患者は知らない 医者の真実
野田一成(著)
/ディスカヴァー・トゥエンティワン
作品情報
患者の悩みは、最適の治療に巡りあいたいということだ。
そこには、医者の言葉にすがりたい気持ちと、「ちゃんと診てくれるのだろうか?」という疑心暗鬼がいつもつきまとう。
一方、医者の側にも悩みがある。患者に寄り添いたいが時間がない、説明を理解してもらえない------。
「良くなりたいなら医師の言うとおりにしなさい!」といったパターナリズムも、「信用できない、セカンドオピニオンだ!」という行動も、どちらも医者・患者の双方を不幸にするばかりだ。
NHKの記者から医者に転身した著者が、ジャーナリストと医者の両方の目から見た医療の厳しい現実を紹介し、医者とい患者のより良い関係について考える。
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商品情報
- シリーズ
- 患者は知らない 医者の真実
- 著者
- 野田一成
- 出版社
- ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 書籍発売日
- 2016.04.14
- Reader Store発売日
- 2016.04.20
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 304ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (5件のレビュー)
-
本当に医者の側から書いてくれないとわからない、知らないことたくさんあった。
人は必ず病気になるがゆえに、健康番組や「名医」ランキングといった類のものが後を絶たない。
確かに、我が国の医療制度は先進…国でもトップレベルを牽引してきたという、国民レベルの自負がどこかにあるのではないか。
「外国の病院に行かんでも◯◯病院に行けば〜」というふうに。
しかし、同時に「医療不信」や少子高齢化社会に伴う医療保険制度の崩壊の予兆、アジア諸国の医療水準の上昇など、問題は山積。
健康番組や雑誌ではどうしても取り上げられない医者と患者側双方のわだかまりも含めて、元NHK記者山口大学医学部を経て現在ベトナムで医師をされている野田一成氏が日本の医療を解いて行く。
読んでて、医者にも患者にもやはり問題がたくさんあった。
医者も患者もやはり普通の人間。
どんなにいい制度や技術であっても、使いこなせないと意味が無いし、変なところに固執しないことが肝心。
大学病院の方が早く治りそうな気がするし、名医に執刀してほしいし、すぐに点滴打ってほしいし、すぐにMRIをとってほしいと願う患者。
「気持ち」を受け取る医者の複雑な気持ち。大学医学部から大学病院でそのまま社会人な世間知らずな医者。
いろんなところに半透明な壁があるかのよう。
2025年問題を控えて、我が国のr医療制度や保険制度は待った無しの改革を迫られている。このままでは確実に崩壊するからだ。しかし、相変わらずの薬や診療検査の無駄遣いが絶えず、医療費は高まるばかり。
死にかける前に事前に延命治療の有無を話し合ったり、介護士や技能士に活躍の場を与えたり、混合治療の制度改革などまだまだやれることはあるはずだと野田氏はおっしゃってました。
上手な医者へのかかり方を、常に心がけようと思えるきっかけになる本でした。続きを読む投稿日:2016.07.18
著者は鹿児島大学法学部を卒業し、NHKで記者として事件や選挙、行政の取材を担当した後、山口大学医学部に編入する。救急医療を実践する病院勤務を経て、現在はベトナム・ハノイの病院に勤務という変わった経歴。…
海外に勤務地を求めたのは、やはり日本での医者のヒエラルキーに嫌気がさしたのか、その辺の経緯や事情が書かれていないのでよくわからないが、気になる。
元取材記者だけあって、内容は勉強になるものの少々面白みに欠けるため、読み物としてはイマイチ。
本書の肝を列挙すれば、
・患者として抗生物質と点滴は不要と言おう
・医者にとって健診はおいしい(この辺は、近藤誠氏の主張と被るが、筆者はガンの放置には全面的に反対)
・ジェネリック使用は医者や薬剤師の意見を求める
・薬は出来るだけのまない
・死後の迫った患者には人工呼吸器は心を鬼にして使わない(延命措置は際限がない)
また、本書では最先端を走っていたはずの日本の医療水準が世界的に低下してきている現状や、混合診療や健康保険制度の財源の問題(2025年問題)などにも言及しています。続きを読む投稿日:2021.08.04
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