この作品のレビュー
平均 3.8 (6件のレビュー)
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著者の中島義道はドイツ哲学を専門とする哲学者で、本書にも出てくる通り、「戦う哲学者」との異名を持つ。
本書は、「音漬け社会・日本(=うるさい日本)」に対して、著者が様々なところに寄せた告発文を素材にま…とめたもので、1996年に発刊され、その後いくつかの出版社で文庫化されている。単行本出版時の反響は大きく、朝日新聞の「天声人語」、NHKのラジオ番組、The Japan Times、Chicago Tribuneなどに取り上げられたという。
内容は、日本の社会が如何に「音漬け社会」となっているかを、駅、電車、バス、商店街、デパート、銀行、竿竹屋、広報車、海水浴場、プール、防災無線、美術館、京都や日光の社寺等を挙げて、これでもかと語り、更にそれを辞めさせるための自身の戦闘の様子と結果を、これまたこれでもかと綴っている。因みに、中島氏が問題にしている「音」とは、「エスカレーターにお乗りの際はベルトにおつかまり黄色い線の内側に・・・」、「当駅は終日禁煙です。おタバコはご遠慮ください」、「駆け込み乗車は危ないですからおやめください」、「切符をお取りください/切符は回収されます」、「まもなく終点でございます」、「足元にお気を付けください」、「危険物の持ち込みはご遠慮ください」、「走行中急停車することがありますので、お立ちの方はつり革や手すりにおつかまりください」、「カードをお入れください。現金及びカードの取り忘れにご注意ください」、「準備運動をしてから泳ぎましょう」、「置き引きに注意しましょう」、「ゴミは片づけましょう」、「当日券をお求めの方はこちらに一列に並んでください。券をお持ちの方はそのままお入りください」等々の、実質的な効果のない「騒音」である。
そして、その「音漬け社会」を作っている真の原因は、いまや日本を完全に支配している、マジョリティの考えをお互いに察する「優しさ(思いやり)」であるが、それは実はいじめを生み出す最大の原因にもなっており、「音漬け社会」を解体するためには、「察する」ことを縮小し、「語る(対話をする)」ことを拡大する必要があると主張している。
本書で取り上げられる「音」に対する私の感覚は、相対的には中島氏に近く、爆笑しながらも頷ける部分は少なくなかったのだが、その元凶については、本書でも触れられている「自己責任意識の欠如」にあるように思う。
中島氏が称賛する(無駄な音の存在しない)銀座や鎌倉の小町通りのような街・場所が広がれば、それは素晴らしいことである。
(2017年5月了)続きを読む投稿日:2017.06.03
筆者がスピーカーから発せられるアナウンスと闘う「戦闘記録」を纏めた本。
本書の大部分は上記に関しての論理的な愚痴であるが、本書のメインテーマは「『察する』美徳から『語る』美徳へ」である。投稿日:2022.11.07
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