モーゲンソー 国際政治 (上)-権力と平和
原彬久(監訳)
/岩波文庫
作品情報
国際政治学は「モーゲンソーとの対話」の歴史である.あるがままの人間を観察すれば,政治はつねに権力闘争である,という命題に行きつく.人間性についての怜悧な仮説に基づくモーゲンソー(1904―80)の現実主義とは何か.国家の外交に「力」と「国益」という概念の導入を主張した,二十世紀国際政治学の古典的名著.(全三冊)
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商品情報
- シリーズ
- モーゲンソー 国際政治
- 著者
- 原彬久
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波文庫
- 書籍発売日
- 2013.08.20
- Reader Store発売日
- 2015.09.17
- ファイルサイズ
- 3.1MB
- ページ数
- 410ページ
- シリーズ情報
- 既刊3巻
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この作品のレビュー
平均 4.5 (5件のレビュー)
-
政治の本質とは何かを詳細に説く。
政治の「正しい」入門書といって過言でない名著。
上中下巻構成と大部だが、非常に読みやすく、政治を考察する上での基本的な視座を獲得できる。
最新版の発行(1986年)…からも既に30年以上経つが、本書の分析と今日の国内・国際政治状況とを照らし見るのも面白い。続きを読む投稿日:2018.08.01
人間は名誉・恐怖・利益に従って行動する。強者による力の行使、弱者の服従は自然の摂理。正義は対等な力をもつ者同士の間でしか成立しない。トゥキディデス『戦史』ペロポネス戦争
国家はそれぞれ自分たちの利益…を追求するために外交(政治)を行う。戦争は盲目的な激情に基づく行為ではなく、戦争には政治目的がある。しかし、通常の外交(政治)でも自分たちの利益が達成できないときに戦争を行い、目的を力づくで達成しようとする。戦争は他の手段による政治の継続である。▼戦争に含まれている粗野な要素を嫌悪するあまり、戦争の本性を無視しようとするのは無益であり、本末を誤っている。クラウゼヴィッツ『戦争論』1832
人間は希少財をめぐって生存競争を行う利己的な存在であり、他の人間に対する支配欲・権力欲を持つ。政治は人間が他の人間の支配を目指す活動であり、本質的に悪である。国際政治においては、人間はナショナル・インタレストを最大化するため、可能な選択の中から合理的に思考し行動する。国内政治では国家が組織的な暴力を独占しており、社会の構成員に抵抗しえない社会的圧力を加えることで、平和が維持される。しかし国際政治にはそうした制度はなく、権力闘争は激化する。▼国力を示すものは、地理、天然資源、工業力、人口、国民性、国民の士気、外交の質、政府の質、そして軍備。とくに軍事力は威嚇手段・潜在力として、国の政治権力を形成する上で最重要。軍事力の政治目的は、他国に対して自国への軍事力の使用を危険だと思わせ、攻撃を抑止、ひいては軍事力の行使を不必要にすることにある。実際に軍事力が行使された場合、軍事力が政治権力に取って代わったことを意味する。▼諸国間の権力闘争の場においては、平和はバランス・オブ・パワーによって達成される。ただし、国力の計算は正確にできないため不確実性をもつ。一部の国に「もしかしたら勝てるかも」と思わせてしまう。なので、各国の指導者間の知的・道義的なコンセンサスを必要とする。ただ、世界政治の中心がヨーロッパ(同じくらいの国力の国が複数いる)から米ソ(超大国が2つだけ)に移行したため、英が果たしたようなバランサーはいない。なお、国際法は基本的に力の反映であり、国民国家を超える権力が存在しない以上、平和維持の条件として不十分。ナショナリズムによる分断はなお激しく、世界共同体・世界国家は現実的でない。▼他国のナショナル・インタレストへの配慮や死活的でない争点における妥協など、権力追求を制限する姿勢が求められる。ハンス・モーゲンソーMorgenthau『国際政治』1948
ギルピン
戦争はなぜ起こるのか。その原因は個人(政治家・指導者)、国家、国際システムにある。個人と国家の要因が最も直接的な戦争の原因だが、個人と国家は国際システムによる制約を受ける。個人(政治家・指導者)を民主的に教化したり、国家を民主化するだけでは戦争は防げない。なぜなら国際システムが無秩序である限り、個人と国家は安全保障に不安を覚えるからだ。ケネス・ウォルツWaltz『人間・国家・戦争』1959
軍事的にも経済的にも超大国であり、リーダーシップを取る意思がある国(覇権国)は、国際レジームを形成して、安定した秩序を生み出す。覇権国が衰退すると、国際レジームも脆弱になる。キンドルバーガーKindleberger1973
国内政治が国際政治に与える影響だけでなく、国際政治が国内政治に与える影響(外圧など)にも注目すべき。グールヴィッチGourevitch1978
自国の独立に不安を抱える国家は、のちに自国の安全を脅かす可能性のある強国と同盟するよりも、脅かす可能性が低い弱国と同盟を結び、強国に対抗する道を選択する。強い国側に味方して、勝利の分け前を貰うこともできるが、いずれ強い国が自分たちの国を攻撃してくるかもしれない。なので弱い国側に加担して、強い国の力を抑えた方が良い。ケネス・ウォルツWaltz『国際政治の理論』1979
国家は過度なくらいの力を獲得し、覇権を目指すべき。それが国家の生存を保障する最善の方法。ミアシャイマーMearsheimer『大国政治の悲劇』2001続きを読む投稿日:2023.04.10
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