靖国神社と日本人
小堀桂一郎(著)
/PHP新書
作品情報
なぜ、日本人の心は靖国神社から離れてしまったのだろうか?祀るべき子孫を欠いたまま国のために命を失っていった若人たち。彼らを祀るという日本古来のこの先祖崇拝という民間習俗の発露として、靖国神社は明治1年に創建され、以来130年間日本人の信仰と道徳観を護り続けてきた。しかし、戦後という時代の渦の中でなぜたびたび問題として浮上し、こんなにも歪んだイメージで語られるようになったのだろうか?本書では、お社(やしろ)の発祥・創建に溯り、栄光から屈辱、安寧から危険という戦前から戦後への変遷と断絶の歴史を描き出すことで現代日本を見つめ直していく。戦後の泰平の世に慣れた日本人が失ったこの「誇り」と高貴な精神の原点を、われわれの内なる信仰と伝統を通して考える警世の書である。
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商品情報
- シリーズ
- 靖国神社と日本人
- 著者
- 小堀桂一郎
- 出版社
- PHP研究所
- 掲載誌・レーベル
- PHP新書
- 書籍発売日
- 1998.08.01
- Reader Store発売日
- 2015.02.20
- ファイルサイズ
- 2.8MB
- ページ数
- 280ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (7件のレビュー)
-
ざっと目を通した印象では、著者は、靖國神社を宗教的神社と考えてはいないと思う。宗教色は認めてはいるが、日本人の「伝統」「習俗」の神社であり、戦後米国占領軍によって、宗教団体だと認定された、と指摘してい…る。■よって、憲法上の宗教団体では無いとする。靖國は日本古来の道徳の公準であり、それを守ることが、英霊に対する慰霊にとなるという。
■しかしながら、靖國神社を国民道徳顕揚の一指標と守っていく国家護持の形に委ねることはいまや断念すると述べる。何故なら、機関としての日本国が、そのような大役を担えるような倫理的力量はなく、その資格が無く、聖なるものに対する敬虔さを欠いているからである。■それ故、靖國神社は、国土の安泰と国民全体の繁栄と安寧との守護神である、とする。
■著者に対する疑問がある。「道徳」の公準を「靖国」にだけに求めるのは疑問であり、その道徳の基準で裁可判断していくのは、「仏教」が公準を占めた時代に対する蔑視も含むことになり、日本の中に雑踏する宗教の洋々なる側面を看ないことになる「視点」を援用することなるだろう。他の神道としての「神宮」系の神社に対する愚弄としても作用ことになる「思想」としても機能し兼ねないのではなかろうか。■それは、おそらく著者の本意ではないだろうが、しかしながら、「国土の安泰と国民全体の繁栄と安寧との守護神である」構えが絶対的な構えであるとするような系譜の思想ならば、それは「保守」ではなく、「習慣」習俗の変異を認めない原理主義に脱落するものとなるのではないか。■日本人の習俗、伝統は、雑踏として成り立っているのではないか。仏教と神道が混在して成立していることが伝統としての宗教観であるのだろうと思う。続きを読む投稿日:2005.11.02
森鴎外の研究者であり保守派の論客として知られる著者が、靖国神社をめぐる諸問題について論じた本です。
靖国神社では、どのような教義にもとづいて英霊たちが祀られているのかということを、その内在的な論理に…沿って書かれた本を読みたいと思い、本書を手に取ったのですが、本書の最初のほうでは、靖国神社の成立についての歴史的事実がわかりやすく解説されているものの、やや期待していたのとは異なる内容でした。
著者は、戦後において靖国神社が一個の宗教法人となったことを批判しており、柳田國男の「先祖の話」などを参照しながら、特殊的な宗教的信念に先立つこの国のありように根ざすものとして、靖国神社における慰霊という行為を位置づけようとしています。さらにそうした文化的な水脈を示す例として、靖国神社にかんするいくつかの言説や、この世を旅立っていった英霊たちの遺書などを引いています。
ただ、このようなスタンスがとられるのであれば、靖国神社の信仰のありかたについての社会学的な観点からの分析などはしりぞけられてしまい、著者の考えるこの国の「文化」あるいは「国体」にコミットするのでなければ、それについて理解することも考察することも不可能になってしまうのではないかという気がします。そのような意味で、本書は靖国神社をめぐる討議の舞台に上がることをはじめから拒否してしまっているように思えてなりません。続きを読む投稿日:2019.11.06
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