現代活学講話選集4 人生の五計
安岡正篤(著)
/PHP文庫
作品情報
いかに生き(生計)、身を立て(身計)、家庭を築き(家計)、歳を重ね(老計)、そして死を迎えるか(死計)――。この言葉は遠く南宗の時代に、見識ある官吏として多くの人たちに深く慕われた朱新仲の悠々たる人生訓である。本書は人間学の権威として世人の敬愛を集めた著者が、この教訓にヒントを得ながら、深い究明と実践により、独特の論法をもって唱えた『人生の五計』を、いかに現代に活かすかについて語り明かした講話録である。「日用心法」=「日々作用する、働く、その心掛けの法則」「朝こそすべて」=「本当にその時刻において、われわれのすべてが解決される」「師恩友益」=「”いい師””いい友”に巡り会わなければ、いかに天稟に恵まれていても独力では難しい」「良縁と悪縁」=「人生のことはすべて縁である」など、今日という日の重みを大切にし、真の幸福をつかむための智恵を解説している。相手の心を高め、善く生きるための深遠な教え。
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商品情報
- シリーズ
- 現代活学講話選集
- 著者
- 安岡正篤
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP文庫
- 書籍発売日
- 2005.05.02
- Reader Store発売日
- 2015.09.25
- ファイルサイズ
- 0.6MB
- ページ数
- 200ページ
- シリーズ情報
- 既刊7巻
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この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
-
これも安岡正篤氏に出会わなければ知り得なかった書である。
宋の朱子と同時代の官吏でもあり、篤学の人でもあった、朱新仲の教訓とある
長生きをするための教訓である。
生計 いかに生きるか、人間の本質的…な生き方
身計 いかに社会に対処していくか、社会生活における価値観
家計 いかに家庭を営んでいくか 一家の維持
老計 いかに年をとるべきか 老いる計りごと
死計 いかに死すべきか 死生一如の死生観
人生の五計の根本は、「急がば回れ」にあり
気になったのは以下です。
■生計
・朝起きて肝臓を養い、夕方に腎臓を休める
・熟睡とともに、安眠を考えなければならない
・夜が明けたらすぐ起きる、目を覚ましてからは、ぐずぐずするな。
・三上 枕上、馬上、厠上 有益な本を読む
・どんなところでも心を養う これが非常な効果がある。
・教育家が教育関係の本ばかり読んでいる。医者が医書ばかり読んでいる。いけない、なぜなら変化がないから
・多くの書を読む必要があると同時に、多くの人を知る必要がある。これは非常に大事なことです。社交という
■身計
・要約していうと、一番大切なことは、「師」と「友」である。いかに才能があっても、独力はいけない。
・「経の師には遭いやすく、人の師は遭いがたし」、学問の師にはあうことができるが、人生の師には出会うことがむずかしい
・友を通じて、益を受ける 直を友とする、諒を友とする いずれもまことのことです。多聞を友とする。道を拓くということです。
・政治とか、革命とかいうことも青年だけではだめである。老年だけでもだめである。青年と老年とをうまく配剤、合わせないといけない
・どんな地位についても、人から信用される。どんな仕事にあたっても何もはじめからできる必要はない。いつでも謙虚に、熱心にそれを学ぶ。学べば、必ず、人間は習熟することができますから、いかなる仕事にあたっても、容易に習熟するところの心構えができる、そういう人間を造ることが教育の主眼となります。
・原理原則、その模範的人物、典型、これが必要なんです。
・伝教大師の「一灯一隅を照らす」。自らが一灯となって、自らの座している一隅を照らす。自ら信ずるところを実践するよりほかに世の中を良くする方法ないのです。
■家計
・家計の出発点は結婚という問題であります。
・人間と単なる動物とを区別する最も根源的なボーダラインとは何か。それは、「敬」と「恥」である。
・父母は物質的・功利的な欲望や成功の話に関心をあまり示してはいけない。その言動を見て育つ子どもは、当然ながら功利的になる。功利的になると卑しくなる。
・「人世万事、喜怒哀楽の中に存する」ことは王陽明の名言であります。
・人間はいくら学問修養して偉くなっても、これは、一代きりである。残念ながらそういうものなんです。
■老計
・老いていくということは、みんな老衰することだと思うが、そうじゃない。これは老熟することなんだ。したがって老ということばは「なれる」とか「ねれる」と読む
・早い話、不養生とは自殺行為にほかなりません。
・頭は使うほど良いのです。頭は使わなくなると駄目になる。使うほどいい。
■死計
・仏教には有名な三身の論があります
①法身 性命、性霊の本体
②報身 法身が感覚的存在に発したもの
③応身 法身、報身が要請に応じて形に現れたもの
私たちが死ぬことはとは、この法身にたちかえって永遠に千変万化していくことである
※ここでは、仏教の輪廻転生のことをいっています。だから、死ぬと、生計にもどる。
目次
文庫版のまえがき
第1章 生計
第2章 身計
第3章 家計
第4章 老計
第5章 死計
ISBN:9784569663869
出版社:PHP研究所
判型:文庫
ページ数:200ページ
定価:600円(本体)
発売日:2005年05月23日第1版第1刷続きを読む投稿日:2023.06.12
このレビューはネタバレを含みます
「論理ではなく情理、真理、道理」、「7、8時間寝る必要はない、大体は夢を見ている」、「黎明即起し、醒後 霑恋する勿れ」、「朝に墨を擦る」、「佳い人、佳い書、佳い山水」、「益者三友、損者三友。」、「政治…、改革は青年と老年をうまく配剤、合わせる。」、「教師憲章」、「一灯一隅を照らす」、「男は齢四十になれば、己の人相に責任がある」、「父子の敬」、「最もいい言葉は苦言」、「人間は今やコンピュータを造って、前頭葉を失いつつある」続きを読む
レビューの続きを読む投稿日:2019.01.03
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