この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
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タイトルを見ると、最初から最後まで安倍政権をテーマにして安倍政権を笑い倒しているような印象を受けますが、それは第1章のみで、それ以降は、もっと大きな視点から笑いについて語り合いながら、ついでに付け足…し程度に
「だから(それに比べて)安倍晋三はダメなんだ」と嗤い、
「またつまらぬものを斬ってしまった」
という本。
『安倍晋三を嗤う』というタイトルの方が良かったかも。
本書では、お笑いは弱者が強者に対抗するためのもの、と高く評価するスタンスですが、本当にそうでしょうか。
例えば、いじめ問題が問題になる時、よく、加害者側が、冗談のつもりだったとか遊んでるつもりだったとか言います。
集団生活の上で、いじめや仲間外れが、お笑いの形をとって現れることもあるのです。つまり、悪用すれば、笑いは言葉の暴力にもなるのです。
本書で例に挙げて誉めている類の笑いは、ごく一部の上品なコミュニティで通用しているような高尚で特殊な例であって、一般的庶民の間で一般的に使われている笑いは、そんな上品なものではありません。
私の成育歴からいうと、お笑いとは、悪い奴が悪いことをやる時の隠れ蓑のようなものだったのです。
本書では笑いのいい面ばかりを取り上げていましたが、笑いとは使い様によって、良くも悪くも使えるのです。
まさに原子力や核兵器のような存在です。
それはともかく、本書でもチラリと、首相に取り込まれた太田光を批判していましたが、笑いの負の面・悪用される面についても検討して頂きたかった。
例えば、百田尚樹などは、失言を批判されると、よく「冗談やったのに。冗談の分からん奴や」と言い逃れします。
本書では、下ネタを言える人をやたら持ち上げています。しかしそれは幻想ではないのか。
学校生活にしろ、職場にしろ、地域社会にしろ、ぺちゃくちゃおしゃべりばかりして(特に下ネタ)いる人は、肝心な時に役に立つものかどうか。
夏目漱石の小説『坊ちゃん』でいうと、野だいこのような奴も多いものです。
下ネタを言える・言えないで判断するのではなく、結局最後は、個人の性格心情の問題ではないでしょうか!というか、下ネタで笑えない・下ネタが言えないというだけでマイナスの烙印を押されてはかなわん!!
……と、お堅い家庭環境で育ったためにお笑いや下ネタが苦手な私の個人的感想です。
本書では、安倍晋三はお笑いの分からない薄っぺらい男だ、という論調ですが、そういう観点から見ると、橋下徹は安倍晋三と比べ物にならない強敵ではないでしょうか。
確かに橋下の笑いは、本書で規定している“本物の笑い”ではなく、立川談志からも永六輔からも認められない下品でヘイトな笑いですが、そんな上品な定義論をやっている場合ではありません。
TVに出れば、笑わせた者勝ちです。
橋下には聴衆を乗せるカリスマ性があるので、怖いのです。
橋下徹は“大阪独裁住民投票”に敗北し、引退を表明したのですが、未だに色々と浅ましいことをやっています。
安倍改造内閣にサプライズ入閣する、という噂もあります。
もしそんなことになれば、大変なことになります。
ぜひお二方には、【橋下徹を笑い倒す】続編を行って頂きたいものです。
笑いを使うのは、安倍政権を批判する人々だけではありません。
ネット上の世論で覇権を握っているのは、ヘイトな嘲笑を使うネトウヨ・ネトサポ・自民党工作員どもです。
ネトウヨまとめサイトなどは、ヘイトな嘲笑で充満しています。そこで笑い倒されているのは、マトモな言論を守っている良識ある人々なのです。
ネトウヨこそ、お笑いを悪用している存在なのです。
(もちろん、本書の定義によると、そんなのは本当の笑いではないでしょう。しかしそんな悠長なこと言っている場合ではありません。こちらは使わなくても、ネトウヨ達は下品な笑いでどんどん攻撃してくるのです。)
お笑いを制する者が言論戦を制す!
安倍政権と戦う我々は、正しいお笑いを理解し、使えるようにならないといけません。
私も上で書いたように、お笑いに対しては不幸な思い出が色々とあります。
しかし、不幸の連鎖から抜け出すためには、正しいお笑いと和解することが必要なのです。
お笑いの能力は安倍晋三並みですが、今後がんばらなければ。
http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20150810/p1続きを読む投稿日:2015.08.11
松元ヒロさんの舞台を観たことのある人は
彼の「芸」の背景にあるものが見えてきます
まだヒロさんの「芸」を観たことのない人は
必ずや、観たい!の気持ちを持つことになるでしょう
立川談志さん、マルセ太郎…さん
残念ながら故人となってしまわれたお二人のこと
でも、お二人の「こころざし」は
こうして松元ヒロさんの「芸」に受け継がれていることに
拍手をしたくなることでしょう
終わりのほうで、偉大な詩人でありフォークシンガーの笠木徹さんの名前が登場してくることもうれしい限りです
そうそう
永六輔さん、
今の時代をご覧になられて
「永さんが、もし生きていらっしゃったら
なんとおっしゃるのだろう」
と思ってしまう
ここまでを綴った二日あと
新聞の一面に「共謀罪」の大活字、
マルセさんなら
笠木徹さんなら
永六輔さんなら
どうおっしゃったことだろう
と ますます思ってしまった続きを読む投稿日:2017.06.16
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