特捜部Q―吊された少女―
ユッシ・エーズラ・オールスン(著)
,吉田奈保子(訳)
/ハヤカワ・ミステリ文庫
作品情報
引退間際の警官からかかってきた一本の電話は、カールたちQのメンバーを十数年前に起きた異常な交通事故の捜査へと導くのだが・・・・・・。デンマークの人気警察小説、第六弾!
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商品情報
- シリーズ
- 特捜部Q―吊された少女―
- 著者
- ユッシ・エーズラ・オールスン, 吉田奈保子
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 早川書房
- 掲載誌・レーベル
- ハヤカワ・ミステリ文庫
- 書籍発売日
- 2015.11.15
- Reader Store発売日
- 2015.11.13
- ファイルサイズ
- 1.1MB
- ページ数
- 624ページ
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この作品のレビュー
平均 3.8 (31件のレビュー)
-
デンマーク・コペンハーゲン警察内にある、未解決事件を扱う〈特捜部Q〉のメンバーの活躍を描くシリーズ第六作。
今回捜査するのは17年前に起きた、少女が車に撥ね飛ばされ木に逆さ吊りになったまま絶命した凄…惨な事件。
この事件を生涯をかけて個人的に捜査していた警察官ハーバーザートが、自らの退官式で拳銃自殺したことをきっかけに〈特捜部Q〉が後を引き継ぐことになる。
このシリーズの魅力の一つは〈特捜部Q〉のメンバーたちのキャラクター。
リーダーのカールは基本的に面倒を嫌う質だが、なんだかんだで引き摺られていく。
アサドはその名前通りイスラム圏の人間らしく、デンマークの慣習や社会からすると浮世離れ的な言動が目立つ。
一番エキセントリックなのがローセで、カールやアサドの尻を叩いて自らも猛烈に仕事に取り組む一方で、ロマンスにも猛烈。
さらにゴードンという新たなメンバーも加わるが、彼は一番常識的、だがこのメンバーの中では一番軟弱だ。
カール、アサド、ローセ共に秘密を抱えていて、それが明かされそうで明かされない。
本編の構成は過去の事件の話と現在の捜査状況とが交互に描かれる中で、過去の事件パートは徐々に時間が進み、やがて現在と交差する。この交差がどのような重要場面となるのか、交差後にどうやって〈特捜部Q〉と対決するのか、お楽しみだ。
シリーズとしては、カールが〈特捜部Q〉に配属されるきっかけとなった、『釘打ち事件』の真実が気になる。『釘打ち事件』後にカールはトラウマにより記憶が曖昧になっているので、一体カールは何を記憶の底に閉じ込め、何が明らかになるのか、それが暗いものでないことを祈るばかりだ。
さらに前作あたりから従兄弟からカールが伯父殺しに加担したという爆弾発言まで飛び出し、それが今作では親戚中に暴露されている。カール自身は全く身に覚えがないようだが、カールの記憶力の曖昧さが読者を不安にもさせる。
こちらの結末も気になるところだ。
肝心の本編の事件だが、何とも虚しくなるような話だった。こういう、無意識に周囲を惑わし傷付け、それでいてそのことに当人はまるで無関心で自分が一番純粋なままという人間が一番始末が悪い。周囲を振り回すだけ振り回しておいて、自分が一番の被害者だと本気で思っている。
ハーバーザートが何故家庭を壊してまで、最終的には自殺してまで少女の事件に拘ったのか、それが分かっても逆に虚しさしかなかった。
事件の関係者たち、ハーバーザートを含め、ここまでやったのに結局彼らは何を得て何を守ったのか。
こういう虚無感を徹底的に突き付けるのは北欧ミステリーの特徴だろうか。
本筋とは外れるが、デンマークでは本名すら明らかではない人物を警察で雇えるのか、離婚しても契約で元妻や義母や義理な息子にまで縛られるのかとか、日本では考えられないようなことが分かって興味深い。またLGBTに最も理解のありそうな国だが、身内のこととなると話は別というのも興味深い。続きを読む投稿日:2019.11.23
【カール 最大の危機迫る!?】
北欧ミステリーの人気シリーズ【特捜部Q】第6弾。
引退間際の警官からかかってきた一本の電話は、カールたちQのメンバーを十数年前に起きた異常な交通事故の捜査へと導いて…いく……
前作の【知りすぎたマルコ】と違い、こんがらがった複雑な糸をひとつひとつ解いていくようなストーリーだった。
展開もゆっくりめで、途中読みにくいエピソードもあったが、ラストの畳み掛けとどんでん返しはさすがである。
轢き逃げ犯は全く想像していなかった人物だったので、散りばめられた伏線を探す為にも再読しようと思う。
今作は新興宗教が事件に絡んでおり、ひとりの導師がキーマンとなっている。
とくに導師の心情がまったく描かれていないのがこの作品の面白い所だ。
読者は導師の心情や人物像を想像しながら読んでみると更に面白いのではないだろうか。
最初のシリーズから登場する“釘打事件”やアサドの秘密も出てくるのだが謎が深まるばかりだ。
どうオチをつけるのか最後まで見届けたいと思う。
純粋な気持ちが引き起こした悲劇が描かれた1冊だ。
こんな人におすすめ .ᐟ.ᐟ
・北欧ミステリーが好きな人
・どんでん返しが好きな人
・宗教がテーマのミステリーが好きな人
・倒叙ミステリーが好きな人続きを読む投稿日:2023.02.07
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