この作品のレビュー
平均 3.4 (8件のレビュー)
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フランケンシュタインは怪物を造った人の名字です
人造人間が出てくるゴシック小説。タイトルは超有名でも、内容まで詳しく知っている人は少ないんじゃないでしょうか。そんな私も、読みはじめるまでは怪物がフランケンシュタインだと思っていました。実際はそれは怪…物を造った科学者の名字で、怪物のほうは最後まで名無しのままです。
ホラーっぽいけど古典なので、現代の作品に比べると全然怖くありません。意外だったのは、これがけっこう切ない話だということ。特に、怪物の身の上話(?)は胸に迫るものがあり、思わず彼に同情してしまいました。また、「反逆する人工生命」という現代SFでも通用しそうなモチーフを19世紀に書いているのも凄いところです。
新訳で読みやすくはなっていますが、独白調の語りで進む部分が多いため、全体的に文字がびっちり詰まっています。黒っぽいページに最初は気後れしたものの、結果的には発見の多い読書となりました。
「訳者あとがき」によると今年(2015年)はジェームズ・マカヴォイ&ダニエル・ラドクリフ出演の新作映画も公開されるそうなので、映画を観る前・観たあとに原作を読んでみるのもいいかもしれません。続きを読む投稿日:2015.09.09
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数年前に青空文庫だったか、他の訳で読んだものの、改めて読み返してみようと思い手に取った。
「フランケンシュタイン」は怪物の名前ではなく怪物を作った作中人物の名前だよというのは、もはやだいぶ定着してきた…ことと思う。
怪奇小説ということで、主人公は怪物だと思われるが(私は本書はフランケンシュタインと怪物のW主人公と思っている)、なぜ作者のシェリーはタイトルを「怪物」ではなく「フランケンシュタイン」としたのだろうか、と思いながら読んだ。
というわけで、本書でスポットが当たっているのは怪物ではなく、フランケンシュタインであるという考えのもと、感想を書こうかと思う。
特に内容はないけど。
感想を書くと言ったものの、大体本書を読んでいいたいことは、冒頭のシェリーのまえがきと…特に訳者あとがきに詰め込まれているのです。
訳者は本書を翻訳するにあたり、この物語が今まで読み手にどのような印象を与えてきたか知るために、様々なレビューを読んだとのこと。
そうすると、「やはり多いのは、望んでもいない醜き生を受けた怪物に同情し、あらゆる責任を放り出して自分に都合のいい言い訳をするフランケンシュタインに腹を立てる声であった。」
訳者自身も、「ジュスティヌ・モリッツの裁判を傍聴したフランケンシュタインが「彼女の受けていた責め苦も、私のそれには及びますまい。彼女には無実の信念を心頼みとできても、私の胸は決して逃してはくれぬ呵責の牙に引き裂かれていたのですから」などと語って見せる場面は、自己正当化も甚だしいように見受けられ、実に腹立たしい。」と述べている。
まあ正直、私も同感である。
人命錬成という研究に取り憑かれたように打ち込み、いざ自分の設計通りに怪物が生まれた途端、怪物に対し嫌悪を剥き出しにし怪物が何を語りかけようとも怪物を悪と決めつけるところは、一体お前は何がしたいんだヴィクトル・フランケンシュタイン?といった気持ち。
まるで欲望のままにセックスをし、いざ子どもが産まれたらトンズラこく無責任な父親のようである。
訳者も父と子の物語であるとしているが、本当にそうだなぁ、育児放棄した父親とそれに対して憎悪を抱きながら救いを求める子どもの図だ…
もし産まれた怪物が美しい天使のような外見だったら、フランケンシュタインはどうしていたのだろうか。若さと苦を知らぬ裕福さゆえかもしれないが、そうなったら怪物を怪物と呼ばず祀り上げていたかもしれない…かな?
フランケンシュタインの怪物に対する感情、偶然北極で出会った野心に溢れた青年にこの自分の今までを教訓として語り聞かせるところ、間違った方向に向かっているのかはたまた正しいと言えるのか分からない正義感…様々な彼の感情、行動が、まさに人間だと思わされる。
怪奇小説でありながら、主人公は人間なのだと感じました。続きを読む投稿日:2023.03.21
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