結婚と家族のこれから~共働き社会の限界~
筒井淳也(著)
/光文社新書
作品情報
現在の私たちは、「男性は仕事、女性は家庭」という近代以降に形作られた性別分業体制を脱し、「共働き社会」に移行しつつある。しかし、この共働き社会では、結婚しない(できない)人の増加、子どもを作る人の減少といった、「家族からの撤退」をも生じさせた。「家」の成立過程と歩みを振り返りながら、雇用、家事、世帯所得格差といった現代の諸問題を社会学の視点で分析し、〈結婚と家族のみらいのかたち〉について考察する。
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商品情報
- シリーズ
- 結婚と家族のこれから~共働き社会の限界~
- 著者
- 筒井淳也
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社新書
- 書籍発売日
- 2016.06.20
- Reader Store発売日
- 2016.07.15
- ファイルサイズ
- 1.2MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (18件のレビュー)
-
結婚して家族を養うことがどうしてこんなに大変なのだろう..。複雑で厳しい現状を知る一歩
●感想
「なぜ、結婚して子供を育てていくことがこんなにも大変なのだろう?」誰もが疑問に思うこのことを、本書は…定性的・定量的なデータを駆使しながら説明してくれる。根本的な問題は「お金がないと家族運営・子育てできない」「共働きをしても経済格差が解消されるわけではない」ということ。収入の低い男性も女性も結婚によって問題を解決できるわけではない。結婚相手は同程度の収入・学歴を有する場合が多いからだ。世帯収入の少なさが子育ての厳しさに直結するから、「共働きしてもお金がない夫婦」にはどうしようもないという現状がある。加えて、「共働き」は手段である。本来の目標であるべき「自由な親密性の実現」を損ねてはいけない。
本書の分析をすっきり理解するのは結婚難しい。厳しい現状を踏まえて「次どうしていくべきなのか」が分からない。実行するコトは読者自身が自分のアタマで考えていくことなのだろう。「普通に暮らしていくことが、なんでこんなに大変なんだっけ?」と思ったら、読み返したい。
●本書を読みながら気になった記述・コト
*「その子供は誰の子どもなのか?」明らかでなくても良い時代があった
・「農耕を行う集落にとって重要なのは、みんなが協力し合って農作物を収穫することです。そこでは、子どもは貴重な労働力です。そして、子どもをもうけるためには、男女が関係を持つことが必要です。しかし、生まれてくる子どもが誰の子どもなんかについては、もちろん気になるところではあったと思われますが、とことん追求する必要がありませんでした」
*「誰の子どもなのかはっきりさせる必要があるのは世継ぎが必要な場合」
・血統を重視する武家社会では誰の子どもであるかはっきりしていなければならなかった。そのため、姦通が罰せられることとなった
*子育ている世帯を優遇すればよい、という単純な話ではない
・フランスでは子どもがいる世帯の税制を控除している。では日本もそれを取り入れるべきかというと、そう簡単ではない。国をあげて「単身者を差別する」ことになりかねない
*世帯単位課税とは
・世帯単位課税の世界では、同じ1000万円の世帯所得を夫婦がどのように分担しようとも税率は変わりません
・夫が1000万円すべてを稼いでいようが、夫と妻で500万円ずつ分担しようが、おなじ
・世帯単位課税は、そのなかに二つの方式がある。一つは合算非分割方式、もうひとつは合算分割方式。非分割方式は、世帯の人数にかかわらず、単純に世帯所得に課税する方式。分割方式は、世帯所得を世帯の人数で割ってそれぞれに課税する
・非分割方式では、高所得者同士が結婚することによって、発生する世帯間の所得格差を是正できる。1000万円の所得を持つ男女が結婚した場合、独身時にはそれぞれ1000万円に課税されていたのが、結婚すると2000万円に対応した高率の課税が適用される
→この税方式問題:所得のある人と結婚する動機が小さくなる。結婚が減るか、女性の就労機会を減らす
・分割方式はフランスなどで導入されている。分割方式では、夫婦の所得を平均した額に課税される。したがって、分割方式では、高所得者が低所得者と結婚するインセンティブを持つ
*少子高齢化の問題は「自由な親密性の交友」を失わせること
暮らす相手が選べない、結婚相手も選べない、子どもを持つことも選べない、というのが不幸な状態。少子高齢化が進み経済的に国・国民が困窮すれば、生活の選択肢は狭まっていく 続きを読む投稿日:2020.06.28
社会学の本は楽しめないのかもしれない…と思ってしまうくらい、途中で挫折しかけた。
タイトルに惹かれて手に取ってみた。
確かに共働き社会と言いつつ旧態依然とした性別による役割分担イメージなど根強く残っ…ている。
ここ数年でもう一段動きが加速している感もあるし、記載が古いのは出版年からしてやむを得ないと思うが、これと言って良かったと思うこともなく。。。
続きを読む投稿日:2023.05.25
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