日本の納税者
三木義一(著)
/岩波新書
作品情報
税金はややこしくてわからない.いや,ちょっと待て.わからないで済まされるのだろうか.税務署がどこにあるかさえ知らない日本の納税者.その無関心と無理解につけ込んだ「お上まかせの税制」が,今日の財政危機と格差社会を生んだともいえるのだ.国民の大多数を占めるサラリーマンが,いかに税にたいして関心を持てなくされているか.その現状や背景を伝える.
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商品情報
- シリーズ
- 日本の納税者
- 著者
- 三木義一
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波新書
- 書籍発売日
- 2015.05.20
- Reader Store発売日
- 2015.08.20
- ファイルサイズ
- 4.8MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (13件のレビュー)
-
日本の納税者とは、僕のことじゃないか。ところが納税者として税のことを理解しているかというと、かなーり曖昧である。
というのも、日本の納税はそういう風に作られているから。納税はかつて兵役とセットであっ…たりしたが、憲法が変わり、三大義務の一つになった。だが、源泉徴収と年末調整という、納税から遠ざける制度によって、主権者として税に関わる意識がすっかりなくなっている。
改憲・憲法解釈が話題になる昨今だけど、納税のことは、とんと聞いたことがない。みんなこのままでいいと思っているのか。それとも、その情報さえ、みなの興味に触れないだけなのか。
本書は、税がいかに納税者たちと縁遠いかを語る。わかりにくいこと、誰も助けてくれないこと、間違えてもやり直しがきかない場合もあること。悪さをしていなくても、痛くない腹を探られること。累進課税のようでいて、大金持ちになると所得税の負担割合は実は減ること。
日本には、納税者の権利を定めた憲章がない。義務だ、払え、としてオートマチックに取れる税ばかりを設定していくばかりでは、税が社会を善くしていくことなどできないだろう。要するに日本の税制は、正々堂々としていない、という印象を強く感じる。
社会保障と税の一体改革、という言葉が民主党政権末期によく聞かれた。すっかり聞かなくなったと思ったら、軽減税率騒動で、財源不足で社会保障の方をちょっと削る、なんていうことで久しぶりに耳にした。まだあったんだこの言葉。「社会保障と税」こそ、主権者が主権者として主張できるファクターなのに、まさに「国民的議論」が行われずに、テキトーに決められていくよなあ。
日本がダメ、という本に見えるかもしれないが、だがしかし、税に対する目的意識を持つに足りる本である。続きを読む投稿日:2015.10.30
三木先生と言うと、この人は租税法学者でして、また青山学院大学の学長まで上り詰めた方ですから、私も下手なことを申し上げることは当然できかねますが、どうにもこの本には些か疑問が残る形となりました。
身…も蓋もないことを言わせてもらえば、この人は結局、租税法の複雑難解さによって生計を立てていたわけでして、言うなれば「租税法利権」の受益者である、というのが私の認識です。
従いまして、私にとって三木先生は、同氏が糾弾する日本社会における租税を巡る「ものの見方」に関する共犯者だと思うわけです。
なるほど租税法の複雑難解さは目に余るというのはわかるわけですが、そしてその見直しの必要性についてというのも理解はできるのですが、ただ、三木先生は学者として、新たな租税法の規定の在り方を提言されたことがあったのでしょうか。
むろん、解釈法学者にそうした立法に踏み込んだ提言を要求するというのは、あるいは失当かもしれませんが、しかし、私は何も魚屋に明日から野菜を売りなさいというような無理な注文をしているわけではありません。
一例として、租税法の文言をより分かりやすいものにするために、ある法律のある条文の文言を変更いたしますと、その変更後の条文が従来のものと同一の内容なのか、又は以前から変更したものなのか、という疑義が当然生じます。
文理解釈が支配的な租税法の世界では、普通の場合後者となることが多いわけですが、いずれにせよ、ひとまず文言変更後の解釈がどうなるか、ということについて世間が全く無関心ということはありえません。
そうなりますと、この解釈はいったい誰が明らかにしてくれるのか、ということになるわけですね。課税庁が顔を出すことは容易に想像できるでしょう。
これに対する反論として、従来の条文は従来と同一の意味とする、という見解を採るとしても、改正や追加に当たっては、従来の条文の文言の法則が妥当しないこととなるわけですから、これについての疑問は残ってしまう。
従って、難解ながらもひとまず解釈手法の確立した法律について表現の平易化という外科的手術を施すに当たっては、租税法において重視されるべき予測可能性を損なわないように努める、ということに留意する必要があるわけですが、その技術的に微妙な調整こそ三木先生初め学者先生のお仕事ではないかと感じるわけです。
問題提起は大事なことですが、その問題の解決に当たって遭遇する困難に言及してほしかったな、あるいは何らかのご提言があるのであれば、民主党との合作のみにとらわれずご披露する、それが租税法の職業専門家が発揮すべき良心だったのではないか、と考えるのです。続きを読む投稿日:2019.11.12
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