかったのか全く触れられていないが、それでも読む価値は十分あるはずだ。続きを読む投稿日:2008.02.12
流れ
環境問題と国際市場について
↓
米国の車メーカー
↓
欧州の車メーカー
↓
アジアの車メーカー
↓
日本の車メーカー
↓
世界の車メーカーの実力ランキング
↓
日本自動車メーカーの将来と課題
…
◆レビュー◆
『日本ビッグスリーは世界1の実力まで上り詰めた』(P. 235)
日本ビッグスリーとは、もちろんトヨタ、ホンダ、日産です。
これらの自動車会社は世界実力ランキングでも
この順序で1、2、3位の座に輝いています。(P. 207)
生産規模で見れば、GM、フォードなどが
まだまだリードしているのですが、
アメリカのビッグスリーは内実が弱いのです。
楽天的で自滅した米メーカーと
北米でたたかれまいと
ひたすら伏して力を蓄えた日本メーカーの差が伺えます。
アメリカは法律で自国のメーカーを保護してきました。
しかし、そういう保護は逆に怠慢を招き、
最終的には自力で生き残ることが難しくなります。
日本ではメーカーは強いが、金融は弱いとよく言われます。
それは日本の法律が銀行を保護しているからです。
そのおかげで銀行は世界的な競争力を育てる機会を失ってしまいました。
反面、メーカーでは、
たとえば二輪メーカーは多い時で日本に270社存在していたのですが、
それが今ではホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキの4社のみになりました。
激しい競争に打ち勝って、生き残った4社です。
この4社は海外に進出するや否や世界を座卷し、
いまや世界の二輪生産シェアは日本勢だけで50%を占めています。
いまでもこれらの二輪市場を脅かすメーカーは出てきていません。
自国の産業を保護したくなる気持ちはわかりますが、
保護も度が過ぎると返ってその力を弱めてしまうということがあるのです。
『ティア1メーカーの出現』(P. 258)
ティア1メーカーとは、これまで部品メーカーが個々に納品していた
車の部品を一台分にまとめて出荷するメーカーのことです。
ようするに、いままで車会社は、
部品メーカーと個別に契約していたのですが、
これからは、あたらしく出現したティア1メーカーが、
必要なときに必要な分だけの部品を揃えて
各メーカーに納品してくれることになるようです。
ティア1メーカーの出現により、自動車メーカーは
部品管理が容易になり、大量の在庫を抱えるリスクを回避できます。
これが最近の自動車メーカーの部品流通事情だそうです。
『トヨタの電池開発』(P. 271)
本来ならこのような部品は電池メーカーに製造を依頼して
部品として購入すれば事足りていました。
しかし、燃料電池車の開発やハイブリッドカーの製造などで
電池という部材で他社と差をつけることが重要になってきたのです。
そこで、電池開発に実績のある松下電器産業と組んで
トヨタは電池開発をはじめました。
この動きは他の自動車メーカーでもみられます。
というのも、電気自動車を開発する際に、
リチウム電池などの二次電池は中核技術となります。
そこを部品メーカーに握られているのは、
自動車メーカーからしてみたら、嫌なのです。
そこで、電池会社と提携し、
あわよくば電池関連の会社を系列に組み込むくらいのつもりで
しのぎを削るようになってきたのです。
『バイオエタノールは、サトウキビやとうもろこしなどの
植物を原料としており、確かに環境に優しいが作物の豊・不作に
影響されるし、食糧資源との競合問題も懸念されている』(P. 225)
実は世界中の穀物は余り気味である、というと
みなさんびっくりするかもしれません。
発展途上国では、重工業が難しいため、
まず農業に力をいれることになります。
それなのに、日本以外の先進国でも
食糧自給率が高いために、EU同士でさえ、
うちの小麦買ってよ、と
穀物は押し付け合いになっているのが現状なのです。
日本の食糧自給率が低いことが問題になっていますが、
100%まで上げる必要はありません。
食糧自給率は60~80%あれば十分です。
なにせ買い手市場ですから、どこかの国に小麦買いますと言ったら
じゃあ、うちからも買ってよ、とお願いされてもおかしくない状況なのです。
さらに、不作を懸念しているとありますが、
地球全体でみれば、北半球、南半球で
半年間のタイムラグがありますし、
いたるところで穀物は生産されています。
地球上のすべての地域で不作、というのは考えられませんし、
もし仮に、北半球が全部不作だとしても半年後には、
アルゼンチン、アフリカ、オーストラリアなどで収穫可能なのです。
バイオエタノールで穀物がなくなる、というのは嘘です。
何せ、今現在でさえも作らずにほったらかされている農地は
世界中にたくさんあるので、バイオエタノール用に
そこを再度農地として活用すれば良いだけの話です。
バイオエタノールでネックとなるのは、実は価格なのです。
サトウキビは最初から糖だから良いのですが、
とうもろこしは、まず糖化しなくてはならないので
工程がひとつ増えるだけ割高になります。
それで、とうもろこしからバイオエタノールを作るのは
あまり割が合わないのです。
南米でやっているからといって、
全世界にバイオエタノールが普及するか、といえば
技術的でも、生産量による制限でもなく
コスト的な問題が一番最初にくるでしょう。続きを読む投稿日:2010.10.05
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