からくさ図書館来客簿 第四集 ~冥官・小野篁と夏のからくり~
仲町六絵(著)
/メディアワークス文庫
作品情報
盛夏を目前に控えた京都。「からくさ図書館」の館長を務める冥官・小野篁は、上官である安倍晴明から、ひとつの使命を託されていた。 「京の夏の祭礼を守れ」――。 その使命を胸に留めつつ、篁は不思議な書物""偽書""を紐とき、現世で迷う""道なし""たちを、今日も天道へと導いてゆく。 師である篁の影響を受けながらも、新米冥官の時子は初めて、からくさ図書館の外の世界へと踏み出して・・・・・・。 七月の祇園祭から、夏の終わりの送り火へ。 うつろう悠久の古都を舞台に紡がれる優しいライブラリ・ファンタジー、第四集。
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商品情報
- シリーズ
- からくさ図書館来客簿
- 著者
- 仲町六絵
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- メディアワークス文庫
- 書籍発売日
- 2015.09.24
- Reader Store発売日
- 2015.10.29
- ファイルサイズ
- 7.1MB
- シリーズ情報
- 既刊6巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (16件のレビュー)
-
京都の夏は暑い。
そして、祭りのために人がたくさん訪れ、人々も熱くなる。
本文中に、夏は生きる力がみなぎり、道なしと呼ばれるこの世のものではないものを見る人も増えるとある。
最近は暑すぎて、生きる力も…削がれてしまうこともあるかもしれないが、それでも移ろう季節の中で人は生きている。
今回の物語は京都の祭りが舞台になっている。
からくり人形の仕掛けがどうなっていたのか、修繕とはどういうことなのか。
感心したのは修繕とは何か、ということについて述べた部分。
元の通りにすることが修繕ではない。
その、物自体が過ごしてきた時をも大事にすることが修繕であって、決して時を巻き戻すものではないのだ。
美術品などで、当時の姿が蘇る!なんて宣伝されているけれど、そこだけが修繕の意味ではないのだ。
時を重ねることは悪ではない。
ついつい、日々の中でアンチエイジング(最近はこの言葉が魅力的に聞こえるのだ)だなんだという言葉に触れているせいか、出来立てホヤホヤこそ至上のものと思いがちだが、それは思い込みだということに気づかされる。
さて、もう一つ気になったのが、茜が私はいい母親ではなかったかもしれない、と呟くシーンだ。
高みから見下ろして、誰かの子を、夫を死地へ向かわせたことを悔いているのだ。
人の在り方はその時々で変わる。
今正しいと思っていても、そうではないと気づく日が来るかもしれない。
それが苦しみなのか、喜びなのかは今は、わからないが。
日差しの強さもまたすぐに秋の風に吹かれゆっくり消えていくように、そしてそれが決して寂しいばかりではなく、実りをもたらすように。
日々は巡る。
人の心も巡る。
変化は恐れるものではない。
明日は明日の風が吹く。続きを読む投稿日:2015.11.12
このレビューはネタバレを含みます
からくさ図書館4作目。
レビューの続きを読む
修行に出される時子。
といってもかんざし屋の茜と、山吹茂こと太田道灌のところだが。
道なしがらみで既知となった人たちや、
道なし自身が登場してその後が描かれているのが楽しい。…
茜の正体(?)が額田王であることが、
もったいぶって明かされていたが、へーという感じ。
額田王をあまりよく知らないというか、
思い入れがないというか。
晴明が川床で利き酒をしていたのも面白かったが、
祇園祭の鷹山の山車がテーマになっていたのも良かった。
なぜならば、去年、2022年の夏に本当に復活したから。続きを読む投稿日:2023.04.14
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