哲学な日々 考えさせない時代に抗して
野矢茂樹(著)
/講談社
作品情報
自分のこと、社会のこと、国のこと、世界のこと……、考えなくてはいけないのに、考えようとすると、どう考えたらいいかわからなくなって、前に進めない。考えあぐねてしまう。――こんな時代だからこそ、哲学者は、しかつめらしい言葉を使わずにこの本を書きました。人生で一番大切なものは何か、どうして自殺をしてはいけないのか、など、むずかしいけど、私たちが気になって仕方ない問題からも逃げずに、向き合います。
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商品情報
- シリーズ
- 哲学な日々 考えさせない時代に抗して
- 著者
- 野矢茂樹
- 出版社
- 講談社
- 書籍発売日
- 2015.10.27
- Reader Store発売日
- 2015.11.27
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 226ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (26件のレビュー)
-
"考える技術"とは"問う技術"であり、"待つ"ことこそ"考える"こと
哲学は、なにか固有の研究対象というのがあるわけではなく、あらゆる領域の前提というか、ゲームで言えばルールのような「メタ」を取り扱う。
自分がやっていることや、生きていくための「メタ」を問うのだから、生…活などしていられない。
だから哲学者は、世捨て人か学生に適していると言われているが、立ち止まって問い直す余裕は誰にとっても価値がある。
しかし大変である。
教職者であれば、気持ちが教科や教え子に向かわず、「教育とは?」という一般論に向かうし、恋愛中の男女であれば「そもそも恋愛とは何ぞや?」と考えてしまうのだから。
哲学者はどのように考えるか?
いきなり心とは何か? みたいにそのまま問うことはしない。
まずは、もっとずっと小さい、手頃な問題を設定する。
「考える技術とは、どうやって答えを閃かせるかではなく、いかに問いをうまく立てるかという、問う技術である」。
かつて小林秀雄が「考える」とは「迎える」ことだと語ったように、最後は「雨乞いの儀式」のごとく閃きを待つわけだが、そのまえに下準備として論理的に詰められるところはきちんと詰めておくというのが著者らしいところ。
「待つことこそ、考えること」に他ならぬのなら、現代はますます「考えさせない時代」となりつつあり、野崎まどの『know』のような脳内に電子葉を埋め込まれ、「知らない」と思うまもなく瞬時にわかってしまう世界が到来するとしたら、哲学者はおそらく失業だろうな。
「バラは暗闇でも赤いか?」という話がもっとも面白かった。
著者は街なかでこの話を考えつき、うれしさのあまり散々周りの人に語ったのだが「まちがっている」と否定されたり反応がいまいちらしい。
ただ著者としては異論は大いに結構で、全面同意される方が気色悪いかもしれない。
バラは暗闇では赤くない。
色は物の性質ではなく、われわれの主観に生じる感覚でしかない。
著者はここでもやもやを覚える。本当に色は感覚なのか? と。
本のタイトルを『赤いバラと雷鳴』に替えてほしいほど鮮やかに推論する。
いま新聞でも雑誌でも哲学者の書くエッセイはどこも引っ張りだこだが、著者の書く文章はどこか味気ない。
接続詞の重要性を強調したり、文章には一家言があるのだろうが、著者独自の匂い立つような味わいがないので、前半のように短文になればなるど、淡泊さが余計に極まるのが残念なところ。続きを読む投稿日:2015.12.05
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おもしろかったー。論理が必要なのは、完璧な調和のもとに生きてないから。ポリフォニーのあまたの声をきくこと。本を読んで、人と議論して、自分で考えて、調べたり考えたりしたことを書く。
投稿日:2024.01.31
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