論語に学ぶ
安岡正篤(著)
/PHP文庫
作品情報
日本人の生き方の指針として、長く愛読されてきた不朽の古典『論語』。孔子の言行を比較的平易な言葉でまとめた『論語』は、多くの金言名言の出典ともなり、私たちの生活に息づいてきた。しかし、その思想を咀嚼し、人生のなかできちんと実践することは相当に難しい。本書は、東洋学の泰斗として知られた著者が、『論語』を自らの生活に活かし、心を高める糧とする方途をわかりやすく説いた講話録。活学としての『論語』の読み方を絶妙なたとえ話とともに詳説した「論語読みの論語知らず」、人間の進歩向上の原理を説き明かす「中庸章句」、『論語』の多彩な群像に人の世の機微を見る「論語の人間像」、日本人に根ざした儒教的伝統を簡明に解説した「日本と儒教」の4篇を収録した。社会状況がめまぐるしく変転し、多くの人々が人生や仕事に迷いを抱える現代日本。時を越えて読み継がれた味わい深い言葉に触れながら、生き方の知恵を学べる本。
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商品情報
- シリーズ
- 論語に学ぶ
- 著者
- 安岡正篤
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 2002.10.01
- Reader Store発売日
- 2015.12.04
- ファイルサイズ
- 1MB
- ページ数
- 304ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (10件のレビュー)
-
論語を講釈ではなく、生きた学問である「活学」として捉えた書
論語読みの論語知らずとは、人を中傷するための言葉ではなく、自分自身に向けて学問をちゃんと身につけていないことだと指摘をしています。
安岡…正篤という方は、儒学古典の人かとおもっていましたが、欧米からも仏教からも引用があり、現代人という印象を受けました。
3部にわかれていて、論語の概要、中庸の概要、論語の人物像になっています。
得てして、知らず知らずの論語の言葉をなんとなく知っているというものが結構でてきます。
気になったのは、以下です。
・人間というものは自分ではわかったような心算でも、なかなか本当の事がわからぬものである。
・利によって行へば怨多し:利を追うばかりでは人の恨みを買う。利の本は義、義がなければ、いくら儲かっても長続きしないのである。
・行いに敏ならんと欲す:頭で考えるだけではだめで、実行に移すこと。敏とは、頭をフルに使うこととある。
・未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん:生とものを知らないのに、死を知ってどうするのか。もっと自分の生そのものに徹せよ。
・巧言令色:口先がうまくて如何にも表面はよいが、中身がない
・人の己を知らざるを患へず、己、人を知らざるを患ふ:人が自分を知ってくれないということはどうでもいい。そもそも、自分が人を知らないことが問題である。
・中庸とは真ん中ということではない。「中」とは相対するものから次第に統一的なものに進歩していく働きのこと、「庸」とは、絶えず更新してゆく。続くという意味。「中庸」とは、すべての人が如何に変わらずに相待って和やかに、調和を保って、進歩向上していくことをあらわしている。
・六中観
忙中、閑有り
苦中、楽有り
死中、活有り
壺中、天有り 壺の中にもう一つの世界、別天地があるとこと
意中、人有り 心の中に人がある
腹中、書有り 腹の中に本をもっている
・君子多能を恥づ 器用貧乏とのこと、あれこれやることなしに、何か一つのことに打ち込んだほうがいい
・誠実、質朴といった内実が、外貌のあや、かざりに勝れば、粗野になり、負ければ、礼にはかなっても、誠実に欠ける。両者がうまく調和してこそうまくいく。
・知;賢人とは似たりよったりだが、愚:馬鹿にはそうそうなれぬもの。知より愚のほうがはるかに難しい。
・君子とは、2つの意味がある。一つは民衆に対して指導的立場にある人、今一つはその立場にふさわしい人格・教養を持った人。この二つをもっていることが君子である。
・あたかも愚物のごとし。孔子の優秀な弟子、顔回も曾子も、一見はいはいと愚者に見えるが実はそうではない。しかし、退いた後の行動をみれば大いに啓発するものがある。見た目で判断をしてはいけない。
目次
「論語に学ぶ」によせて 田中忠治
論語読みの論語知らず
其の一 本当に読みたい人のために
其の二 活学としての論語
中庸章句
一 序論 変わらざる進歩向上の原理
二 本論 人生に活かす中庸
論語の人間像
一 時代背景
二 此の時代の人物の種々相
三 孔子の人と為り
四 救い難き人物
五 この世の難しさ
六 斉の名宰相・晏子
七 子産と寗武子(ねいぶし)
八 周公旦と蘧伯玉(きょはくぎょく)
九 孔門十哲
日本と儒教
日本民族には創造力がないか
ISBN:9784569578132
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:304ページ
定価:619円(本体)
発売日:2002年10月03日続きを読む投稿日:2023.01.17
このレビューはネタバレを含みます
論語の本は何冊か読んだが、本書が最も分かりやすかった記憶がある。
レビューの続きを読む
(2021.9.12)
【Amazon紹介文】
日本人の生き方の指針として、長く愛読されてきた不朽の古典『論語』。孔子の言行を比較的…平易な言葉でまとめた『論語』は、多くの金言名言の出典ともなり、私たちの生活に息づいてきた。しかし、その思想を咀嚼し、人生のなかできちんと実践することは相当に難しい。
本書は、東洋学の泰斗として知られた著者が、『論語』を自らの生活に活かし、心を高める糧とする方途をわかりやすく説いた講話録。活学としての『論語』の読み方を絶妙なたとえ話とともに詳説した「論語読みの論語知らず」、人間の進歩向上の原理を説き明かす「中庸章句」、『論語』の多彩な群像に人の世の機微を見る「論語の人間像」、日本人に根ざした儒教的伝統を簡明に解説した「日本と儒教」の4篇を収録した。
社会状況がめまぐるしく変転し、多くの人々が人生や仕事に迷いを抱える現代日本。時を越えて読み継がれた味わい深い言葉に触れながら、生き方の知恵を学べる本。文庫オリジナル。
※2002年以降購入
売却済み続きを読む投稿日:2021.09.12
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