差別感情の哲学
中島義道(著)
/講談社学術文庫
作品情報
差別とはいかなる人間的事態なのか? 他者に対する否定的感情(不快・嫌悪・軽蔑・恐怖)とその裏返しとしての自己に対する肯定的感情(誇り・自尊心・帰属意識・向上心)、そして「誠実性」の危うさの考察で解明される差別感情の本質。自分や帰属集団を誇り優越感に浸るわれらのうちに蠢く感情を抉り出し、「自己批判精神」と「繊細な精神」をもって戦い続けることを訴える、哲学者の挑戦。
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商品情報
- シリーズ
- 差別感情の哲学
- 著者
- 中島義道
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2015.02.10
- Reader Store発売日
- 2016.04.22
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (15件のレビュー)
-
差別感情はどこから生まれ、育っていくのか。
偏った者が差別感情を生み出していると考えられがちではあるが、所謂ふつうの人こそが差別の温床である。ふつうの人が、差別などしていないという意識でいるからこそ、…無意識に差別が起こるのだ。
ナチスドイツがその最たる例である。
私たちはあらゆる行為に差別感情が付随していることを意識し、「他人」を自分の目線から外すことのないよう行動しなければならない。そのために、差別する自分と向き合わねばならない。続きを読む投稿日:2020.07.27
悪意がない社会のことを「味気ない」と評していて、そういう態度は古今東西様々な場所でみられるけど、謎だよなぁ。私はそういう社会が理想だけど。
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p23~の朝日新聞の記事の件は明らかに中島氏がおかし…いと思うなぁ。風呂を覗いたり電車内で女性の胸や尻に触る行為は生物体としてのヒトのオスにとって不自然な行為ではないのに、現代社会ではそれがおかしいと見なされる、そしてそれは暴力である、という主張を朝日新聞に掲載しようとして直前に却下されたことがおかしい、と言っているんだが、それをおかしいと思うような人の論考は話半分だなぁ…と思わせられてしまった。それじゃあぜひ強盗も放火も正当化してもらいたいものだし、なんのために「思考」をしているのか根本から考え直したほうがいいんじゃないか? 前後の言説とあまりに解離してて違和感を覚えるよ。
この直後の段の引用。「(前略)担当編集者によると「犯罪を正当化する記事を載せるわけにはいかない」とのこと。私は非常に憤ったが、常に権力に対して批判的な視点を保つと公言しているメディアが痴漢撲滅という現代社会の価値観を形成している「権力」に無批判である点、いやそれに疑問をもつ意見をことごとく押しつぶす「権力」を行使している点に、欺瞞と矛盾を感じたからである。」
それであれば、それをそのまま書けばよいのであって、犯罪擁護(と私も捉えた)なんて書かなきゃいいのよ。
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我々がすべきことは差別撤廃に邁進することでもどうせ差別はなくならないと諦めることでもない、徹底的に自他の差別感情を批判することである、というのは相変わらず哲学界隈はそんなことやってんだなぁとクラクラするところもあり。思うに「考えること」「批判する(だけ)」というのは、それぞれの階級等が固定されていた時代の遺物かなぁという印象がある。誰でも学問にアクセスできてSNS等の手段を持つ時代に批判する(だけ)というのはだいぶ苦しくなってきているなぁと。
速効性がないからこそ多くの人が哲学的思考を身につけるべきだとは思うけど、哲学を学ぶことでは哲学的思考は身に付かないというのが持論。でも哲学を語ることにうっとりしている中の人たちは言葉遊びで満足してるし、ますます周囲はそういう態度にうんざりするしっていう負のループとか、そもそも私は哲学にはあんまり興味がなかったんだった、とか10年以上忘れてた様々な事柄が一気に思い出された。そうだった、こういう本を読むと毎ページ引っ掛かって全然進まないんだった。ただ、以前はそうそうそうなんだよ、と同意して感動することが多かったけれども、今ではまた馬鹿なこと言ってるなぁ…という気持ちが強くなってしまったなぁ。
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そもそも人間の差別への対処法というのは知見の積み上げであって、それを「逆差別」とまとめて切り捨てる態度は逆行してるよな。哲学の扱える分野なんだろうか?
「私の家は江戸時代穢多でしてねえ」と言えるようになり、それに「あ、そうですか」というほどの反応しか示さなくなるとき、われわれは(中略)差別から解放されるのである、といったような無知から来ているコメントも多々。
「庶民感覚のわからない首相」と「女性を「産む機械」と発言した閣僚」と「「日本は単一民族国家」と発言した閣僚」をいっしょくたにして、それらに直ちに辞職を迫る人を差別的だと認定してるんだが、ちょっと老害とか権力側に足を突っ込みすぎじゃないか? 他人のことは「微塵の自己批判精神もない」などと批判してるのに、マジで自覚なさそうなのが恐ろしい。
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誰かの足を踏んでしまったときにとっさに「すみません!」と謝るような発話行為が補修作業で、それも訓練しなければ獲得できないものなんだから、やはり因縁つけられたときのとっさの言い返しも訓練だなぁと納得。
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哲学の大家ともなると、なんの検証もされていなくてもあたかも自分の思想がすべて正しいかのような誤謬に陥るよね、という箇所も多々。他人のことは大上段に切って捨てるんだが、自分にも特大ブーメランがぶっ刺さりまくり。なんとか72ページまできたがもうやめてしまおうか…
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p83-84
p88
p94続きを読む投稿日:2022.05.14
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